今週のお役立ち情報
「現実」と「バーチャル」を越えた時。=「見えない情報」(3)
2007年05月23日16時20分
【PJ 2007年05月23日】− (2)からのつづき。恐らくテレビメディアの最大特性を発揮できるのは、事件の生中継であろう。「現実」で起きている事件を、その事件の如何に関わらず、お茶の間でリアルタイムの映像と音声の情報を確認する事ができるのだ。かつて浅間山荘事件がありその生中継が物議をかもしたのだ。
そして、格好の事件が起きてしまった。愛知県長久手町の元暴力団組員、大林久人容疑者(50)が人質を取って自宅に立てこもり、拳銃を発砲して県警機動隊特殊急襲部隊(SAT)隊員の林一歩警部(23)ら4人を死傷させ、県警は自宅から出てきた大林容疑者の身柄を確保、殺人未遂容疑で緊急逮捕した。事件は発生から約29時間ぶりに解決した。その間、殆どテレビ全局は、何らかの形で生中継をしていたのである。犯人は、室内でテレビ情報を傍受できる立場にいたにも拘わらずである。犯人は、その間、名古屋市内のFMラジオ局の男性ディスクジョッキーと電話で身の上話をしていたそうだ。つまり、犯人に対しては、見えてはいけない情報を、テレビ全局でほう助していて、犯人は逆に、自分の情報をラジオ局に送っていたと言う、皮肉と言うか、メディア関係者のオンチ振りはバカバカしくて話にもならない。
おまけに、若き青年SAT隊員が殺されたのである。優しい手引きで「ありがとう」などと言って、犯人の安全を一番に保証した県警、投降させる様子が中継され、殺され損になった、隊員の仇討ちさえもできなかった、県警のだらしなさを、やるせなく見る事になったのだ。この事件の情報の出し入れが、いかに不適切であったか。まさに人の命より、テレビの過剰情報、県警の過少情報が混乱を招いていたのだ。
「現実」の情報が見えない、隠された情報になった時の被害は、かつての大本営発表という太平洋戦争の真実を、情報が少ない時代に国ごと隠蔽した日本の歴史がある。今恐いのは、情報が過剰飽和している時代で、真の情報が見えなくなる事だ。ガセネタを大量にばらまき情報操作する。多くの真実と見せかけて、真っ赤な嘘をいじくる輩がいる。
「バーチャル」Virtualという言葉は、日本語訳に論じられる部分があるが、実際の現実ではないが、仮想の現実(Virtual Reality)という解釈にする。
事実の現実は、人間が存在する以上全てが現実である。しかし、バーチャルな世界は、創りだされた、想像の世界である。広く言えば、空想的な世界、アーティスティックな世界、映像的な世界とも言える。ヘミングウエイの小説も、ピカソの絵画も、科学者の宇宙観も、感情を刺激する音楽の世界も、バーチャル世界であり、スクリーンに投影される映画の世界、今話題の「スパイダーマン−3」もアメリカンコミックの映像化で、最新のCGコンピュータグラフィックスエフェクトで、あり得ないシーンへ観客を引っ張り込む、アメリカでヒットしている「The Invisible」なる映画は、少年の形骸だけの肉体に、精神を呼び込む映画、まさにバーチャルな世界だ。
映画産業の推移はあるが、昔は、娯楽情報の少ない時代で、登場するスターはまさに大スターであった。生誕100年という往年の西部劇スター、ジョン・ウエインは、画面上、派手に、ウインチェスター銃で悪人を撃ち殺していた。娯楽映画だから安心して喝采を送っていた訳だ。映画館から出るときは、あたかもヒーロー、ジョンウエインになり切って出て来るお客達、でも、現実に戻り、映画と現実の違いが解っていた。しかし、情報過多に於ける現在は、スパイダーマンの世界も、CGも、そのめまぐるしいスピード感も、バーチャルというより、現実と受け取っていて、当たり前のゲーム感覚なのではないだろうか。人の生き死により、その仕掛けに興味を抱いて納得しているような気がしてならない。
もう一つ多大な影響を与えているバーチャルな世界に、ゲームの世界がある。かつての劇画、コミックスから、アニメーションになり、動画映像になり、コンピュータにより、デジタル革命が起こり、アタリ、任天堂のゲームマシンが社会現象にもなって来た。1970年代のアーケードゲーム、1980年代のテレビゲーム、そして、インターネット時代のオンラインゲームと進化して来ている。若者中心の手放せないメディアとなっている。インベーダーゲームなどやっていた頃は可愛い子供の遊びだったが、ゲームコンテンツも、ロールプレインゲーム、シューティングゲーム、これ等は、人殺し等は簡単に何の感情もなく殺していけるゲームもある。シュミレーションゲーム、あなたは、どんなお金持ちにもなれる、どんなスターにもなれる。勿論、素晴らしいイマジネーションが得られるコンテンツも沢山あるが、ゲームの世界は、現代人間の厭世的なもの、ストレスを解消してくれる典型的なバーチャル世界だ。
恐いのはその感覚が、現実世界で、例えば愛知県の立てこもり事件を、バーチャルな世界で捉えてるのではないか。犯人も、県警も、メディアも、視聴者も、現実の出来事なのに、バーチャルな情報として見ている。「現実」と「バーチャル」が一緒くたになっている。だから、母親の首をぶら下げて警察に現れた事件。説明がつくだろうか、解らない世界へ入ってしまっているのだ。現実とバーチャルの谷間を歩いているのだ。
現実を現実として見極められない人間、時代。「現実は現実」、「バーチャルはバーチャル」として認識できる人間と時代に戻さねばなるまい。無造作に、無神経に、無感覚に流される、「見えない情報」をウオッチングするべきだろう。
♪オレは言葉をしゃべらない、ロボットだから、マシンだから
だけどわかるぜ正義の心、平和の守り、悪を撃つ、オレはグレートマジンガー♪
