郷原教授は「何も解決していない」と述べた(写真は3月の信頼回復対策会議)

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   不二家が社外に設置した信頼回復対策会議の議長を務めた桐蔭横浜大学コンプライアンス研究センター長・郷原信郎教授は2007年4月19日、都内のホテルで講演し、TBS系の情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」で18日に放送された謝罪放送について、「客観的に全く評価できない」と述べた。

   郷原教授が議長を務めた信頼回復対策会議は、同番組で報じられた「賞味期限切れのチョコレートの再使用」について、明らかに事実に反するほか、「捏造」の可能性もあるとして、07年3月末に「TBSの対応によっては法的措置を検討すべきだ」と不二家に提言していた。

「社会は納得しているのか」

   郷原教授は「TBSが行った謝罪放送では、チョコレートの再使用の事実があったのか、『証言者』が何を体験・目撃したのか分からず、何も問題は解決していない」と語った。また、同番組司会のみのもんた氏が「雨降って地固まる」と発言したことについては、「ズバッと言ったら(何でも)雨降って地固まるらしい。もう『朝ズバッ』というタイトルをやめて、『朝ニタ』ぐらいがいいのではないか」と皮肉った。

   TBSの謝罪放送を受け、不二家が提訴しない方針にしたのには、「不二家には大きなメリットがあり、不二家としても(提訴することは)難しかったのではないか」とコメント。ただ、TBSの姿勢については「不二家が納得すればいいというもので、社会は納得しているのか。これからだと思う」と語り、信頼回復対策会議の資料を英訳するなどして、国内外でこの問題について今後も取り組む姿勢を見せた。