わざとニンテンドーDSを壊してオークション販売した理由は?

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インターネットでは、様々な珍事件や騒動が日夜発生しては消えていく。そんなめまぐるしい流れの中で、過去の印象的な珍騒動をもう一度見直してみようと思う。

今回は、“わざとニンテンドーDSを壊してオークション販売!”騒動をお伝えしたいと思う。実際にヤフーオークション(以下、ヤフオク)で起きた騒動である。

現在、ニンテンドーDSのオークション価格は17,000〜19,000円程度だが、出品者は定価との差額を丸儲けできるわけではない。出品者は Yahoo! JAPAN に対して、落札された価格の5%を出品手数料として支払わなくてはならないのだ。つまり、20,000円で売れた場合、 1,000円の手数料をYahoo! JAPANに支払うことになる。ニンテンドーDSの定価が16,800円ということを考えると、もし19,000円で売れてもあまりおいしい取引とはいえないだろう。

そこで、ある出品者は考えた。“ニンテンドーDSの本体”と称して本体のガワだけを出品したのだ。もし、中身(完成品)も欲しいのであれば、追加で16,999円を支払ってほしいというのだ。つまり、ちゃんとしたニンテンドーDSが欲しいならば、“ニンテンドーDSの本体”に追加して16,999円を合計した価格を支払ってほしいということである。本体のガワだけを欲しいという人はいないだろうという考えのアイデアというわけだ。

どうして出品者がこんなことをする必要があったのだろうか? それは、Yahoo! JAPANへの出品手数料を節約するためである。“ニンテンドーDSの本体”が500〜600円で落札された場合、出品者の出品手数料は25〜30円と、わずかな金額ですむ。落札者で「機体のガワだけが欲しい」という人はいないだろうから、落札者から16,999円の追加料金を受けとることができる。出品者は出品手数料を減らすことで手取りの実利益をアップさせることができるわけだ。

手数料30円と2,000円とでは、確かに大きな差だ。出品者も“良いアイデア”だと喜んだことだろう。出品者はオークションの商品説明に以下の項目を記述していた。

●今はまだ新品状態のNINTENDO DS Lite本体のみの出品です♪
・本体のみなのでビス、蓋等、外せる物は全て外しますし、その際傷が付きます
・本体のみをご購入の場合、いかなる傷や不具合にもクレームを受付けません
●ご希望の方には付属品等を16999円でお譲りできます♪
・ご落札後に付属品を希望する、しないをお知らせ下さい♪
※原文ママ / ヤフオクより

しかし、そんなにうまくことが進むとは限らない……。

このニンテンドーDSを560円で落札した落札者が「“ニンテンドーDSの本体”だけでいい」と言い出したのだ。出品者は建前上、商品説明に「ご希望の方には付属品等を16999円でお譲りできます♪」と書いていたのだが、この落札者は“ご希望”をしなかったのである。まあ、簡単にいえば落札者は「ガワだけでいい」といってきたわけだ。

落札者による予想外の返事に、出品者は困り果てたことだろう。それもそのはず、このままでは新品のニンテンドーDSをみずから破壊し、ガワだけを落札者に送らなくてはならない。そんなことをすれば、半壊したニンテンドーDSが出品者の手元に残るだけ。しかも、定価で購入したであろうニンテンドーDSの負債だけが残る。つまり、出品者にとって大損ということだ。この商品用に設けられている連絡掲示板では、合計 61もの書き込みがされ、出品者と落札者の壮絶なバトルが展開されるに至った。

<連絡掲示板の一部を抜粋>
出品者: 今はまだ新品ですが、ビス、蓋等、外せる物は全て外し、その際傷が付き、いかなる傷や不具合にもクレームを受付けず、フタ、ビス、スロットのテーブル等も取り、ボタンをペンチで引き抜ければ実施し、各作業は不安定な屋外で行ない、傷が付くことに配慮せず、手が滑って液晶が割れるかもしれず、目障りな状態になると思われ、直ぐに捨てたくなるような状態になり、トラックにひかれたり、水没するかもしれず、二束三文になる本体をお送りする、と考えていますが宜しいでしょうか? おかしい、違うなどありましたら明確にご指摘下さい。

落札者: 現在、本体は出品者の手元に存在するのでしょうか?
出品者: 端的に「入金したが商品を送らない」という状態になっているのは事実ですので警察など公的機関に届を出しますか?「加害届」が存在するかどうかはさて置きこちらは検討しています。

絶対に完成品のニンテンドーDSを売って利益を得たい出品者に対し、落札者はあくまで「ガワだけ」を要求することを譲らなかった。両者のやり取りのなかで、「警察に行く」などという発言が飛び出すなど、話はエスカレートしていった。また、「加害届を出す」「二束三文になる本体をお送りする」など意味のわからない発言もあり、混迷していったのだ。

インターネットでは、この展開に注目が集まり、「560円でNDS新品を手放すことになったやつ」などとして話題沸騰、ついに新聞にまで騒動が掲載されるまでに波紋は広がっていった。

最終的にどうなったのかは、出品者と落札者の当人同士しかわからないことだろう。しかし、連絡掲示板によると、どうやら和解には至ったようだ。はたして、出品者はガワだけを送ったのか、完成品を送ったのか、謎はつきない……。

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元記事
『わざとDSを壊してオークション販売!』騒動の顛末 - livedoorトレビアンニュース