”機械の目”が人を救う?
車載安全テクノロジー最新開発事情

今、自動車の安全技術がものすごい勢いで進化している。衝突安全は当たり前。事故を回避する技術、事故を未然に防ぐ技術の実現に向け、最新の電子技術を駆使したデバイス開発競争が世界で繰り広げられている。多くのジャンルの技術の集合体である車載安全技術。あなたのスキルも求められている?

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(お話を伺った方)
株式会社デンソー 走行安全技術一部
第三技術室 室長 大方浩司氏

1982年入社。当初は自動車用メーターを設計。その後営業技術を経て、センサー開発担当となる。96年にはトラックに搭載された車間距離警報装置用のレーザーセンサーを開発。その後、画像センサーやクルーズコントロール用ミリ波レーダーを手がけ、現在に至る。
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■車載安全技術の最新開発事情

路上の白線を見つめ、そして考える”機械の目”

□予防安全のコアテクノロジー、画像センサー
ドライバーの目をサポートして前方の道路状況をセンサーが監視し、事故の被害低減を目指した予防安全技術、トヨタ自動車の「プリクラッシュセイフティー」。人間の目では視界の確保が困難になる雨の日や夜間でも障害物や車線などを検知し、安全運転をサポートしてくれるという、まさにハイテク装備である。

このプリクラッシュセイフティーの“目”となる部分、すなわちセンサーの開発を手がけているのは、自動車部品大手、デンソーだ。
「デンソーは光学式カメラ、ミリ波レーダー、レーザーの3種類のセンサー、すなわち前方を見るための目をもっています。それぞれ前を見る能力について異なる特性があり、これらを複眼的に使うことで、監視の精度を高めています」
走行安全技術一部、第三技術室の大方浩司室長は、センサー開発について、このように語る。

大方氏は90年代から前方監視用センサー技術や車間距離警報装置などに使用する車載用レーザー、ミリ波レーダーの開発に携わってきた。現在はデジタルカメラの技術を使った光学式「画像センサー」の改良に取り組んでいる。


□過酷な使用条件にも耐える高性能
現在、トヨタの高級車「マジェスタ」などに搭載されているデンソーの画像センサーは、撮影速度10FPSのモノクロデジタルカメラだ。撮像素子には30 万画素のCMOSを使用。視野角は左右方向に約50度で、約40m先までの範囲を撮影している。レーンキープアシストシステムに使用され、主な目的は、車線からのはみ出しなどを検出するための、白線認識だ。

デジタルカメラは今日、広く一般に普及している技術だが、それを画像センサーとして使うのは、実はかなり難しい。スペックの数字を見ると、平凡なカメラにも思えるが、そのカメラを生み出すには、大きな苦労があったという。

普通のデジタルカメラは、光や温度などの条件が比較的整った環境下で、高い解像度の画像を撮影するのが狙いだが、自動車に搭載し、延々と連続撮影する必要がある画像センサーには、普通のデジカメとはまったく違った性能が要求される。

「画像センサーの場合、昼夜を問わず、常に撮影し続ける必要があるため、感度のダイナミックレンジの広さが要求されます。また、温度変化についても下はマイナス30度から上は60度までと、カメラにとってはかなり過酷な環境です。デジカメというと、最近は携帯電話にも性能の高いものが実装されていますが、それらとは別物です」(大方氏)

カメラを使うには非常に厳しい環境においても、きちんと撮り続けられるものを作る必要があるのだ。現状で約10年という耐久性も、通常のカメラに比べて非常に長い。


□撮るだけでなく「考える」カメラ
さらに、白線認識への画像処理の最適化も要求される。
「撮影した映像の中で、どれが白線でどれが汚れやノイズなのかを見分けられるよう、車載コンピュータ側に送る画像信号を最適化する必要があります。そのためのカメラのコントロールアルゴリズムの開発にも苦労しました」(大方氏)

画像センサーは、単に映像を撮るためのデジカメではなく、画像の中の白い部分が白線であるかどうかを動的に判断する、いわば「考えるカメラ」なのである。
このように、高い認識性能を実現した画像センサーだが、今後も進化の余地は大いにあると大方氏は開発に意欲を燃やす。
「レーダーは距離を測定するのに向いていますが、モノの形を見ることができるのはカメラです。将来的には、前方の障害物をカメラによって認識できるようにしたい」(大方氏)

また、コスト低減についても、
「今は耐久性のこともあって、高価なガラスレンズを使っていますが、これを何とかしてコストダウンしたい。低価格化できれば、衝突防止のデバイスを大衆車にも積むことができるようになります」(大方氏)
と、意欲を見せる。

これからも進化を遂げていく安全技術だが、その開発に際しては、どのような人材が求められているのだろうか。
「まずは車が好き、というのが大前提になりますね。好奇心あってこそ、さまざまな工夫が出てきます。光学センサーの場合は光学、電気回路、画像処理アルゴリズムなどのほか、車載コンピュータとの信号通信のスキルがあると役立ちますが、安全技術のすそ野はとても広いですから、だれでも自分のやれることを見つけられる分野だと思います」(大方氏)
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