ビッグイヤーを掲げるマルディーニ<br>【photo by Kiminori SAWADA】

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 欧州クラブのナンバーワンを決める欧州チャンピオンズリーグは23日(現地時間)、ミランとリバプールの間で決勝戦が行われ、インザーギの活躍でミランが2−1でリバプールを降し、4シーズンぶり7度目の優勝を決めた。

 両チームともに1トップで臨み中盤を厚めにしてコンパクトに保った。ただミランはトップ下に2枚カカとセードルフ置いたクリスマスツリー型。一方リバプールは両サイドを広く保つ4−2−3−1を採用した。まず主導権を握ったのは後者のリバプールだった。高い位置で激しくプレッシャーをかけ続け、ミランのミスを誘発させた。
 前半10分には、DFヤンクロフスキのミスからペナントが際どいコースにシュートを放つ。これはジーダが右手を伸ばし押さえ込んだ。さらに攻勢は続く。シャビ・アロンソ、リーセが立て続けにミドルレンジからシュートを放っていった。

 逆にミランは鍵となるカカがマスチェラーノのマンマークに苦しみ、前を向いてプレーをする機会は少なく、攻撃が形成できず。サイドからのクロスも1トップのインザーギに合わず単発に終わった。
 しかし前半終了間際、ミランはゴール前でカカが倒されて得たセットプレイから試合を動かす。ピルロが壁のない方向に蹴ったボールは、インザーギに当たって逆方向に。これにはさすがのレイナも反応できず。ミランは絶好の時間に先制点を奪い前半を折り返した。

 チャンスはあれど決定機まで辿り着けないリバプールは後半14分、キューウェルを投入した。その直後、リバプールに最大のチャンスが訪れる。ガットゥーゾのバックパスをカットしたジェラードがネスタを交わし、ジーダと1対1に。シュートは力なくジーダの手の中に納まった。
 さらにリバプールは高さのあるクラウチを投入。パワープレーで局面を打開しようと試みた。しかし結果的にこの采配は裏目に出る。

 それまでマスチェラーノに徹底マークを受けていたカカがフリーになり、インザーギへ絶妙なスルーパス。1タッチでGKを交わし右足でゴールに流し込んだ。この日のミランにとって、この2点目は勝敗を決するに充分だった。

 後半44分、CKから流れてきたこぼれ球をカイトに決められ1点差になるも、2年前の「悪夢」がミランを冷静にさせていた。ロスタイム3分は、スペースにボールを繋ぐなど、時間を充分に稼いだ。そして主審の笛から終了のホイッスル。ミランが02−03シーズン以来となるビッグイヤーを獲得した。

ミラン vs リバプールの様子を写真でお届け! - 試合前の会場の雰囲気など。

<ミラン>
GK:ジーダ
DF:オッド、ネスタ、マルディーニ、ヤンクロフスキ →カラーゼ(後半43分)
MF:ガットゥーゾ、ピルロ、アンブロジーニ、セードルフ →ファバッリ(後半45分)、カカ、インザーギ →ジラルディーノ(後半43分)

控え:カラッチ、カフー、セルジーニョ、ブロッキ、ジラルディーノ

<リバプール>
GK:レイナ
DF:フィナン →アルベロア(後半43分)、カラガー、アッガー、リーセ
MF:ペナント、シャビ・アロンソ、マスチェラーノ →クラウチ(後半38分)、ゼンデン →キューウェル(後半14分)、ジェラード、FW:カイト

控え:デュデク、ヒーピア、M・ゴンサレス、ベラミー