UFC72のメインに出場することが決まった岡見勇信

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5月10日前後、6月16日北アイルランドのオデッセー・アリーナで行なわれるUFC72のメインに岡見勇信(和術慧舟會 東京本部)が出場するのではないかという噂が巷に流れ、その直後にUFCから正式発表があった。

飛ぶ鳥落とす勢いを持つ、米国の老舗MMAプロモーション「UFC」に出場するようになってから9ヶ月。これまで4戦4勝の戦績を残してきた岡見が、いよいよミドル級王者アンデウソン・シウバへの挑戦ロード、最後の難関リッチ・フランクリンと闘うことが決定した。
急なオファー、連戦続きのなかで、この機会をどのように捉えているのか、岡見勇信にインタビューを試みた。

――振ってわいたかのようなリッチ・フランクリン戦が、UFC72のメインイベントで行なわれることが決定しました。マーティン・ケンプマンの代役出場ということになるのですが、いつオファーはあったのですか?

岡見 アブダビコンバットから帰ってきた日ですから、5月8日ですね。

――念願のフランクリン戦ですが、即答できましたか?

岡見 オファーはあったのですが、まだ相手を聞いていなかったんです。で、次の日にGCMの久保社長と話をして、フランクリンの名を聞き決めました。

――躊躇はなかったですか。

岡見 ありました。日程的に厳しかったですし(岡見は4月7日のUFC69でマイク・スウィックを下し、15日にはグラップリングのアブダビコンバット日本予選で優勝。5月5日にアブダビ世界大会に出場している)、でも、これは自分が与えてもらった突然のチャンスだと思ったので。モノにできるかどうか、自分次第なんで受けました。

――正直なところ、心身ともに疲れを感じないですか。

岡見 まぁ、体もそうだし、時差ボケとかいろいろあるんですが、そんなことは言っていられる状況ではないんで。早く体を作らないといけないと思っています。

――実際のところ、アブダビが終わり、ようやく一息つけるとリラックス・ムードにあったと思うのですが。

岡見 もう飛行機なんか見たくないって、思っていました(笑)。UFCのオファーがあるとは思っていないですし、この間で体を作り直そうって思っていたので。実はアブダビの日本予選が終わってから、体調を崩していて、体重も減っていました。でも、もうそんなこと言っていられないです。

――実際問題として、チャンスはチャンスでも凄く厳しい相手ですよね。

岡見 そうですね。厳しいです。でも、もう残っているのは厳しい相手だけですから。ただ、やるならリッチ・フランクリンと闘いたいと思っていたので、これも何かの縁かなと思っています。

――これが、ケンドール・グローブなら躊躇すると思うんですが。

岡見 僕もグローブだったら、やっていなかったですね。この厳しい日程では、見返りが少なすぎますから。

――つまり、フランクリンに勝てば、次は世界戦ということになるということですね。UFC主流派のマイク・スウィック戦に勝利し、そういうレールに乗ることができたと。

岡見 スウィックに勝てば、チャンピオンとやる前にフランクリンとやりたいと思っていましたから、もう全てをぶつけることができる相手ですね。

――王座を失った試合で、株を落としてしまいましたが、フランクリンは実のところは非常に完成度の高いファイターですよね。ただ、あのキレイな伸びのあるパンチは、岡見選手は得意にしているのではないですか。勢いのある大振りのパンチを振り回す選手よりも。

岡見 多分……、そうかもしれないですね。本格的に戦略を練るのはこれからですけど、フランクリンの試合はずっと見てきたので、イメージはできています。完成度が高くて、穴があまりない、全てにおいて強い選手です。

――減量のせいで、頬がこけている場合が多いですが、実際のところ、体の厚みなど、フィジカル的な面でも優れている選手ですよね。

岡見 分厚いですね。でも、今までの相手も自分より大きかったし、力とかっていう部分ではビックリするようなことはないと感じています。それは、アブダビコンバットで優勝したダミアン・マイアと戦って自信がついた部分でもありますし。

――この急なオファーでも、開催地が北アイルランドでなく、すっかり慣れたラスベガスだったらと思ってしまうんですよ。まぁ、欧州へ、西へ行くというのは、体のバイオリズム的には、徐々にペースを上げていくことができるらしいですね。逆に太平洋を超えていく場合は、下がっていくということを聞いたことがあります。

岡見 へぇ、そうなんですか。じゃぁ、良かったかもしれないです(笑)。なるほど。そういうのがあるんですね。

――ただ、知らない街っていうのはストレスですよね。

岡見 本当は、ラスベガスでやりたいっていう気持ちはあります。あぁ〜、ようやく色々慣れてきたので、分からない土地へ行くのは。ヨーロッパは初めてなんですよ(ロシアは遠征したことがある)。

――しかも、メインだから、会場入りは後のグループ。待ち時間も多いかもしれない。

岡見 いやぁ、メインですからね。凄いですね。

――そんな人事みたいに(笑)。これで格闘技人生もメインストリートのど真ん中ですね。

岡見 テレビ放送があるのか、ないのか。それが問題なんですが。聞いたところによると、交渉中ということらしいんで。なら、情熱大陸とかで、特集やってくれないですかね(笑)。いやぁ、とにかく急なオファーでしが、直前まで追い込んで、このチャンスをモノにします。で、次は時間をもらって、アンデウソン・シウバ戦まで飛行機を見ないでいきたいです。
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