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中村哲医師、アフガンの現状を語る。=福岡・天神

2007年05月13日05時10分 / 提供:PJ

pj
中村哲医師、アフガンの現状を語る。=福岡・天神
講演する中村哲氏。映像は完成した水路で水遊びをするアフガンの子どもたち。(撮影:徳島達朗) 写真一覧(3件)
5月12日午後、福岡市内で「芝浦工業大学創立80周年記念事業:地域フォーラム2007―福岡―」が開催された。テーマは、「資源と環境」である。記念講演をしたのはペシャワール会現地代表の医師・中村 哲氏であった。演題は「国際貢献における技術支援のあり方」。中村氏は映像を投影しながらこれまでの活動をふりかえった。

  講演の概略は以下のようであった。アフガニスタンの面積は日本の約1.7倍である。人口2000万人。99%が農民であるが、昔から「金がなくても生きていけるが、雪が無くては生きていけない」といわれている。ヒマラヤの雪が融けて川となり、その水が農業での暮らしを可能にしている。しかし、地球温暖化の影響か、近年雪が消えつつある。農民が農業で食っていけなくなってきた。

 その上、アフガニスタンは、民族の十字路といわれるように、旧ソ連、タリバン、アメリカの侵攻を受けて国土の破壊が進行した。アフガニスタン人はイスラム教徒で、信心深く長老会の指導で自治組織を作っている。旱魃のため農地をはなれた農民が都市へ集中してきている。貧富の差は極端に拡大している。99.9%の人びとが医療を受けられず死亡している。この人たちの声はけっして世界に届かない。
 
われわれは1984年にハンセン病コントロール五カ年計画を開始した。国際理解では、現状をいかに理解するかが問題で、単純な善悪で区別したりしては解決にならない。例えば女性の被り物につても同様である。臨床医学では「ちがい」を「善悪」の基準にしてはならない。貧しい山の中の生活でさまざまな病気が発生する。そこで、1989年から一般の診療も開始した。

 これまでは、われわれは「日本人」ということで「命拾い」をしてきた。それは日露戦争で日本が勝ったこと。アフガニスタン人が広島・長崎の被爆のことを皆知っているからである。100年前、欧米の植民地化が進行する中で、独立を維持できたのは、日本、アフガニスタン、タイである。戦後、日本は経済的に繁栄し、50年間平和を維持してきた美しい国である。そのため、対日感情は大変良かった。

 しかし、アメリカの空爆が始まり、日本のアメリカ支援のなかで、対日感情は変わりつつある。日本人であるために攻撃される。

 子どもらは水溜まりの水を直接飲まざるを得ないので赤痢が多発、脱水症状から死亡する。飢えと渇きは医療技術では解決できない。そこで、われわれは、環境を改善するため井戸を深くする試みや、カレー(カナート)=横井戸を再生する努力をし、38箇所再生した。

 NYテロ事件で、ブッシュ米大統領は、アフガン報復攻撃を開始した。ピンポイント攻撃という無差別攻撃を開始した。アフガンは解放後、状況は悪化の一途をたどっている。売春の自由、乞食の自由、外国人に取り入って大金持ちになる自由が拡大した。
 
 2003年に開始した13キロにおよぶ水路の第一期工事が、2007年4月に完成した。これで800ヘクタールの灌漑が可能となった。冬の小麦栽培も可能となった。600人の作業員で、手作りで、自らメンテナンスを行うようにしたが、300年前の筑後(柳川)の経験に学び、両岸は蛇籠工法を施し、堅牢な構造をめざした。現在、われわれは、ペシャワール土着化の方針をもって活動している。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 徳島 達朗

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