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【独女通信】30代独女のライバル心。むき出しではない分、根深くなった?
女同士のライバル心は、小学校低学年から芽生え始め、小学校高学年にもなると、それは人生の目標を選ぶ上での大きな要素となる。女の人生で最も華やかだった10代後半から20代にかけては、自分の存在理由イコール「ライバルに勝つこと」であり、堂々と相手に宣戦布告ができたのもこの時代であった。そして30代を迎えた今は……?
独女世代のライバル心は、決して消えてはいないが、我が身の勲章の少なさ(彼なし、夫なし、子供なし)を考え、深く静かに潜航する傾向にあるという。
「かつてのライバルは2歳年上の姉でしたね。小さいころからふたりともピアノにバレエ、お習字。いろんなお稽古事をやってました。でも、どれをとっても姉には勝てなかったな。姉は何でも要領がいいんです。飲み込みが早いし、運動神経もいい。同じ姉妹でなぜこんなに違うんだ、というくらい差がつきました。当然、両親の私たちの扱いにも差がつく。小学5年生で人生の底を見ました。以来、現在まで私はコンプレックスの塊です」。都心の大型書店に勤めるユカさんは31歳。過去の自分を自嘲気味に語る。
あれから20年。ライバルだったお姉さんはIT関連の社長と結婚し、現在は二人の子持ち。独女のユカさんとは、差が開く一方だという。「子供の頃は、ふたりともライバル心むき出しでぶつかっていましたけど、今は、さすがにそれはないですね。姉は、もう私なんか相手にしていません。余裕です。でも正直、悔しいですね。せめて結婚くらい、姉より先にしたかったなあ」。
独女になりたくてなったわけではない、とユカさんは言う。男性に対してどうしても及び腰になるのは、子供の頃からのコンプレックスから抜けきれないせいだと言う。「ライバルというのは、力が拮抗してこそ有益なんだと思います。明らかな差は、敗者に深い傷を残します。私が子供を産んだら、絶対に姉妹で競争はさせません」。他人と争うのは、大嫌いだというユカさん。「そのくせ、何かにつけて人と比べてしまう習慣が抜けなくて……」。
過剰な競争は心を萎縮させる結果になるかもしれない。だが、ユカさんも言ったように力が拮抗したライバルを持つと、それが人生にプラスに作用することもある。父親が官僚だったという照美さん(38歳)は、小学生のころから、両親に「将来は外務官僚になりなさい」と言われ続けてきた。外務官僚がどんなものかよく理解できないころから、塾、家庭教師、英会話スクールと通い、せっせと勉強した。だが、正直勉強はあまり好きではない。努力の割に結果が出ず悩んでいたところに、サツキさんという転校生が彗星のごとく出現した。照美さんが高校2年の時だ。
「私は東大を目指します」そんな、サツキさんの転校初日の挨拶に、クラス中があっけにとられた。そして、照美さんは燃えた。「私の人生がポジティブに輝きだした瞬間です。私はクラスではトップでしたが、模試では東大レベルに達していませんでした。またそれほどの目的意識もなかった。でも、サツキさんの登場で、よ〜し、と思ったんです」。以後、照美さんはサツキさんという、良きライバルを得て勉強に励み、見事に東大に現役合格を果たした。
照美さんは東大卒業後、数年間の財務省勤務を経て、現在は外資系証券会社のトップアナリストだ。競争することは、自分を生かす手段であり、良きライバルを見つけることこそ、短期間で自分を育てるいい手段だと言い切る。「いまはもう歳ですからね。昔みたいに、むき出しの闘争心なんか見せませんよ。でも、そのぶん内側では激しく燃えます。にっこり笑いながら、懐にはナイフを隠し持っている感じでしょうか」。
