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電子マネーの功罪を考える

【PJ 2007年04月29日】− 乱戦模様になってきた電子マネー市場。簡単・便利と謳うのは容易いが、新しいシステムやサービスというものは、仕組みや使い方をすぐに覚えて利用できる人と、反対に難しいと思ってしまう人との間に少なからずギャップができてしまうのが常だ。事はお金の問題なのだが、電子マネーがメディアで紹介されても便利さの情報が先走り、利用者のための正しい情報や判断材料には未だ乏しい部分もある。

 電子マネーには、使用する前に現金でチャージ(補充)するプリペイド型と、クレジットカードのオプションとして発行されるポストペイ型がある。プリペイドは使用前にあらかじめ指定店舗での入金や銀行口座からのオンラインチャージが必要であり、ポストペイはクレジットカード機能と同様に使った分だけ後から請求させるので、プリペイドのように事前にチャージする手間が省けるが、自己管理をしっかりしないと使い過ぎてしまう可能性も高い。また、事前に対応クレジットカードの申請、審査が必要になるので、使用前の手続きはポストペイの方が面倒になる。

 使い勝手の問題もまだまだ多い。利用してもポイント等が貯まらなければ利用者のメリットは薄れるし、使用する度にわざわざレジを移動させられるのも面倒だ。各精算が不便なモノも困る。携帯電話へのダウンロード設定が難しのも困るし、利用できる店舗の判別もしにくい。店舗の入り口に小さく電子マネーのロゴステッカーが貼られていても、中々視線は行き難いし、きちんと貼られていればまだ良い方で、結局店員に聞くはめになることも多く、聞いた店員の中には電子マネーに対しての知識や処理能力が、まだまだ乏しいと思える時も多々ある。

 ある電子マネーは航空会社で貯めたマイルを電子マネーに変換する際、主要空港か提携しているコンビニで且つ変換機器を設置している店舗で行うが、北関東のある県には提携コンビニ店舗が県内にたった2件しかないという現状もある。各ポイントを電子マネーに変換する効率化と簡素化もこれからの課題だろう。設備投資等の問題はあるにしても各電子マネー間の相互整備がきちんと進まない限り、結局は店舗が密集する都会で使い易いだけで地方にとっては厄介者になる可能性も高い。

 もう1つ気になるのは、電子マネー自体が視覚障害を持つ人々の生活を逆に不自由にしていないかということだ。支払いの際には、お札や硬貨を僅かな長さの違いや折り方、手触りなどで工夫し区別しているが、既に現金が利用できない自動販売機も見受けられる。ならば、電子マネーを使用時に音声や点字でも確認が出来て買い物ができたらより便利になると思えるが、逆に画面表示しかなく音声も出ない、暗証番号を押すキーパッドが押し難くい、押せなかったらどうなるだろうか。スーパーやコンビニなどのレジで、毎回別々の店員にカードの暗証番号を教えることになったり、残高などを口頭で周囲に知らされてしまうような、間違った電子マネー社会になってしまう。

 新システムやサービスの浸透度合いは多くの庶民がそれらを使ってみたくなるかどうかで決まるはずだが、現在の電子マネーシステムにはぜひ使いたくなるような魅力や正しい安心感がまだまだ欠けていると思える。大枠の仕組みだけ作り後は丸投げ、利用する側に責任を押し付けるこの国特有のやり方だけは持ち込まないで欲しいと願うばかりだ。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 瀬畑 真一【 茨城県 】
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