――インディーズ時代に発表したミニアルバム「ROCK ON」には、ご自身で作曲された曲「Amaze -迷宮-」が入っていましたね。

上木:あれは偶然できちゃったみたいな感じで(笑)。元々ピアノを習っていたんですけど、クラシックだったので、コードを押さえることが出来なかったんですよ。それで当時、キーボードを習って、コードを勉強して、ジャンジャンやっている内に曲が出来て。「これ、いいかも!?」とか思って、電子ピアノで簡易でデモを作って。ほんなら「いいんじゃない、これ作ろう!」みたいになって出来ちゃったんですよ(笑)。全然作る気も無くて、出来ちゃったから入れちゃった。良いのか悪いのか分かんないな。作る気は更々無かったですから(笑)。

――それは今も変わらず?

上木:響き的に「シンガーソングライター」ってカッコイイですよねー。でも、カッコイイだけじゃ、やれないですからねぇ。余裕が出来たら、曲も(笑)。

――歌詞はいつ頃から書き始めたんですか?

上木:高校生ぐらいから書いてます。

――割とスラスラと書ける方ですか?

上木:最近は…(小声)。昔は本当に書くのが嫌で、考えるだけでジンマシンが出てきそうなぐらい嫌で。昔は「嫌」っていうことの方が多かったから、最近はその「嫌」を 「好き」にするように、嫌なことも楽しく思えるようになってきていますね。歌詞の作業工程も本当に嫌で、黙って机に座っていることが出来ないんですよ。何かしなきゃ駄目で、一回立っちゃうと「もう、いいや」、ベッドにゴローン、みたいな。

――普段から書き溜めていますか?

上木:昨年のアルバムぐらいからは書き溜めるようにしてますね。今までは思い付くことが何度もあったので、書き溜めたりボイスレコーダーに録ったりするのは、「アホらしい、書く時に書いたらいいや」と思っていたんですけど、いざという時に「あの時に思い付いたの何やったっけ?」みたいに全然思い付かなくて。それで書き留めるようにして、最近はもうスラスラと書けてますね。

――歌詞の内容は、恋愛をテーマにした曲が多い印象を受けているのですが、割と実体験を書く方ですか?

上木:「実体験ってあるんですか?」ってよく聞かれるんですけど、「あるわけ無い!」って(笑)。私は歌詞に「こんな恋愛したくないな」と思うものばかり書いてるので、実際にあってはいけないんですよ(笑)。こんな恋愛ばかりをしていたら、男嫌いになりそう。

――自分以外の誰かを想像して書くという感じ?

上木:話が飛びますけど、映画監督とか脚本家っていいなと思うタイプで(笑)。映画を観に行くと、「こっちより、もっとこっちの方が良くない?」「なんで、この終わり方にしたの?」みたいに勝手にストーリーを作るのが好きで。今回のシングルのPVも「ここはこの方がいい」とか言っていたら結局、朝方4時まで掛かっちゃって。勝手に構成する監督まがいなことが大好きで、歌詞もその延長線上。勝手にストーリーを作っちゃって、「私のストーリーに合わせてアレンジしてよ」みたいな感じなので(笑)。

――では、PVにはかなりこだわっているんですね。

上木:こだわってますねー。ライブDVDも一つ一つにこだわって作ったんですけど、そういう映像的に形に残る物には本当に気を配っていますね。

――歌詞から派生して、小説や物語を書いてみたいと思いますか?

上木:そういうの、いいなぁ。

――自分が映画に出演したいとは思いません?

上木:今回のPVではちょっと演技まがいのことをしているんですけど、やっぱり恥ずかしいですね。今は自分だけのPVだからいいけど、映画は恋人役とかいるじゃないですか。あんなの、無理!痒くなるようなセリフを言われて、抱き締められたりしたら、もう鼻血がタラーって出ちゃう。絶対に無理だと思う。

――失礼ですけど、ちょっと妄想し過ぎと言うか、オッサン臭くないですか?

上木:(笑)。でも、絶対なりますって!男の人も綺麗な女優さんを目の前にして、あんなシーンとかって、ムラムラしないのかな?鼻血出ないの?みたいにずっと考えていますね。

――すでに次の制作作業に入られているということで、今後やりたいと考えていることを教えて下さい。

上木:今年残りの期間は、やりたいことを全て詰め込んでいるつもりです。私には憧れはあっても夢は無いので、今ある計画をやることが、やりたいことです。今、言えないのがもう辛いとこですよー(笑)。

――少しだけヒントを下さい。

上木:今しゃべった中で、出てきた単語は全てやると思います。ちなみに、映画は抜きで(笑)。本当にそれは無いです!

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