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「特攻の母」と慕われた女性・鳥濱トメの視点から、特攻隊員たちを取り巻く様々な愛を描いた映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」が、5月12日(土)全国東映系にてロードショーとなる。
その完成披露試写会が4月24日に行われ、原作者で製作総指揮・脚本を行った石原慎太郎東京都知事をはじめ、新城卓監督、徳重聡、窪塚洋介、筒井道隆、岸惠子、中越典子、多部未華子、勝野雅奈恵が登壇した。舞台挨拶では、戦争を知らない若き俳優陣、そして戦争を体験した岸惠子らがそれぞれの思いを語った。       

製作総指揮・脚本を行った石原慎太郎東京都知事、「地獄に仏という言葉があります。トメさんは特攻隊員にとって、魂を救ってくれる仏様であったと思います。トメさんは、忘れることができない戦の語り部でしたが、亡くなられた後に何かの形で残さなければならないと思いました。この作品の脚本は全て、トメさんから聞いた話を羅列しています。そしてこの作品によって、トメさんに報いることができると思います。」

陸軍少尉・中西正也を演じた徳重聡、「映画の中に、特攻という事実があります。この事実を見ていただければ、特攻兵がいたから、特攻兵を支えた人がいたから、そしてあの時代を生きた人がいたから、今の平和な日本があるということを分かってくれると思います。」

陸軍少尉・板東勝次を演じた窪塚洋介、「今を生きる僕らの価値観や考え方が全く通用しない、時代の違いを感じると思いますが、たかだか60数年前に実際にあったことです。トメさんはじめ特攻隊員が生き抜いた時代があったんだということを見てもらい、いろんな事を考える、その気持ちを大切にしてください。」

陸軍少尉・田端紘一を演じた筒井道隆、「こういう素晴らしい映画に携わらせていただいて、今を精一杯、生きて行かなければならないと痛感しました。」

鳥濱トメの次女・礼子を演じた多部未華子、「私はこの作品に参加させていただいたことをきっかけに、戦争が起こった事実を知りました。私と同じ10代の人たちには関心がない出来事だと思うので、この映画を見て戦争で起こった事実を知るきっかけになれば良いなと思います。」

中西正也の恋人・鶴田一枝を演じた中越典子、「私はこの作品に出ることができると聞いて、知覧に一人で行きました。知覧の風は気持ちよくて、すごく穏やかな場所でした。本当に戦争は嫌だし、私個人では何もできませんが、この映画が未来ある若者たちにとって希望を持って生きていけるようなパワーになれば嬉しいです。」

鳥濱トメの長女・美阿子を演じた勝野雅奈恵、「私はこの作品に出て、トメさんを知り自分が変わったと実感しました。一生懸命に生きた人がいるから、私は今ここにいるんだという思いに駆られています。この作品に携わって、皆さんに出会えて、本当に良かったなと思います。」

新城卓監督、「沖縄で生まれ、アメリカの軍政下のもとパスポートを持って上京しました。家族を守るため、国のため、沖縄の近海に散っていった5000名とも6000名ともいわれている彼らに対して、いつの日か感謝の誠を捧げたいと思っていました。それが、トメさんに対する思いとマッチングして、この映画が完成にいたり感無量です。人生をかけて取り組んだこの作品を是非、若い人に見てもらいたいたいと思います。」

最後に鳥濱トメを演じた岸惠子は、戦争の実体験を交えながらこの映画への思い、そして戦争への思いを語った。「この映画は、偉大であったトメさんへの鎮魂歌だと思います。戦争は本当にひどいものです。戦争で勝った国も負ける国も崩壊して行くのです。私は戦争反対の気持ちで、真心をこめて演じさせていただきました。戦争は嫌ですが、人間が地球に住んでいる限り戦争は起こってしまうのです。負けると分かっている戦に、負け方の美学や国家のプライドとして尊い命が失われてしまうことは二度とあってはいけないと思います。過去をひもとかない国に明日はありません。本当に過去を振り返り、今の自分があることを考えたいと思います。」

製作総指揮・脚本:石原慎太郎
監督:新城卓
主題歌:B'z「永遠の翼」
キャスト:徳重聡、窪塚洋介、筒井道隆、岸惠子、中越典子、多部未華子、勝野雅奈恵 ほか

(C) 2007「俺は、君のためにこそ死ににいく」製作委員会

「俺は、君のためにこそ死ににいく」公式サイト:http://www.chiran1945.jp/

5月12日(土)全国東映系にてロードショー