ネット上で「盗用」が指摘されている人気サイト「泣かぬなら殺してしまえホトトギス」

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   累計1,000万アクセスを突破し、「日本一の個人日記」といわれ、書籍化までされた人気サイト「泣かぬなら殺してしまえホトトギス」に、「盗用」疑惑が持ち上がっている。別の人気サイトの「盗用」ではないか、というのだ。話しのネタが似ている上に、表現が酷似している箇所があるため、「盗用だ」という指摘が相次ぎ、2ちゃんねるミクシィなどを含めて、ネット上で大騒ぎになっている。

   問題になっているのは「泣かぬなら殺してしまえホトトギス」というサイト。スネ〜クというハンドルネーム(ネット上の名前)の人物が悪徳業者などを相手に繰り広げる話が面白おかしく書かれている。これが評判を呼び、2007年4月には角川SSコミュニケーションズから書籍化された。この書籍によると、1日平均で1万アクセス、累計1,000万アクセスを達成した、「日本一の個人日記」だという。

ネタが似ていて、表現も酷似している箇所がある

   本が出版されると、ネット上では「盗用」を指摘する声が上がり始めた。

   ネット上の掲示板「2ちゃんねる」では、「人気サイトnumeriをパクった挙句出版、numeriをパクリと主張」と題されたスレッドなどが立ち、「盗用」を指摘する声が上がり、「泣かぬなら殺してしまえホトトギス〜パクリ疑惑Wiki」と題された「検証サイト」まで登場した。「numeri」と題された別の人気サイトからの「盗用」ではないかといった疑惑だ。

   サイト運営者が悪徳業者などを相手に繰り広げる話が面白おかしく書かれているという点では「numeri」とそっくりで、「出会い系サイトと対決する」(「泣かぬなら〜」では「出会い系女とメールで戦う」)などの逸話は、内容まで似ている。しかも、「numeri」と「泣かぬなら〜」との酷似が指摘されている箇所については、「numeri」で既に書かれている、という。つまり、先に書いたのは、「numeri」だというわけだ。

   さらに「検証サイト」では、表現も「numeri」と酷似している箇所があると指摘している。それは、次のような具合だ。

   例えば、送られてきたスパムメールに書かれていたという文言では、

「アナルをぺロリですわい」(「numeri」)
「ア○ルもひとナメじゃい」(「泣かぬなら〜」)

   出会い系でやりとりをした相手に大量のメールを送りつけるという場面の表現では、

「今度はサービスして2000通送ってあげました」「〜を特盛で3000通送っておきました」(「numeri」)
「3000件の出血大サービスで送ってやりました」「手加減の2000件送って差し上げてから」(「泣かぬなら〜」)

といった具合だ。さらには、芸能人の発言や著作の表現など、多数の「盗用」があると「検証サイト」は指摘している。

版元は「著作権上の問題はない」

   さらに、この騒動はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)最大手の「ミクシィ(mixi)」にまで波及した。

   「泣かぬならフリークス」と題されたファンコミュニティでは07年4月26日に「パクリ疑惑」を指摘する「トピックス」が作成され、2007年5月9日現在で200件以上のコメントが書き込まれた。なかには、

「まとめサイトなどをよく読み、じっくり中立的な立場に立って見た所、あまりにも似すぎているし、確かにパクッたのかなという考えに至りました」

   と書き込むファン(?)も登場している。ミクシィではこのほかにも「アンチ泣かぬなら〜ホトトギス」と題されたアンチ・コミュニティも設立され、現在では340人超が参加している。

   J-CASTニュースは「泣かぬなら〜」サイトにあるアドレス宛に、今回の「盗用騒動」についての見解を聞いているが、2007年5月9日時点でスネ〜ク氏からの返答はない。

   一方、角川SSコミュニケーションズの編集担当者は次のように話す。

   「出版物自体については著作権上の問題はない。個人の人が趣味でやっているものだから、ブログについては、こちらで正すことではないし、当事者同士でやってくださいという感じだ。ただ、似たような表現が2〜3あるということで、糾弾されるほどのことなのか。そして、ネットと本は別物と考えてほしい。著者(スネ〜ク氏)にはモラルのゆるさがあったと思っているが、出版にあたっては、盗用や表現の面でチェックしており、特段問題があったとは考えていない」