マーク・ウォールバーグ

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「このミステリーがすごい!」2000年海外部門で、第1位に輝いたベストセラー小説の映画化「ザ・シューター 極大射程」が、6月1日(金)より全国ロードショーとなる。
プロフェッショナルを極めたが故に誇大な陰謀に呑み込まれようとする孤高のヒーローを、本年度のアカデミー賞助演男優賞にノミネートされマーク・ウォールバーグが演じる。そのマーク・ウォールバーグが来日。4月25日、新宿・パークハイアット東京において記者会見が行われ、映画に対する思いを熱くかたった。

■アントワーン・フークア監督による「ザ・シューター」の撮影はどうでしたか?

監督は、非常に厳しい注文をしてくる人だったよ。しかし、この映画ではそれが必要だったんだ。どんどん僕をプッシュしてくるし、そして僕も彼をプッシュすることで良い友情関係が築けたと思う。監督は、どんなに危険なシーンでも、とにかく「ヤレ!」ということで、僕が「出来ない、No」ということを聞いてくれないんだ。でも、この作品には、アントワーン監督が必要だったと思うよ。
僕が演じたボブ・リー・スワガーは、非常に名誉を重んじるキャラクターで、彼を演じることができたことを誇りに思うよ。彼を信じるに足りる人物にすることが重要なんだ。
今までにも銃器を扱う映画には出ていたが、今回はスナイパーということで、とても厳しい訓練を受けたんだ。そして作品は、脚本が本当にしっかりしているし、共演者もスタッフもしっかりしていたので、自分の役に集中することができたよ。

■演じられるボブ・リー・スワガーの魅力は何でしょうか?

ボブ・リー・スワガは、タフなんだけれども賢い、頭が切れるキャラクターだよ。普通、こういうキャラクタ−というのは、タフであるか、頭が切れるかどちらかなんだよね。その二つが揃っているところが、ボブの魅力だよ。普段の僕は、キャラクターを出来るだけユニークなものにするために努力するんだ。でも今回は脚本が非常に良くできていたので、脚本通りに演じたんだ。実は「ディパーテッド」(2007年1月公開)は、ほとんど即興でキャラクターを自分で作り上げたんだ。今回の映画では、即興で付け加えたのはほんの1秒くらいだよ。ただ脚本通りに演じたけれども、自分の中にあるタフさだとか規律といったものは、出来る限り持ち込むようにしたんだ。

■撮影でもっとも大変だったシーンはどこでしょうか?

タグボートて引きずられるシーンがあるんだけれども、まず川が綺麗であるかどうか誰もチェックしなかったんだ。出来ないと言いかけたんだけれども、監督は「君にはこういう事をするためにお金を払っているんだよ」と言ってトランシーバーを切ってしまったんだ。だからやるしかなかったんだけれども、最初にやったときにはもうちょっとで溺れ死にしそうになったんだ。そのときは水がかなり汚いということで、ウエットスーツを着ていたんだけれども、そのウエットスーツが水を吸って重くなって沈んだんだ。本番では、ウエットスーツを脱いでトライしたよ。そして、一番大変だったのが氷河のシーンさ。一番美しいロケ地でもあったんだけれども、ヘリコプターでしか行くことが出来ない所だったんだ。天候が悪くなって非常に寒いだけではなく、太陽が出てくるととても熱くなるんだ。もともと飛行機やヘリに乗るのが嫌いなので、リアルさを追求するのも良いけれども、このシーンはスタジオの合成でやりたかったよ。

■映画の中で犬を愛していますが競演した犬はどうでしたか?

今まで共演した中で、規律をとても重んじる俳優だったよ。でも、ビールを飲ませないということ聞かない所があって、しかも本物のビールでなきゃダメなんだ。だからバドワイザーとサッポロビールを用意していたんだよ。彼は殆ど酔っぱらっていたんだけれども、僕もあれくらい演技ができたら良いね。

■この度、オスカーで助演男優賞にノミネートされたわけですが、次回はオスカーを取りたいですか?

オスカーにノミネートされたことは意味があることで光栄だ。共演者の中でも素晴らしい俳優が出ていたし、僕がスクリーンに映っている時間は短かったことを考えると驚きだよ。そして、本当に嬉しいよ。でも、特に変わっていないね。良い役を探す、いい脚本を探す、才能溢れる人たちと仕事をするというスタンスは同じ。確かにノミネートの後にオファーは多くなったけれども、その殆どがひどい台本で、良い物を探すということをこれからも追求していきたいね。