欧州チャンピオンズ・リーグの準決勝でイングランド勢同士の対戦となったチェルシー対リバプールの第一戦を25日に控え、両チームの指揮官が激しい舌戦を繰り広げている。

 まず口火を切ったのは、第一戦を本拠地スタンフォード・ブリッジで迎える、チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督だ。ケガのミヒャエル・バラックや出場停止のマイケル・エッシェンなど、主力を多数欠く戦いを前に、「リバプール有利」と語るモウリーニョは、FWディディエ・ドログバなど、累積警告2枚で出場停止にリーチがかかる選手を、リバプールがターゲットにするだろうと予想し、敵将に揺さぶりをかけた。

「我々は出場停止にリーチがかかる選手を多く抱えている。明日の試合で、リバプールがドログバを90分間追い回して、警告を受けさせようとしても、私は驚かないよ。また、我々はケガ人と出場停止の問題も抱えている。疲労の問題が一番の悩みどころだ。決勝進出のチームを予想しろと言われれば、私はリバプールと答えるね。リバプールはトーナメントに強さを発揮するチーム。過去3シーズンのプレミアリーグで通算すると、我々はリバプールに勝点で60以上は上回っているはずだ。しかし、彼らが今戦っているのはチャンピオンズ・リーグだけ。コンディション面では、リバプールが圧倒的に有利だ」

 このコメントを聞いたリバプールのラファエル・ベニテス監督は、敵将が仕掛ける心理戦に対し、終始冷静にコメント。モウリーニョが主張する“イエローカード作戦”については、同カードで対戦している2シーズン前の準決勝を持ち出し、応戦している。

「ドログバにわざと警告を受けさせる? そんなことは考えもしなかったよ。モウリーニョがそんなことを口にしたのは、2シーズン前に同じことをウチのシャビ・アロンソにしたからじゃないのか? いずれにしろ、私は主審を信頼しているがね。それに、チェルシーはケガ人を多く抱えると言うが、それは我々も同じことだ。違いがあるとすれば、莫大な資金を投資したおかげで、彼らは十分な戦力を有しているということ。過去3シーズンで我々より勝点で60以上を稼いだとも言っているそうだが、その分巨額の資金を費やしているだろ? 勝点1を稼ぐのにいくらかかっているか知りたいもんだね」

 2シーズン前の準決勝でリバプールに敗退を喫しているモウリーニョにとっては、リベンジを果たす格好のチャンスとなる今回の対戦。一方のベニテスは、ビッグイヤーを獲得した2シーズン前の再現を狙っている。両指揮官の思惑が入り乱れる準決勝は、両チームの因縁が交差する壮絶な試合が展開されそうだ。