26歳のときに男性をめぐって会社の同僚と激しく衝突。いまだにそのときのトラウマを引きずっているのがチナツさんだ。「前の会社にいたとき、背が高くて超イケメンの彼を同僚の女性と争ったことがあるんです。社内で彼に憧れている子は多かったけれど、私もかなりイイ女ですから、敵は少なかったですね。でもひとりだけ、目の上のタンコブみたいな女がいたんです。それが私のライバル。ええ、はい、すごい美人でした」。
チナツさんの猛アタックで、イケメンの彼とはいい関係になれたが、横からちょっかいを出して来たのが同僚の春枝さんだった。「今から考えると問題は彼のほうにあったんですよね。でも当時はそれがわからず、なんてイヤな女、って頭に血が上ってました。20代の頃は、自分に自信があったので、真っ向勝負って感じでした。美容やファションにお金を使って、女っぷりを磨きましたよ」。
だが、1年くらい経った頃、ライバルの春枝さんが妊娠。あっさり彼をさらわれた。「彼にその事情を打ち明けられたとき、私、そこがレストランだということも忘れて大泣きしました。最後にワイングラスを彼にぶつけて泣きながら帰ってきました」。その夜以来、チナツさんは男が信じられなくなった。間もなく会社もやめた。「だって、3人のいきさつは会社中の人が知ってましたから。敗者がのこのこ顔を出せる状況じゃなかったんです」。
30代になった今、チナツさんが思うのは、自分の鎧がどんどん重く、厚くなってきているということだ。男性はもちろん、同僚の女性にもなかなか本音を話せなくなった。何かにこだわっていること、しがみついている感じが、外から見ると惨めに見えるのではないかと、イタいんじゃないかと、それが気になるのだそうだ。「ほとんど演技ですよね。私は大丈夫、余裕があるわって。外から見れば私はまだまだイケてる女だし、そんな素振りも板についていると思う。でも正直、ツラい」。
チナツさんのそばには、昔ライバルだった春枝さんを彷彿とさせる2年後輩がいる。屈託なく接してくる彼女に対して、ふと気付くとライバル心を燃やしている自分がいる。「30代で独身を続けている人って、みんな屈折してますよね。自分も周りも斜めに見る癖がついている。些細なことで、コノヤロウって思っちゃうし、それを微塵も顔に出さない自分が怖い」(取材/花田志保子)
■情報提供 LADYWEB.ORG
独女世代のライバル心は、決して消えてはいないが、我が身の勲章の少なさ(彼なし、夫なし、子供なし)を考え、深く静かに潜航する傾向にあるという。
「かつてのライバルは2歳年上の姉でしたね。小さいころからふたりともピアノにバレエ、お習字。いろんなお稽古事をやってました。でも、どれをとっても姉には勝てなかったな。姉は何でも要領がいいんです。飲み込みが早いし、運動神経もいい。同じ姉妹でなぜこんなに違うんだ、というくらい差がつきました。当然、両親の私たちの扱いにも差がつく。小学5年生で人生の底を見ました。以来、現在まで私はコンプレックスの塊です」。都心の大型書店に勤めるユカさんは31歳。過去の自分を自嘲気味に語る。
あれから20年。ライバルだったお姉さんはIT関連の社長と結婚し、現在は二人の子持ち。独女のユカさんとは、差が開く一方だという。「子供の頃は、ふたりともライバル心むき出しでぶつかっていましたけど、今は、さすがにそれはないですね。姉は、もう私なんか相手にしていません。余裕です。でも正直、悔しいですね。せめて結婚くらい、姉より先にしたかったなあ」。
独女になりたくてなったわけではない、とユカさんは言う。男性に対してどうしても及び腰になるのは、子供の頃からのコンプレックスから抜けきれないせいだと言う。「ライバルというのは、力が拮抗してこそ有益なんだと思います。明らかな差は、敗者に深い傷を残します。私が子供を産んだら、絶対に姉妹で競争はさせません」。他人と争うのは、大嫌いだというユカさん。「そのくせ、何かにつけて人と比べてしまう習慣が抜けなくて……」。
