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「昭和の日」に思う。

2007年04月29日07時27分 / 提供:PJ

pj
今年から4月29日は「昭和の日」である。昭和天皇の誕生日であった。明治天皇の誕生日の11月3日が「明治節」となり「文化の日」となったのに対し、「みどりの日」から「昭和の日」となったのは、少々その意味を考えざるを得ない。大正天皇の誕生日である8月31日は、大正時代の天長節として祝われたのみである。

 「昭和」という年号は、尚書堯典の「克明俊徳、以親九族、九族既睦、平章百姓、百姓『昭』明、協『和』万邦、黎民於変、時雍」が出典なのであるが、江戸時代の「明和」(1764〜72)も同じ出典であり、東京日日新聞社の新しい元号は「光文」のスクープ号外により急遽差し替えられた可能性もあるが、真実はわからない。

 昭和時代を、昭和天皇の即位をもって始めるのではなく、私は1921(大正10)年の摂政への就任から始まると考えたい。その方が、時代の流れがすっきりするのだ。1921年、20歳になった昭和天皇は、3月3日から9月3日まで、イギリスを始めとする欧州歴訪を行う。ロンドンで地下鉄に切符を買って乗ったエピソードはこの時の話である。また、世界大戦の戦場の視察でその悲惨さも目の当たりにした。

 帰国後の11月25日に摂政に就任する。昭和天皇は、戦前の政務は20歳から44歳まで執られているのだ。大正10年の摂政就任から天皇即位までの5年間は、ワシントン会議、関東大震災、治安維持法の成立など昭和に直結することが多い。そのため、この摂政時代を大正時代と考えるのではなく、昭和時代と考えたいのである。

 昭和時代は、大きく分けて、昭和前期と昭和後期に大別し、その区切りは、1951(昭和26)年9月8日のサンフランシスコ平和条約の締結日とする。戦前の日本を1945年8月15日で終わったと考えてはならない。戦後の混乱期は全て戦前の継続であり、占領下の改革もその中に於いて行われたのだ。日本が、独立国家として歩みはじめたのが、1952年以降である。

 つまり、昭和前期は、1921年から1951年であり、昭和後期は、1952年から1989年である。軍服と天皇服を来た天皇である前期が31年間(厳密に言えば1945年以降の6年間は背広になる)、背広の天皇の後期が37年間である。

 この区切りで考えると、世代間の意識のずれも良くわかる。昭和前期の生まれ(56歳以上)は、戦争をまだ感じることが出来た時代であり、ベトナム戦争も知っている。憲法改正では護憲派が多い世代である。小学校の教育から平和と民主主義を叩きこまれ、大学紛争の経験者である。昭和後期の世代は、平和と民主主義が、自主独立により徐々に変貌した教育を受けた世代だ。戦争をまったく知らない世代と言って良い。

 「昭和の日」に何を思うか、人それぞれであろう。今何故か昭和30年代が見直されているという。みんなが一生懸命に生きていた時代。テレビの中のアメリカのドラマのような生活をしたいと努力してきた結果が現在である。時代は、必ず変わっている。その中で失われたものに対しての郷愁を感じるのは当然かも知れない。

 しかし、大切なのは現在であり未来なのだ。これからの時代をどうするかの重大な節目を迎えつつある。それは、昭和前期の日本の姿をどのように位置づけ、曖昧にしてきたことをどのようにはっきりと結論付けるかである。

 新聞のスクープで、急遽変更された「昭和」と考えるとその意味は変わってくるかも知れない。すべてが辻褄合わせのような「昭和時代」であったのだ。「平成」の若い力と昭和後期の戦争をまったく知らない世代が、この昭和を認識して、どのような新しい日本をつくっていくのだろうか。ちなみに、「百姓『昭』明、協『和』万邦」とは、「国民の平和と世界各国の共存繁栄を願う」意味だという。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司

関連ワード:
昭和の日  憲法改正  誕生日  アメリカ  教育  
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