ソニーから発売された新ウォークマン「NW-A805」は、ビデオ再生が可能となった新機種だ

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小型・大容量化が進む携帯オーディオ市場だが、次なる進化はやはり"ビデオ再生"だろう。その先駆けとなり、シェアを大きく握り、独走中なのがアップルの"iPod"だ。

iPod強しとはいえ、国内のメーカーもただ手をこまねいて見ているわけではない。ビデオ再生に対応したiPodの登場から遅れること約半年、ソニーがついにその牙城崩しをかけて、ビデオ対応ウォークマン"NW-A805"を発売した。

NW-A805は2007年3月末に発売された機種なので、気になって家電量販店などの店頭で手にとった人も多いだろう。

ソニーが満を持して出した"新ビデオ・ウォークマン"とiPodは、一体どんな点が違うのだろう。
両機種を比較しながら特長を見てみようと思う。

■小型ボディにつめこんだ機能が違う

旧Aシリーズは、記憶媒体にハードディスクを用いていたが、NW-A805はフラッシュメモリに変更したため、とにかく薄くて軽い。iPod nano(以下、nano)と比較しても遜色ないサイズの上、nanoにはないビデオ再生機能を備えている。後発のメリットを活かし、ビデオと軽量・薄さという、二つのiPodの"良いとこ取り"をしたタイプといえるだろう。

ソニーの新ビデオウォークマン「NW-A805」NW-805(左)とiPod(右)の厚みを比較したところ


サイズ・重さ・実勢価格比較表
 NW-A805
(2Gバイト)
iPod nano
(2Gバイト)
iPod
(30Gバイト)
サイズ88×43.8×9.6mm90mm×40mm×6.5mm103.5×61.8×11mm
重さ約53g約40g約136g
実勢価格約20,800円約17,800円約29,800円
※価格は2007年5月時点


実勢価格はあくまで参考なのだが、おおよそnanoの値段に3千円プラスすれば、ビデオ再生機能つきのNW-A805が手に入るわけだ。カラーバリエーションはバイオレット、ブラック、ホワイト、ピンクの4種類あり、また大容量モデルとして、4GバイトのNW-806、8GバイトのNW-A808がある。

NW-A805の液晶は、ちょうどiPodとnanoの中間にあたる2.0型のカラーTFT液晶だ。本体の半分以上を液晶が占めるため、数値以上に大きく感じられる。解像度はiPodと同じ320×240ピクセルで、屋外で使ったときも視認性はかなり良い。

NW-805(左)は2.0型液晶、iPod(右)は2.5型液晶を採用している


液晶サイズの比較
 NW-A805iPod nanoiPod
液晶の大きさ2.0型
320×240pixel
1.5型
176×132pixel
2.5型
320×240pixel


スタミナ面ではどうだろう。NW-A805の連続再生時間は、音楽が30時間、ビデオが8時間。iPodやnano(スライドショーのみで、ビデオ再生機能はなし)に比べて、バッテリーの持ちではNW805の勝利だ。

連続再生時間
 NW-A805iPod nanoiPod
音楽連続再生約30時間約24時間約14時間
動画連続再生約8時間非対応約3.5時間


■"サクサク動かせる"スムーズな操作性

操作は、決定ボタンを中央に配した十字ボタン、OPTIONボタン、BACKボタンの3つで行う。その他、ホールドボタンは背面に、ボリュームボタンは本体右側面、ヘッドホンジャックは本体下部に備わっている。

3つの操作ボタンは本体下部にまとめられているヘッドホンのジャックは本体底面にある


ボタンの数は少なく、曲の選択や検索時には、広い画面を活かして階層化されたメニューを十字キーでたどっていく方法をとっているため、操作性はかなり良い。

ホームメニュー画面


曲の検索方法は、16枚のアルバムジャケットを1画面に同時表示する「アルバムジャケット検索」、漢字表示のアーティスト名を自動で読み仮名変換して、50音順に表示する「50音順表示」、アーティスト名をイニシャル別(カナ/英数・他)に検索できる「イニシャルサーチ」など3通りあり、ライブラリから聴きたい曲をスピーディーに探せるよう工夫がされている。