この夏、サッポロは「W-DRY」で「第4のビール」戦争に挑む

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   「第4のビール」戦争が激しさを増している。ビール各社が、この市場へ次々と参入することを明らかにする中で、サッポロビールは2007年4月25日、「W‐DRY」の発売を発表した。「第4のビール」は、従来の第3のビールとは違って、麦芽を使った新しい商品。「麦芽由来の飲みごたえ」を売り物に、今夏のビール業界は、「第4のビール」を巡って熾烈な競争が展開されそうだ。

   サッポロの「W‐DRY」は麦芽使用率25%の発泡酒に、スピリッツ(蒸留酒)を混ぜたリキュールタイプで、ネーミングのとおり、ドライ発泡酒とドライスピリッツの「W‐DRY」が特徴だ。味の「キレ」や「爽快感」、「辛口」を目指した味づくりで勝負を挑む。

「第3のビールである『ドラフトワン』がスッキリ感、『うまい生』がコクや味わい、飲みやすさを追求したのに対して、『W‐DRY』はズバッとキレる飲みごたえにこだわった」(サッポロビール)

麦芽を使い、飲みごたえのある味を実現

   「W‐DRY」は「オトナの渇きを癒す。」をコンセプトに、お客が止渇系を最もほしがる夏本番直前の6月27日に、全国一斉発売する。アルコール分は5%。種類は350ml缶と500ml缶があり、メインターゲットを30〜40歳代に据えた。価格は、オープン価格。07年内に400万ケース(1ケース大瓶20本換算)の売り上げを目標にしている。

   麦芽を使って、飲みごたえのある味を実現したのが「第4のビール」。キリンビールが5月23日から「良質素材」の販売を始める。さらに、サントリーも6月までに新商品を投入する計画だ。それに、サッポロの「W‐DRY」。今夏のビール業界は、「第4のビール」の話題で盛り上がりそうだ。

   大豆やえんどう豆のたんぱく質などを加えた「第3のビール」は、「すっきりとした味わい」がウリだったが、「第4のビール」は麦芽を使い、「飲みごたえのある味が実現できた」(サッポロビール)のがアピールポイントだ。お客の「できるだけ安く、ビールの味を楽しみたい」という声を実現したのが、「第4のビール」ともいえる。

市場活性化の起爆剤になるか

   ビール酒造組合などが4月11日にまとめたビールメーカー5社のビール系飲料(ビール、発泡酒、第3のビール)の07年1〜3月の出荷量(課税ベース)は、前年同期比0.1%増の9726万ケース(1ケース大瓶20本換算)だった。低価格を背景に「第3のビール」が続伸したものの、その伸びにも一服感が出ている。ビール各社が新たなジャンルの商品として投入する「第4のビール」は、市場活性化の起爆剤として期待されている。

   サッポロは米スティール・パートナーズの買収提案で揺れながらも、2月の販売数量は前年比10%弱の伸びを示し、「異変」ともいわれた。同社は07年2月14日に「サッポロ うまい生」を発売。同商品は、第3のビールのパイオニア的存在で業界第2位のシェアを誇る「ドラフトワン」に次いで、同社が「ビールの味わいを手ごろな価格で楽しみたい」という層に向けて投入した。これに「W‐DRY」が加わり、「サッポロ異変」が継続するかが注目される。