チェルシーのピーター・ケニオン最高経営責任者が、ジョゼ・モウリーニョ監督の去就問題についてコメント。今シーズン限りの退団が噂されるポルトガル人監督について、「全面的にサポートする」と解任の意思がないことを明らかにした。

 ロシア人オーナーであるロマン・アブラモビッチとの確執から、チェルシー退団が連日報じられているモウリーニョ。その後任には、ロシア代表のフース・ヒディンク監督や、元ドイツ代表監督のユルゲン・クリンスマンといった名前が浮上していた。

 しかし、ケニオンはチェルシー経営陣の総意として、モウリーニョの解任を否定。クラブを2年連続のプレミア王者に導いた指揮官に、2010年までの契約期間を全うさせる意向を明らかにした。

「チェルシーの周辺では、多くの噂が聞こえてくる。特に、監督人事においては、報道が過激になる。しかし、我々はジョゼを最大限サポートしている。また、彼は2010年まで契約を結んでおり、解任するつもりはない。私の知る限り、マスコミでは14人ほどの新監督候補の名前が伝えられているが、我々はそんなリストを持っていないし、誰かにオファーを提示した事実もない。ジョゼ・モウリーニョこそが我々の監督だ」

 今年1月の移籍マーケットで、負傷者の相次いだ守備陣に補強を望んだモウリーニョだったが、チェルシー首脳陣は資金捻出を拒否。これをきっかけに、このポルトガル人監督は、アブラモビッチをはじめとするチーム幹部との溝を深めていった。しかし、いまだシーズン4冠の可能性を残す戦いぶりに加え、DFジョン・テリーやMFフランク・ランパードとの契約延長交渉にも影響を及ぼすモウリーニョの存在感は絶大。ケニオンのコメントは、指揮官との駆け引きで、クラブ首脳陣が譲歩せざるを得なかったことを示唆しているのかもしれない。