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芥川賞作家高樹のぶ子氏「アジアの街を語る」=福岡

【PJ 2007年05月31日】− 5月30日午後、まちづくりシンポジウム「ときめきの街を求めて」が、ホテル日航福岡で開催され、多数の聴衆が集まった(400人・主催者発表)。基調講演は芥川賞作家の高樹のぶ子氏。 主催は博多地区まちづくり推進組織準備会と西日本新聞社。高樹のぶ子氏の演題は「アジアの街、博多の街」であった。

 高樹氏は現在、九州大学の特認教授として「SIA−Soaked in Asia」を主催していて、フィリピン、ベトナム、台湾を訪問しアジアの作家と交流し、アジアに足を置いて作品を書いている。来週からマレーシアへ行く予定だ。

 このところ、西日本新聞も力をいれており、5月27日、28日、29日と「ときめきの街を 5・30博多駅地区シンポ」上、中、下の特集を組んだ。2011年春に開業する新博多駅の建設が進行中で、それに合わせて「まちづくり」が浮上して いる。上記特集(上)によると、博多駅地区まちづくり推進組織準備会は、以下のとおりである。

 「はかた駅周辺の企業・団体21組織、5自治協議会、学識経験者、福岡市で構成。総会の下に事業部を設け、開発ガイドラインの策定や防犯マップの作成、清掃活動をおこなう。1年後に福岡市・天神の「We Love 天神協議会」のような民間主導の正式組織を発足させる予定。事務局はJR九州と福岡市が担う」。

 高樹のぶ子氏の講演の骨子を紹介する。

 小説家にとっての印象的な街とは、知識ではなく感性、五感を刺激する街である。調和のとれた街ではない。ヨーロッパの街は統一されているが、それは絶対権力のもとで造られた独裁者の街だ。アジアの場合、野放図さがある。人間がコントロールできない自然が支配している。これは自然・風土の違いか? 博多に期待するのは、五感に残る街、五感を刺激する街だ。知識は忘れられる。体で実感できる街だ。

 マイナス要素も効果を発揮する。ベニスは影の街だ。影がネガティブではない。時として幻覚感に襲われる。ナポリは長い間、スペインの圧制もあり血のにおいのする街だ。ルーブル付近のピラミッドも最初は反発されたが、今は受け入れられている。調和が美しいのではなく、調和がとれていなくとも調和しようとする努力が重要だ。五感を育てる街が望ましい。


 このあと、高樹氏はOHPを使用して、ベトナムの街や農村の写真を投影して語った。

 ハノイの国務省の赤い屋根。道路を覆う亜熱帯の植物のパワー。ベトナム戦争でアメリカを追い出したのは農村のユニット力である。建物の壁のベトナム戦の弾痕も残されていて、観光に生かされている。傷も魅力となっている。アジア的だ。自由なあるがままな姿を残しておこうと。単に金がないからかもしれないが(笑い)。

 ハノイの裏通りに墓石、仏具など死とつながるものをつくる場所がある。戦争で親をなくした子どもたちが手に技をつけ職人として暮らしを立てている。50代、60代の日本でいう団塊の世代の人口が極端に少ない。ベトナム戦争で死んでいるのだ。

 ベトナムのパンはおいしい。フランスパンだ。フランス植民地の産物なのだ。そのほか、フレンチ・ビラがあり、オペラ座、カフェテラス等小説の舞台はそろっている。ベトナムはいま恋愛小説ブームである。余裕につながっているようだ。ベトナムの場合、言語がひとつだから強い。
【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 徳島 達朗【 福岡県 】
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