ジェラードとのコンビまたも不発に終わったブラジル戦<br>【photo by B.O.S.】

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 先週末に行なわれたブラジル代表との親善試合を1-1で引き分けたイングランド代表。デイビッド・ベッカムの代表復帰が注目された一方で、チェルシーのMFフランク・ランパードのパフォーマンスに納得しないイングランド・サポーターからはブーイングの声も聞かれた。これに対しランパードは「残念だ」と語りながらも、イングランド代表の一員として戦う厳しさを改めて痛感したようだ。

「ブーイングはチームのためにならないし、選手だって頭にくることもある。ただ、イングランド代表選手である以上、批判を受ける覚悟は必要だね。1年前の僕はサポーターが選ぶ年間最優秀選手に2年連続で選ばれていた。でも今は批判を受ける立場。これがイングランド代表なんだ。一時は、ファンがデイビッド・ベッカムをメンバーから外すよう求めていた時期もあったけど、実際に代表を外れたら、今度は英雄のように迎えられた。彼は偉大な選手だし、常に全力を尽くしている選手だから。サッカーとはそういうものだよ」

 ユーロ2008予選で苦戦するイングランド代表は、現在グループEで4位に甘んじており、水曜日に行なわれる予選のエストニア戦で勝点を逃すと、本大会出場が絶望的な状況だ。さらに、3月に行なわれたアウェイのアンドラ戦では、最終的には3-0の勝利を収めながらも、格下相手になかなか先取点が奪えない試合展開に不満を抱いたサポーターは試合後、監督や選手に対して、激しいブーイングを繰り返した。

 結果と内容が求められるアウェイのエストニア戦を前に、ランパードは「チームを支えて欲しい」とサポーターの協力を呼びかけている。

「アンドラ戦では、ファンが不満を露にした。もちろん、僕ら選手はブーイングに気づいていたよ。ただ、エストニアはアンドラよりも強いチームだ。簡単に勝てると思うと危険だ。それに、ヨーロッパのアウェイ戦は難しいんだ。ホームのブラジル戦とは別物。しっかりとした準備が必要だ。開始15分でリードを奪っていないことをネガティブに考えるような戦いをしては危険だ。一番大事なのは、試合に勝つこと。もちろん素晴らしい内容で勝ちたいし、開始10分で先制できれば最高だ。でも、そう簡単にいくとは限らない。ただし、ブラジル戦で見せた勝利の執念を持って臨めば、絶対に勝てるはずだ」

 このところ、代表戦でゴールから遠ざかっているランパード。ここ14試合で得点はわずか1と、自慢の攻撃力を発揮し切れていない。ユーロ2008本大会出場のためにも、イングランド代表の中核に成長したランパードの奮起は不可欠。アウェイのエストニア戦では、チームの勝利と自らのゴールで、サポーターの信頼を取り戻したいところだ。