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お手盛り有識者会議で良いのだろうか?「集団的自衛権」をめぐる憲法解釈が始まった。

【PJ 2007年04月27日】− 日本国憲法の第9条をめぐる解釈の論議が有識者会議で開始されるという。正式名称は、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」といい、13名からなり、座長は柳井俊二前駐米大使が勤めるという。そのメンバーは、総理に近い外務省OBや防衛省OB、両省と関係の深い外交・安全保障の専門家である。記者が、特に注目したのは、岡崎久彦元駐タイ大使だ。扶桑社版「新しい歴史教科書 改訂版」の監修者であり執筆者である。どんな論議がされるのか、わからないが結論が既に見えている形ばかりの懇談会では、マスコミのやらせと変わらないような気がしてしまう。

 日本国憲法で重要なのは、第9条の戦争放棄も大切であるが、条文ではない、前文の後半部分も重要なのである。以外と後半部分は語られる事が少ないので、引用する。

 『日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。』

 この前文から、「集団的自衛権」を考えるとどうなるであろうか。「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」では、熟読してほしいものである。訪米した安倍総理を迎えたものは、やはり「慰安婦問題」であった。日本国憲法の前文でも「国際的精神」をうたいあげているように、安倍総理も視野・視点をもう少し考え直す必要があるように思える。

 「新しい歴史教科書をつくる会」は、1992年の「創設にあたっての声明」で、『どこの国にも独自の歴史像があり、それぞれ異なる歴史意識があり、他国との安易な歴史認識の共有などありえない』と言っている。安倍総理は、この「新しい歴史教科書をつくる会」を支援する議員連盟「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(1997年結成)の元事務局長であり、中川昭一氏は元代表である。「歴史教科書」の問題の始まりがどこにあったのかを思い出すと、この「慰安婦問題」は安倍政権にとって無視できない問題でもある。その心情から問われることになる筈である。

 4月29日は、今年からは「昭和の日」である。平成しか知らない若い人たちに、「昭和」とはどのような時代であったかを、きちんと伝承していく必要がある。事実を事実として伝えることが、先ずは一番大切なことである。都合の良い事だけでなく、その奥にあるドロドロしたものもきちんと伝えなくてはならない。

 「集団的自衛権」の検討は、単に現在の安全保障の問題を検討するだけでなく、日本国憲法そのものの論議であり、昭和の時代の再認識から始まるのではないだろうか。懇談会のメンバーには、憲法制定の背景である歴史認識を含めた広範囲な検討により、法的基盤の再構築の提言がされることを私は、期待したい。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司【 愛知県 】
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