【サムライ通信】「誰にもわからない先発メンバー」
「ホント、今日の段階では誰が先発で、どんなフォーメーションで戦うかは、僕ら自身にもわからないんですよ。いつもそうですよ。で、試合当日になって、そうか、これが先発かって(笑)」前日練習を終えた鈴木啓太は軽やかに笑ってそう話した。前ジーコ監督に限らず、Jリーグの監督でも試合前日には、セットプレーの練習などを行うため、だいたいの予想スタメンというのがわかるものだが、オシム監督の前日練習ではそれが隠れたままだ。それは報道陣だけでなく、選手たちにとっても同じだ。
31日の前日練習では、サイドのスペースを活かし、数的優位を作る攻撃の確認が行われている。最初はハーフコートで、DFは4人+守備的なMF2人×FW2人+攻撃MF4人という形のグループをふたつ作った。次はフルコートでメンバーは以下の通り。中村(俊)と本田は別メニュー。
Aグループ DF:阿部、中澤、坪井、駒野、MF:遠藤、稲本、水野、佐藤、山岸、FW:巻、播戸
Bグループ DF:中田、今野、青山、水本 MF:鈴木、藤本、羽生、橋本、家長 FW:高原、矢野
どちらのチームのプレーにも関与するフリーマン 中村(憲)。「4バックになるかどうかも、明日の相手次第であって、今はわからない」と駒野。佐藤も「相手のシステムによってこちらも変わってくるだろうし、すべては明日」とあっさりと応えている。
オシム監督は、選手同士の相性にも配慮すると言われているため、誰と誰が組むかという組み合わせを考えると先発が見えてきそうなものだが、前日練習では1度も一緒にやっていなかった選手同士が先発することも少なくないので、一概には想像ができない。ましてや今回監督は、「より多くの選手を見てみたい。いつもは出ていない選手も見たい」とも話しているうえ、稲本、中田と言った初招集選手もいるため、過去の試合出場実績だけでは予想は難しい。
「それでも僕らは予想スタメンを紙面に載せなくちゃいけないんだ」と新聞記者は頭を抱えていた。選手たちに不安はないのだろうか?相手のことだけでなく、自分のチームのメンバーもわからないのだから。
明日の試合に向けて鈴木は、「将来の見える戦いをしたい。たとえば、ミスが生じたとき、その原因を察知して修正する能力だとか、相手の状況だとか、そういうものを判断して個々が対応する能力を高めることが、将来につながっていくんだと思う。そのために重要な経験となるゲーム。いろんな経験をすることで、判断材料という引き出しが増やせる。そういう意味で、結果も大事だけれど、どういう戦いをしたかということが大事なんです」と話す。
コンビを組むFWについて聞かれた高原は「あまり気にしていない。どういう状況になるかは、明日の試合が始まってみないとわからない。どんなにビデオを見てもわからないことはある。大事なのは、そういう中でいかに打開していくかということ」と応えた。
チームとしての“やり方”を踏まえたうえで、相手の出方を見て、そして、選手個々がお互いを活かすべき判断をしていくことが求められる。それがこの代表の基本姿勢なのだろう。だから、先発メンバーやシステムがわからないと不安がる選手はいない。
稲本や中田といった、欧州でプレーする選手の参加にも動じることなく「自分の成長のために必要な競争」と言う鈴木は、「いきなり素晴らしい戦い方でできればいいけれど、すぐにそういうことができるものじゃない。1日1日の積み重ねが大事。そういう意味では大事なのは、今ではなく2010年なのだから」と言葉を結んだ。
オシムジャパン発足以降、すべての試合に先発している彼からは、指揮官の意図を十分に理解しているという、ゆるぎない自信が伝わってきた。
<サムライ通信>
・中田浩二「やっとという気持ちといよいよという気持ちがある」
・高原直泰「リーダーとしての覚悟」
・楢崎正剛「代表は自分には縁がないと思っていた」
Aグループ DF:阿部、中澤、坪井、駒野、MF:遠藤、稲本、水野、佐藤、山岸、FW:巻、播戸
Bグループ DF:中田、今野、青山、水本 MF:鈴木、藤本、羽生、橋本、家長 FW:高原、矢野
どちらのチームのプレーにも関与するフリーマン 中村(憲)。「4バックになるかどうかも、明日の相手次第であって、今はわからない」と駒野。佐藤も「相手のシステムによってこちらも変わってくるだろうし、すべては明日」とあっさりと応えている。
オシム監督は、選手同士の相性にも配慮すると言われているため、誰と誰が組むかという組み合わせを考えると先発が見えてきそうなものだが、前日練習では1度も一緒にやっていなかった選手同士が先発することも少なくないので、一概には想像ができない。ましてや今回監督は、「より多くの選手を見てみたい。いつもは出ていない選手も見たい」とも話しているうえ、稲本、中田と言った初招集選手もいるため、過去の試合出場実績だけでは予想は難しい。
「それでも僕らは予想スタメンを紙面に載せなくちゃいけないんだ」と新聞記者は頭を抱えていた。選手たちに不安はないのだろうか?相手のことだけでなく、自分のチームのメンバーもわからないのだから。
明日の試合に向けて鈴木は、「将来の見える戦いをしたい。たとえば、ミスが生じたとき、その原因を察知して修正する能力だとか、相手の状況だとか、そういうものを判断して個々が対応する能力を高めることが、将来につながっていくんだと思う。そのために重要な経験となるゲーム。いろんな経験をすることで、判断材料という引き出しが増やせる。そういう意味で、結果も大事だけれど、どういう戦いをしたかということが大事なんです」と話す。
コンビを組むFWについて聞かれた高原は「あまり気にしていない。どういう状況になるかは、明日の試合が始まってみないとわからない。どんなにビデオを見てもわからないことはある。大事なのは、そういう中でいかに打開していくかということ」と応えた。
チームとしての“やり方”を踏まえたうえで、相手の出方を見て、そして、選手個々がお互いを活かすべき判断をしていくことが求められる。それがこの代表の基本姿勢なのだろう。だから、先発メンバーやシステムがわからないと不安がる選手はいない。
稲本や中田といった、欧州でプレーする選手の参加にも動じることなく「自分の成長のために必要な競争」と言う鈴木は、「いきなり素晴らしい戦い方でできればいいけれど、すぐにそういうことができるものじゃない。1日1日の積み重ねが大事。そういう意味では大事なのは、今ではなく2010年なのだから」と言葉を結んだ。
オシムジャパン発足以降、すべての試合に先発している彼からは、指揮官の意図を十分に理解しているという、ゆるぎない自信が伝わってきた。
<サムライ通信>
・中田浩二「やっとという気持ちといよいよという気持ちがある」
・高原直泰「リーダーとしての覚悟」
・楢崎正剛「代表は自分には縁がないと思っていた」