過剰な競争は心を萎縮させる結果になるかもしれない。だが、ユカさんも言ったように力が拮抗したライバルを持つと、それが人生にプラスに作用することもある。父親が官僚だったという照美さん(38歳)は、小学生のころから、両親に「将来は外務官僚になりなさい」と言われ続けてきた。外務官僚がどんなものかよく理解できないころから、塾、家庭教師、英会話スクールと通い、せっせと勉強した。だが、正直勉強はあまり好きではない。努力の割に結果が出ず悩んでいたところに、サツキさんという転校生が彗星のごとく出現した。照美さんが高校2年の時だ。
「私は東大を目指します」そんな、サツキさんの転校初日の挨拶に、クラス中があっけにとられた。そして、照美さんは燃えた。「私の人生がポジティブに輝きだした瞬間です。私はクラスではトップでしたが、模試では東大レベルに達していませんでした。またそれほどの目的意識もなかった。でも、サツキさんの登場で、よ〜し、と思ったんです」。以後、照美さんはサツキさんという、良きライバルを得て勉強に励み、見事に東大に現役合格を果たした。
照美さんは東大卒業後、数年間の財務省勤務を経て、現在は外資系証券会社のトップアナリストだ。競争することは、自分を生かす手段であり、良きライバルを見つけることこそ、短期間で自分を育てるいい手段だと言い切る。「いまはもう歳ですからね。昔みたいに、むき出しの闘争心なんか見せませんよ。でも、そのぶん内側では激しく燃えます。にっこり笑いながら、懐にはナイフを隠し持っている感じでしょうか」。
26歳のときに男性をめぐって会社の同僚と激しく衝突。いまだにそのときのトラウマを引きずっているのがチナツさんだ。「前の会社にいたとき、背が高くて超イケメンの彼を同僚の女性と争ったことがあるんです。社内で彼に憧れている子は多かったけれど、私もかなりイイ女ですから、敵は少なかったですね。でもひとりだけ、目の上のタンコブみたいな女がいたんです。それが私のライバル。ええ、はい、すごい美人でした」。
チナツさんの猛アタックで、イケメンの彼とはいい関係になれたが、横からちょっかいを出して来たのが同僚の春枝さんだった。「今から考えると問題は彼のほうにあったんですよね。でも当時はそれがわからず、なんてイヤな女、って頭に血が上ってました。20代の頃は、自分に自信があったので、真っ向勝負って感じでした。美容やファションにお金を使って、女っぷりを磨きましたよ」。
だが、1年くらい経った頃、ライバルの春枝さんが妊娠。あっさり彼をさらわれた。「彼にその事情を打ち明けられたとき、私、そこがレストランだということも忘れて大泣きしました。最後にワイングラスを彼にぶつけて泣きながら帰ってきました」。その夜以来、チナツさんは男が信じられなくなった。間もなく会社もやめた。「だって、3人のいきさつは会社中の人が知ってましたから。敗者がのこのこ顔を出せる状況じゃなかったんです」。
30代になった今、チナツさんが思うのは、自分の鎧がどんどん重く、厚くなってきているということだ。男性はもちろん、同僚の女性にもなかなか本音を話せなくなった。何かにこだわっていること、しがみついている感じが、外から見ると惨めに見えるのではないかと、イタいんじゃないかと、それが気になるのだそうだ。「ほとんど演技ですよね。私は大丈夫、余裕があるわって。外から見れば私はまだまだイケてる女だし、そんな素振りも板についていると思う。でも正直、ツラい」。
チナツさんのそばには、昔ライバルだった春枝さんを彷彿とさせる2年後輩がいる。屈託なく接してくる彼女に対して、ふと気付くとライバル心を燃やしている自分がいる。「30代で独身を続けている人って、みんな屈折してますよね。自分も周りも斜めに見る癖がついている。些細なことで、コノヤロウって思っちゃうし、それを微塵も顔に出さない自分が怖い」(取材/花田志保子)
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