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みのもんたの処分が新生BPOの試金石、「知る権利」の判断基準(上)

2007年05月20日06時35分 / 提供:PJ

pj
不二家信頼回復対策会議の元議長である郷原信郎桐蔭横浜大学法科大学院教授らが、この5月15日、放送局への勧告機能などを強化し新体制となった放送倫理・番組向上機構(BPO)に対し、TBS「みのもんたの朝ズバッ!」で不二家平塚工場の元従業員の証言に基づいた「新証言…不二家の”チョコ再利用”疑惑」と題した報道内容につき「事実と異なる」「捏造の疑いがある」として調査・審理を要請した。

 当該報道については既に、郷原氏が「第三者による信頼回復対策会議議長」の立場で、3月30日、4月6日と2度の記者会見を開催、「同番組の不二家バッシング報道は、単純な誤解、無理解の域を超え、意図的に不二家の信用を毀損しようとする意図すらうかがわれる」と抗議をした。そのうえで、みのもんた氏の度重なる不二家への非難について「謝罪をして、そういう発言をしたみの氏自身が、不二家に対して『大変失礼なことをしました』という謝罪をテレビの画面上ですべき。それがない限り(不二家の)名誉回復はないと思う」 と厳しい対応姿勢を示してきた。

 TBSはそれに応じてかどうかは はっきりと言わなかったものの、4月18日の「朝ズバッ!」で、以下の3点において『誤解をまねきかねない』表現があったとし、「この3点についておわびします」と謝罪した。
(1)「出荷されたチョコレートが工場に返品される」というのは、証言者の伝聞だった
(2)証言者の不二家勤務は10年以前だったが、最近のことと誤解されかねかった
(3)「チョコレートと牛乳を混ぜ合わせた」という表現で、牛乳と断定した点は正確性を欠いた。

 さらに柴田秀一アナウンサーがみの氏の発言を指したと推測されるものの、誰のどの発言と特定することなく「いきすぎた表現、コメントがあった点についてもおわびします」と謝罪した。

 しかし「TBSでは証言者に法律家が面談するなどの調査をしたやらせや捏造に類する疑いはないとの報告を受けている」として、報道内容の「捏造」を否定した。その結果「チョコレートの再使用」の真偽については触れられずに、みのもんた氏自身の口から自身が発した「いきすぎた表現」についての謝罪の言葉は出ない何ともすっきりしないものであった。

 そして、4月25日午後3時から行われた定例記者会見でTBSの井上社長は、「不二家の問題ではお詫びしなければならない点は放送でお詫びした」としたうえで、「証言の根幹部分は信用性が高い」とし、さらに他局が放送局としてのTBSをたびたび非難したことに対して「TBSをバッシング風に取り上げるのはおかしいのではないか」と言ってのけた。

 その二日後の27日である。総務省は情報通信政策局長名で文書によりTBSの井上社長宛て「『人間!これでいいのだ』、『サンデージャポン』及び『みのもんたの朝ズバッ!』における問題への対応について(厳重注意)」を伝達した。これは「番組問題への対応」という行政指導であったが、同日付けで発されたテレビ東京には口頭による注意であったものが、TBSに対しては約400字にのぼる文書での厳重注意となった。

 その文書のなかでTBSに対して放映した3番組について放送法に抵触するとして具体的条項が明示された。

 「朝ズバッ!」については「平成19年1月22日放送の『みのもんたの朝ズバッ!』においても、事実に基づかない報道が行われたことは、放送法第3条の3第1項に抵触するものと認められる。」と表記されている。その条項は「放送事業者は、放送番組の種別及び放送の対象とする者に応じて放送番組の編集の基準(以下「番組基準」という。)を定め、これに従って放送番組の編集をしなければならない」と定められている。

 ここで総務省は放送法第3条の2第3項の「報道は事実をまげないですること」ではなく、「事実に基づかない報道が行われた」ことは当然のこととして断じたうえで、番組の種別等に応じた「番組基準」に基づいた放送番組の編集がなされていないと認定したのである。

 実は「朝ズバッ!」という番組が実に巧妙な番組構成になっていることを今回の総務省の文書は明確に言おうとしているのである。みのもんたの「朝ズバッ!」という番組がコンプライアンスやアカウンタビリティーといった言葉が日常的に氾濫している時代には何とも性格がはっきりしない、言ってみれば責任の所在がはっきりしない、その所在をあえて曖昧にしようとしているところがある番組であると言わざるを得ないのである。【つづく】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 野田 博明

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