『300 スリーハンドレット』フランク・ミラーこれは「犠牲の美学」だ!【独占インタビュー】
2007年06月07日12時07分 / 提供:livedoor
最初に見た日本のコミックは「子連れ狼」 写真一覧(3件)
■スパルタの歴史の中で、なぜ「テルモピュライの戦い」を題材にしたノベルを執筆されようと思われたのでしょうか
5歳の時に、「300人のスパルタ人」という映画を両親と見たことがあります。そのときに始めて、ヒーローは必ずしも生き残るものではないし、必ずしも強いわけではないということを知ったんです。それは、私にとって驚きの発見でした。
それが、心の中に残っていた物語だったんです。その300人の犠牲によって、歴史が変わるようなものすごいパワーのある行動だった、そこが魅力的な題材じゃないかと思います。
■スパルタの魅力、レオニダスの魅力は何でしょうか
アテネについてはよく知られていますが、スパルタについては歴史的にも知られていません。一番古い民族だといわれていて、実際に奴隷もいたのですが、女性にも権力があったし、奴隷もお金を持っていたんです。
同じギリシャの中では珍しい国ですね。男たちは肥沃な土地を持っていて、それを耕す仕事は奴隷にさせて、自分は戦士として訓練するという特異な制度を持っていました。基本的には民主主義者だったと思います。その中で、ペルシア帝国の脅威に対して、スパルタとしての国は立ち上がらなかったのに、レオニダスが彼の腹心である300人を使ってギリシア全体を守った。ある意味、ファシストというか、独裁者そのものなんです。しかし、その男が世界を変えたというところが魅力ですね。
■グラフィック・ノベルでは静止画ならではの迫力があるわけですが、今回の映画化にあたって特に注意された点はありますか。また、完成された映像をご覧になられて、想像通りでしたか
ザック・スナイダーは本当に素晴らしい監督で、彼に任せた以上、何かをしようという気はありませんでした。岸壁からペルシア兵を落とすシーンがあるのですが、そこは私自身が絵を描くときでも苦労したんです。空があって、人が岸壁から落ちていくというイメージがしっかりしたものなんです。それを見事に描いてくれていて、悪夢として出てきそうなくらいにの映像を作ってくれていたので、想像通りにいい仕事をしてくれました。
■今回の映画では「法」とうキーワードがあるわけですが、その「法」は絶対的なもなのだと思われますか
もし、自分に異形の子供が生まれたら、その子供を岸壁から捨てるようなことはしないと思います。ただ、彼らがやろうとしたことは強固な守りだったのでしょう。私は、その法律が正しいとは思いませんが、あの時代には、あのルールがあったからこそ、彼らは歴史を変えるほどの行動ができたのだと思います。
■ミラーさんは日本通だとお聞きしているのですが、日本のコミックなどに影響された作品はありますか。
私が最初に見た日本のコミックは「子連れ狼」でした。それまで知っていたコミックとは、まったく違ったものだったのでビックリしました。
アメリカと日本は、漫画やアニメによって近づいたと思います。また、それぞれに個性があります。アメリカの作品は、薄くて物語としてはゆっくり進んでいくことが多い。一方、日本のコミックはページが多くて、スピード感があって物語が進んでいく。だからお互いにいい所を教えることができるんです。
例えば同じページに長くヒーローがいてもいいんだと、アメリカの漫画家は日本の漫画家に教えることができる。日本の漫画家はアメリカの漫画家に息のつき方などを教えることができるとお思います。
■最後に、この映画の見所と日本のファンへメッセージをお願いします
アメリカと日本の文化はすごく離れていると思うかもしれませんが、私は「300」を見れば、すごく身近に感じてくださると思います。なぜかというと、ここで描かれている物語や価値観というものは、「犠牲の精神」「犠牲の美学」なわけですが、これは「七人の侍」と同じだと思うんです。負けるとわかっていても、「義」として行くわけです。これまで多くの人たちがやってきた一つの作品であるわけですが、日本にも無かったわけではないので、「うん!」と理解できる作品だと思います。
監督・脚本:ザック・スナイダー
脚本:カート・ジョンスタッド、マイケル・B・ゴードン
原作・製作総指揮:フランク・ミラー
出演:ジェラルド・バトラー 、レナ・ヘディ 、デヴィッド・ウェンハム 、ドミニク・ウェスト 、ミヒャエル・ファスベンダー 、ヴィンセント・リーガン
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/300/
6月9日より全国ロードショー
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