【つづく】
■関連情報
PJニュース.net
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 池野 徹【 千葉県 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
そして、格好の事件が起きてしまった。愛知県長久手町の元暴力団組員、大林久人容疑者(50)が人質を取って自宅に立てこもり、拳銃を発砲して県警機動隊特殊急襲部隊(SAT)隊員の林一歩警部(23)ら4人を死傷させ、県警は自宅から出てきた大林容疑者の身柄を確保、殺人未遂容疑で緊急逮捕した。事件は発生から約29時間ぶりに解決した。その間、殆どテレビ全局は、何らかの形で生中継をしていたのである。犯人は、室内でテレビ情報を傍受できる立場にいたにも拘わらずである。犯人は、その間、名古屋市内のFMラジオ局の男性ディスクジョッキーと電話で身の上話をしていたそうだ。つまり、犯人に対しては、見えてはいけない情報を、テレビ全局でほう助していて、犯人は逆に、自分の情報をラジオ局に送っていたと言う、皮肉と言うか、メディア関係者のオンチ振りはバカバカしくて話にもならない。
おまけに、若き青年SAT隊員が殺されたのである。優しい手引きで「ありがとう」などと言って、犯人の安全を一番に保証した県警、投降させる様子が中継され、殺され損になった、隊員の仇討ちさえもできなかった、県警のだらしなさを、やるせなく見る事になったのだ。この事件の情報の出し入れが、いかに不適切であったか。まさに人の命より、テレビの過剰情報、県警の過少情報が混乱を招いていたのだ。
「現実」の情報が見えない、隠された情報になった時の被害は、かつての大本営発表という太平洋戦争の真実を、情報が少ない時代に国ごと隠蔽した日本の歴史がある。今恐いのは、情報が過剰飽和している時代で、真の情報が見えなくなる事だ。ガセネタを大量にばらまき情報操作する。多くの真実と見せかけて、真っ赤な嘘をいじくる輩がいる。
「バーチャル」Virtualという言葉は、日本語訳に論じられる部分があるが、実際の現実ではないが、仮想の現実(Virtual Reality)という解釈にする。
事実の現実は、人間が存在する以上全てが現実である。しかし、バーチャルな世界は、創りだされた、想像の世界である。広く言えば、空想的な世界、アーティスティックな世界、映像的な世界とも言える。ヘミングウエイの小説も、ピカソの絵画も、科学者の宇宙観も、感情を刺激する音楽の世界も、バーチャル世界であり、スクリーンに投影される映画の世界、今話題の「スパイダーマン−3」もアメリカンコミックの映像化で、最新のCGコンピュータグラフィックスエフェクトで、あり得ないシーンへ観客を引っ張り込む、アメリカでヒットしている「The Invisible」なる映画は、少年の形骸だけの肉体に、精神を呼び込む映画、まさにバーチャルな世界だ。
映画産業の推移はあるが、昔は、娯楽情報の少ない時代で、登場するスターはまさに大スターであった。生誕100年という往年の西部劇スター、ジョン・ウエインは、画面上、派手に、ウインチェスター銃で悪人を撃ち殺していた。娯楽映画だから安心して喝采を送っていた訳だ。映画館から出るときは、あたかもヒーロー、ジョンウエインになり切って出て来るお客達、でも、現実に戻り、映画と現実の違いが解っていた。しかし、情報過多に於ける現在は、スパイダーマンの世界も、CGも、そのめまぐるしいスピード感も、バーチャルというより、現実と受け取っていて、当たり前のゲーム感覚なのではないだろうか。人の生き死により、その仕掛けに興味を抱いて納得しているような気がしてならない。
もう一つ多大な影響を与えているバーチャルな世界に、ゲームの世界がある。かつての劇画、コミックスから、アニメーションになり、動画映像になり、コンピュータにより、デジタル革命が起こり、アタリ、任天堂のゲームマシンが社会現象にもなって来た。1970年代のアーケードゲーム、1980年代のテレビゲーム、そして、インターネット時代のオンラインゲームと進化して来ている。若者中心の手放せないメディアとなっている。インベーダーゲームなどやっていた頃は可愛い子供の遊びだったが、ゲームコンテンツも、ロールプレインゲーム、シューティングゲーム、これ等は、人殺し等は簡単に何の感情もなく殺していけるゲームもある。シュミレーションゲーム、あなたは、どんなお金持ちにもなれる、どんなスターにもなれる。勿論、素晴らしいイマジネーションが得られるコンテンツも沢山あるが、ゲームの世界は、現代人間の厭世的なもの、ストレスを解消してくれる典型的なバーチャル世界だ。
恐いのはその感覚が、現実世界で、例えば愛知県の立てこもり事件を、バーチャルな世界で捉えてるのではないか。犯人も、県警も、メディアも、視聴者も、現実の出来事なのに、バーチャルな情報として見ている。「現実」と「バーチャル」が一緒くたになっている。だから、母親の首をぶら下げて警察に現れた事件。説明がつくだろうか、解らない世界へ入ってしまっているのだ。現実とバーチャルの谷間を歩いているのだ。
現実を現実として見極められない人間、時代。「現実は現実」、「バーチャルはバーチャル」として認識できる人間と時代に戻さねばなるまい。無造作に、無神経に、無感覚に流される、「見えない情報」をウオッチングするべきだろう。
♪オレは言葉をしゃべらない、ロボットだから、マシンだから
だけどわかるぜ正義の心、平和の守り、悪を撃つ、オレはグレートマジンガー♪
【つづく】
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