リーガも残すところ6試合となったが、優勝の行方はまったく分からない状況となる中、2部降格争いも同様に混戦、そして熾烈さを見せている。降格争いを演じるクラブの中に、これまで1度も2部に降格したことのないアスレティック・ビルバオ、そして1962年以来2部落ちしていないレアル・ソシエダというバスクの2つの伝統的クラブが含まれている。この2クラブに加え、ナスティック、セルタ、レバンテ、ベティスの計6チームが1部残留に向け最終節まで降格争いの“主役”を演じていくことになる。現在最下位ナスティックから15位ベティスまで勝ち点差は11ポイント。今後の試合結果で大きく変動する可能性は十分にある。また、降格圏内から7ポイント差のオサスナもまだまだ油断できない状況であり、最終節まで持ち越さないためにも残留に必要なポイントを早いうちに獲得してしまいたいところだ。

 このチームの中で比較的日程に恵まれているのは、降格圏内に位置するセルタに5ポイント上回るベティスだ。ライバル達との直接対決は、ホームのナスティック戦とアウェイのセルタ戦の2試合で、上位チームとの対戦は首位バルセロナとの1試合のみだ。この日程を活かしたいところ。

 ベティスより厳しい状況のアスレティック・ビルバオ。一時は降格ゾーンから離れていたが、再び順位を下げ、今はセルタと2ポイント差だ。アスレティック・ビルバオは、レアル・マドリー、バルセロナとともに2部降格をしたことのないチームであり、伝統あるチームの歴史を守りきることができるかは今後の1試合1試合にかかっている。ライバルとの直接対決は最終節のホームでのレバンテ戦で、上位チームとの対戦ではサラゴサ戦を残している。

 レアル・ソシエダについても同じことが言える。1962年以降1度も2部落ちしていないチームだ。降格はほぼ確実と言われていたレアル・ソシエダだが、ロティーナ監督就任後調子を上げ、降格圏内脱出まで3ポイントとその差縮めている。アウェイでのナスティック戦、ホームでのセルタ戦を残すレアル・ソシエダだが、バルセロナ、バレンシアと優勝争いを演じるチームとの対決が残っており、日程的には一番厳しいチームであると言えるが、奇跡の残留を目指し選手たちのモチベーションは上がっている。

 とうとう残留争いに踏み入れることになったセルタ。ストイチコフ監督の就任でモチベーションも上がるが、ホームでのレバンテ、ベティス戦、アウェイでのレアル・ソシエダ戦と3つの直接対決を残している。

 今シーズン昇格したレバンテとナスティックも1部定着のためにも残留を目指したいところだろう。レバンテは、ホームでのナスティック、セルタ戦、最終節のアウェイでのアスレティック・ビルバオ戦と直接対決3試合を残している。また、最下位ナスティックもホームでのレアル・ソシエダ戦、アウェイでのレバンテ、ベティス戦の3試合、最終節ではバルセロナとの対戦が待っている。バルセロナが最終節を待たずに優勝を決めれば、バルセロナが主力を外してくるとも考えられ、勝ち点を奪える可能性はあるだろう。

 14位:オサスナ         37
 15位:ベティス         35
 16位:アスレティック・ビルバオ 32
 17位:レバンテ         30
▼18位:セルタ          30
▼19位:レアル・ソシエダ     27
▼20位:ナスティック       24

残り6試合の対戦相手:

<ベティス>
ヘタフェ(H)、バルセロナ(A)、ナスティック(H)、セルタ(A)、オサスナ(H)、ラシン(A)

<アスレティック・ビルバオ>
レクレアティーボ(A)、デポルティーボ(H)、サラゴサ(A)、マジョルカ(H)、ビジャレアル(A)、レバンテ(H)

<レバンテ>
ナスティック(H)、セルタ(A)、オサスナ(H)、ラシン(A)、バレンシア(H)、アスレティック・ビルバオ(A)

<セルタ>
ビジャレアル(A)、レバンテ(H)、レアル・ソシエダ(A)、ベティス(H)、アトレティコ・マドリー(A)、ヘタフェ(H)

<レアル・ソシエダ>
バルセロナ(H)、ナスティック(A)、セルタ(H)、オサスナ(A)、ラシン(H)、バレンシア(A)

<ナスティック>
レバンテ(A)、レアル・ソシエダ(H)、ベティス(A)、アトレティコ・マドリー(H)、ヘタフェ(A)、バルセロナ(H)

 残り6試合で7つの直接対決は見物だ。ともに勝ち点3を目指し熱い戦いとなるのは確実。2部降格はクラブにとって経済的にもスポーツ的にも大きな痛手となることは確か。1部残留というゴールを目指し、最終レースが開始した。優勝争い同様、残留争いからも目が離せない。

(スペイン通信)