二階堂智

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「誰にでも起こりうる、観た人の心の奥底を問われる映画」
ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル…国境を超えたスーパーキャストたちが集う映画『バベル』で、日本を代表する俳優・役所広司、アカデミー賞助演女優賞ノミネート・菊地凛子、そしてもうひとり夢を叶えた日本人俳優がいることをご存知だろうか。菊地演じる聾唖(ろうあ)の女子高生の叫びを受け止める刑事・ケンジ役を演じた二階堂智だ。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督からも「彼は優しそうな紳士。実際とても良い人なんだ。私はこの映画に彼を必要とした。繊細な刑事役だが、凛子とのバランスもとても良かった」と称えられた彼に話を聞いた。

■デビューから『バベル』出演に至るまでの経緯を教えてください。

大学を卒業した後、最初は倉本聰さん主宰の富良野塾に入塾しました。そこで2年間演技の勉強をし、その後奈良橋陽子さん代表のユナイテッド・パフォーマーズ・スタジオ「UPS(アップス)」と出会い、舞台「WINDS OF GOD」などを経験しました。舞台を中心にCMなどで出させていただくようになって、2003年映画『ラストサムライ』で初めて映画に出演。そして『バベル』へ出演となりました。

■何故「富良野塾」へ早くから俳優を目指されていたのでしょうか?
当初は俳優というよりも“富良野塾”という生活に惹かれていて。東京出身なのですが、ずっと東京で生活していく中で、きっと疲れていたんだと思います。このままではいけないなぁと。厳しい環境に自分を置いてみようと考えました。その後は自然と俳優になっていった感じですね。

■『バベル』では10か月間にも及ぶオーディションをされたそうで。どのようなステップを?

一昨年の1月に、キャスティングの方から「アメリカのインディーズ映画があるんだけど、どう?」というお話があって。最初は監督にお会いして、あのイニャリトゥ監督だとは思いもよらず…(笑)。お名前を伺ったときにものすごく緊張しました。最初は2ページぐらいの台本を読んだんですが、その時監督が「求めていたキャラクターだ」と言ってくれたんです。その後は凛子ちゃん含めグループでのインタビューを受けたり、ビデオでのオーディンションを受けたり。そうしている間に10ヶ月が経っていました。決定した数日後にはもう撮影に入っていましたね。正直最初はそれほどの欲はなかったのですが、台本を読み進めていくうちに、すごくやりたい!という強く思うようになりました。

■ぶっちゃけ「キマった!」と思った瞬間はありましたか?

それは最後までありませんでしたね。最初がとても良い感触だったのですが、それでも決まらないのでかえって不安でした。僕の役も、凛子ちゃんの役も、最後は2人づつ残っていたんです。

■現場での監督とのやりとりはどのように?

監督は僕に直接英語で話すんですが、大体のことは伝わりましたね。ただきちんと細かく理解しなければいけない部分については、通訳さんに聞きました。

■昨年参加されたカンヌ映画祭はいかがでしたか?

国際映画祭という場がピンとこなくて緊張してましたね。でも『バベル』上映後のあの鳴り止まない拍手は本当にすごかったです。初めての舞台のときのような感動を覚え、忘れていた記憶や感覚が、ぶわっ!と蘇りました。

■『バベル』という映画をどう捉えていらっしゃいますか?

この映画は特別な人物が描かれているものではなく、誰にでも置き換えられる話です。局面に立ち会った場合にどういう選択をするのか、どういう感情を抱くのか。観た人の心の奥底を問われる映画だと思います。

<ストーリー>
モロッコを旅する米国人夫婦。一発の弾丸が発砲され妻に命中、重体となる。妻の命を救う為に辺境で必死になる夫。事態はテロ事件へ発展し、銃の持ち主が東京に住む会社員へとたどり着く。その頃、二人の子供はメキシコへと連れられ生死の境目をさまよっていた・・・。事件はアメリカ、メキシコ、そして日本へと波紋をひろげ息をのむラストへと加速する。

・キャスト:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子
・スタッフ:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(監督)
・公式HP:http://babel.gyao.jp
・GW特集:http://movie.news.livedoor.com/special/gw2007/detail_07.html
配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered by ヒューマックスシネマ
(C)2006 by Babel Productions, Inc. All Rights Reserved.

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スタイリスト:佐藤友美