事業企画部部長・安藤直子氏
 世界最大のSNSであるMySpaceの日本版としてソフトバンクから鳴り物入りで登場した「マイスペースジャパン」が、サービスを開始してから約半年が経過した。現在日本のSNSサービスでは、先日会員数1,000万人を突破したミクシィが圧倒的なシェアを誇っているが、マイスペースジャパンはどのような施策をもって対抗しようとしているのだろうか。

 本日25日に行われたマスコミ向け説明会で、サービスの現状および今後の展開について、事業企画部部長・安藤直子氏がプレゼンテーションを行った。

 マイスペースジャパンの会員数は非公開だが、comScoreの調査によると2007年3月現在、月間PV数は約5,900万、ユニークユーザーは99.9万人という。ユーザーの属性を見ていくと、性別は男性54%(女性46%)、年齢は20代が47%と若年層男性ユーザーが目立つ。音楽をメインコンテンツにしたマイスペースの特徴から考えて納得できる結果だ。

 また、5月22日には3キャリア対応のモバイル版のサービスが世界に先駆けて開始されたことから、PCユーザーとは違った新たなユーザー層の獲得も期待されている。

 次にマイスペースの最大の特徴である、ミュージシャンによって作成され、楽曲やビデオが掲載される「アーティスト登録ページ」についてだが、サービス開始初期はそのほとんどが海外アーティストであったため、主に洋楽を中心に聴いているユーザーの利用が多かったが、この5月には日本独自の登録アーティストが2万組を超えたこともあり、日本のアーティストをお目当てにしたユーザーが増えてきているという。

 さらに「MySpace Night」や「BACKSTAGE PASS」といった独自のイベントやライブなども企画されており、今後もさまざまな日本独自企画を立ち上げ、ファンとミュージシャンの交流の場を作っていく予定だという。

 また、今後は音楽だけではなく映画やアニメーションといったコンテンツも積極的に掲載し、音楽ファン以外にもアピールしていくという。現在すでに「ダイ・ハード4.0」「パッチギ!LOVE&PEACE」といったコンテンツが公開されている。

 視点をユーザーではなく楽曲を登録するアーティスト側に変えてみると、米国と同様マイスペースジャパンは多くのユーザーに自分たちの音楽を聞いてもらうための魅力的な広告媒体となってきている。

 たとえばインディーズアーティストの「たむらぱん」は、マイスペースジャパンに登録してから4か月で1万人以上の新たなファンを獲得し、登録前は10名ほどだったライブの動員数を倍増させているという。

 もちろん、メジャーアーティストにとっても同様で、小室哲哉や平原綾香をはじめ多数の大物アーティストが自らのページで楽曲などを公開している。

 以前からマイスペースはアーティストとして登録すると、音楽や動画を自由にアップロードできるため、テレビ番組を録画した映像や、CDからリッピングした音源などをアップロードするなど著作権侵害にあたる行為が頻出しているという問題があったのだが、CD音源については米Audible Magic社のデータベースを利用したフィルタリングシステムおよび人的パトロールによって、以前より大幅に不正行為は減っているとのことだ。

 ただし、日本の楽曲やテレビ番組の映像といったものに関しては、人的パトロールのみに頼っているのが現状だという。

 また、違法コンテンツをアップロードしたユーザーに対しては、FAQ方式のクイズ形式で作成された独自の著作権教育プログラムを用意し、これを完了しない限りアカウントが凍結されるようになっているという。

 今後の施策としては、6月にユーザーインターフェイスの一部改訂が行われるという。この改訂は日本法人独自のもので、「アメリカっぽい」と言われている現在のものとは、かなり異なるようだ。まだ詳細は公開されていないが、新着情報がわかりやすく表示されるといったように、ミクシィなどの日本のSNSを強く意識したものになりそうだ。

 さらに、簡単な作業で自分のプロフィールページのデザインを変更することが出来るデザインエディタも実装される。マイスペースは他のSNSと比べてページカスタマイズの自由度が高いことで知られるが、HTMLやCSSの知識を持たないユーザーには敷居が高いという弱点があった。この機能はこれを補完するものとなるだろう。

 ユーザー数やPVに関しては、サービス開始時のソフトバンク孫正義社長の「やる以上はSNSの分野でもナンバーワンになりたい」という言葉からはまだ遠いと言わざるをえない状況だが、アメリカを中心としたグローバルで多様なコンテンツと、日本向けに最適化された独自の施策がうまくかみ合えば、決して不可能な話ではないだろう。今後の動向に注目していきたい。

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