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朝日新聞・毎日新聞、「高野連特待生問題」に及び腰なのはなぜ?

2007年05月04日06時33分 / 提供:PJ

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朝日新聞・毎日新聞、「高野連特待生問題」に及び腰なのはなぜ?
高校野球は、開催当初、豊中球場で行われていた。その後、鳴尾球場で行われるようになった。写真は、西宮市浜甲子園にある鳴尾球場があった辺りにある鳴尾球場跡地を示す石碑。実際に、鳴尾球場が存在していた場所は、この場から、少し東北に位置する場所。(撮影:渡辺直子、3日) 写真一覧(2件)
高野連は3日、日本学生野球憲章で禁止しているスポーツ特待生制度に違反している高校の実態調査の最終結果を公表した。調査結果によると、硬式376校、軟式8校の延べ384校が違反を申告し、対象部員は7971人にのぼるというものであった。

 この件について、高野連に対する批判が高まっている。また、高校野球選手関係者は、特待生制度が野球憲章違反に抵触する行為であることをこれまで知らされていなかった問題として、困惑を隠しきれない様子だ。

 一方、高校野球大会を高野連とともに主催する朝日新聞・毎日新聞は、まるで、他人事かのように、新聞紙上で報じている。朝日新聞・毎日新聞は、高野連と一蓮托生の立場で、これまで甲子園の高校野球大会を主催してきたのではないのか。朝日新聞・毎日新聞はこの事態までに日本学生野球憲章違反について、ジャーナリズムの立場で検証・報道するべきだったのではないだろうか。報道機関が検証・報道さえ行っていれば、少なくとも、このたびの高校野球選手関係者の困惑は避けることができたはずだ。

 朝日新聞・毎日新聞がなぜこの件を黙殺してきたのか。朝日新聞と毎日新聞の高校野球への関わりの歴史についてまとめた。

朝日新聞と高校野球
 1905年(明治38)、阪神電鉄が開通した。1907年(明治40)、馬匹改良のための競馬が認められ、兵庫県西宮市浜甲子園(旧称:鳴尾村)に、関西競馬場(関西競馬倶楽部)ができた。観衆は大挙して阪神電鉄を利用して浜甲子園にある競馬場に押し寄せた。

 1908年(明治41)1月、関西競馬倶楽部で、「神戸築港記念競馬」と称して臨時競馬を開催。ところが、この臨時競馬に対して「馬券の発売は賭博類似行為であるから注意するよう」司法当局が警告を発した。

 同年10月、突如、政府の馬政局は、「馬券禁止令」を発令。この通達を受けた関西競馬倶楽部では、秋季競馬に向けて準備を進めている最中であったが、秋季競馬の無期延期を決定。競馬場に観客を運んでいた阪神電鉄の株が値を下げ混乱をきたした。

 1910年(明治43)、関西競馬倶楽部はその東隣にあった鳴尾速歩競馬会と合併し、阪神競馬倶楽部という名称に変わった。1914年(大正3)、馬券禁止によって経営が悪化した阪神競馬倶楽部は、収入減を補うために、競馬場と付属建物を阪神電鉄に貸し出すことになった。

 阪神競馬倶楽部から競馬場を借り受けた阪神電鉄会計課課長は、「何か、恒久的な事業をやって会計を発展させねばならない」と考え、「新聞社のほうで、まとまったことを阪神沿線でやってもらえないか」と大阪朝日新聞の販売部長に相談した。その当時、大阪朝日新聞は全国中等学校野球大会を阪急電鉄沿線の豊中球場で開催していたため、販売部長は、阪神電鉄の依頼を了解する形とした。全国中等学校野球大会は1915年(大正4)にはじまった。その後、中等学校野球の人気は高まり、開催地は豊中(豊中球場)、浜甲子園(鳴尾球場)、甲子園(甲子園球場)へと移行した。

毎日新聞と高校野球
 朝日新聞主催の全国中等学校野球大会の人気上昇に、目をつけたのが、大阪毎日新聞社であった。大阪毎日新聞は、朝日新聞が主催する「夏の大会」に対抗する形で、1924年(大正13)の春から「春の大会」を主催。開催地は名古屋(山本球場)、甲子園(甲子園球場)と移行した。甲子園では、1925年(大正14)から開催された。

高校野球開催当初から、阪神電鉄と新聞社との三位一体の業務提携事業
 現在、阪神タイガースの本拠地として有名な甲子園球場は、生誕当初、全国中等学校野球大会の人気に即して造られた球場のようだ。大正12年の夏の大会で、観客がグラウンドになだれこみ、試合が続けられなくなったことを機に、阪神電鉄は、競馬場内の鳴尾球場に限界を感じ、同年11月、阪神電鉄は、正式に甲子園球場の建設を決定した。

 甲子園での高校野球開催の発端は、阪神競馬倶楽部の競馬場跡地を借り受けた阪神電鉄が、電車で人を運び、利益を上げようと考えた。学生のスポーツ教育に貢献する考えなど微塵もないものだった。甲子園における高校野球開催は当時、阪神電鉄の株価が下がった状況を、何とか株価上昇に導く手段のための策だったとも考えられる。阪神電鉄の当時の思惑はさておき、その構想に乗ったのが、大阪朝日新聞と大阪毎日新聞であった。

 両新聞社が、高校野球特待生問題を先陣を切って報じなかった理由は、開催当初から現在まで、阪神電鉄・高野連・新聞社の三位一体で、利益向上をスローガンに、業務提携の立場を貫いていたということなのではないだろうか。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 新納 直子

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