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【よこ顔】東京下町の魅力を描く=札幌の椎名次郎さん(中)

2007年05月30日06時40分 / 提供:PJ

pj
【よこ顔】東京下町の魅力を描く=札幌の椎名次郎さん(中)
「東京は路傍に座る絵描きへの理解度が高い」と椎名次郎さんは話す。(撮影:穂高健一、23日)
(上)からのつづき。東京の通行人は立ち止まり、じっくり見てくれる。『上手ね』『良い絵だね』と声をかけてくれる人が多い。路傍に座る絵描きへの理解度が高い、と椎名次郎さんはいう。

 「北海道とは違う点です。札幌や小樽のひとはシャイで、無関心を装います。下町のひとは気負いがないし、余裕があるのでしょう。この面では、地域差を感じます」と話す。

 椎名さんが一つのエピソードを披露してくれた。上京してきた、ある日の夕方の築地場外市場だった。ふだんのスケッチは細くて鋭い線を引くために、製図用のシャープペンを使っている。この日にかぎって目詰まりをおこしてしまった。

 クロッキーに使うやや太い芯鉛筆を使った。短時間で描けるが線が荒い。絵のタッチに戸惑っていたところに、通りかかった市場のおばさんが『あら細かい絵ね』この言葉だけで吹っ切れ、筆が進んだという。

 「東京の旅で、楽しく描くことの方向性を教えられました。道端で描いていると、近くの住民や通りすがりの人たちに励まされ、背中を押されることがあります」と話す。椎名次郎さん(札幌市在住)は、古い街並みや家屋を描いている。建物、電車、車、工場など生活観のあふれるもの、かえりみられないもの、人々の生活が身近に感じるもの、それらを対象として描いている。

 「スケッチした風景から、住む人の日常や喜怒哀楽がにじみ出てくるものを描いています」と話す。東京下町はその条件に見合う場所のようだ。

 有名な建物はだれもがモチーフに使うから、描く気がしない、と椎名さんは語る。「たとえば、札幌といえば時計台、小樽といえば運河、といったステレオタイプのイメージや、たくさんの画家が描いてきた画題は選びたくない。私がもう一枚加える必要はない」と話す。さらには「圧倒的な大自然も、人の生活が感じられない場所も、興味がむきません」とつけ加えた。

 東京下町の魅力は何ですか、と椎名さんに聞いてみた。「札幌は明治からやっと拓けた。東京はその3倍以上の時間をかけて形成された生活や街並みがあります。それは老舗の鰻屋のタレみたいなものです。一朝一夕にはできない成分です」と話す。東京下町には、長い歴史の背景が感じられるのだという。【つづく】

■関連情報
椎名次郎さんHP

記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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札幌  時計  ワールド  北海道  シャープ  
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