「若者たちの肖像」 美しい女優たちが活動と苦悩と希望を語る(1)
2007年06月01日06時20分 / 提供:PJ
豊島くんは、難病の母の死去で、一度は演劇の夢を断って郷里に帰った。しかし、演劇の道が忘れられなかった。(撮影:穂高健一) 写真一覧(5件)
演劇活動のスケジュールに合わせれば、職場との軋轢(あつれき)が生じる。労苦をともにする仲間が、ときにはそれに耐え切れず、去っていく。こうした淋しさ、悲しみをも味わう。
女優をめざす女性は、いつしか大きな舞台に立つ夢と希望をもつ。それがエネルギーだ。つまり、『楽しさと苦しさの現在』をバネにして、将来へと飛躍していく。
19歳から27歳の女性で構成される『女劇TOKYO23KU』のメンバーは、演劇人になるための修行の身だ。一人ひとりは東京都の各区名を芸名に使う。女劇(おんなげき)の稽古場のひとつには東京・中野区立十一中学校の地下体育館がある。土、日曜日には一般に開放されている。
『若者たちの群像』を求めて、稽古場に訪ねてみた。彼女たちは翌日に予定されていたイベントの予行で、活発に稽古を行っていた。
汗をながす稽古の合間に、12人それぞれから、『いまの現実は? そして将来は?』について、思うままに語ってもらった。生まれ育った環境、親の考え、近い将来の目標、追い求める夢、現代社会の世相など、屈託なく、率直に話してくれた。一つのものに打ち込む『現代の若者たち』の実像の一端が浮かび上がってきた。
演劇を目指した動機について、最初に語ってくれたのが、中野くん(北海道出身)だった。「小学生のころはチャイルド・ブームでした。私と同世代でありながら、TVに出演できる少年・少女がうらやましかった。TVを観る側から、TVに出る側にまわりたかった」と話す。幼心が演劇を目指す動機となり、いつまでも持ち続けてきたことが、現在につながっているようだ。
地元の帯広には、ダンススクールはない。18歳で上京し、日活芸術学院・映像科に入った。そこは彼女がめざすものとやや違った、映画の裏方を勉強するところだった。女優をめざす。それを貫くためにも、同学院の俳優科の友人に誘われて、女劇に入団したのだという。
足立くん(宮崎県出身)は日本舞踊が特技だ。短大卒業したあと、2年間ほど一般企業に勤務した。『自分を求めて』退職し、芸能タレントの会社に入った。そこも辞めた。「それからは世間でいう、ぷー太郎でした」と話す。好奇心旺盛な性格から、いろいろなバイトをやった。冬場となると、山小屋でスノーボードに明け暮れるなかで、先々を考えるようになってきた。この先は演劇をしっかり真剣にやっていこうと決めたのだという。
「この道で食べていけるようになろうと、23歳から演劇のレッスンをはじめました。翌年にはこの女劇に入りました」と語る。「将来、お婆ちゃんになっても、演劇ができる人間になりたい」とつけ加えた。
豊島くんは芸術(絵、美術、音楽)全般にわたって好きだという。子どものころから、舞台の仕事がしたくて、大学卒業後の2年間はその道に入っていた。
「難病だった母が亡くなり、夢を断って、実家の広島に帰りました。一年間経ったころ、演劇の道が忘れられず、東京に行きたいという想いがふくらみ、父と話し合いました。そして、了解をもらいました。タイミングよく、品川くんに誘われ、女劇に入ったのです」と話す。
一度は夢を断ちながらも、演劇への軌道を修復したと、道のりを語ってくれた。【了】
■関連情報
タブーへの挑戦、美人女優たちの道(上)
タブーへの挑戦、美人女優たちの道(中)
タブーへの挑戦、美人女優たちの道(下)
女劇TOKYO23KU
記者HP:穂高健一ワールド
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パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一
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