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【よこ顔】世界最大級のノコギリを演奏する、異色のアーティスト=下田尚保さん(上)

2007年04月18日12時09分 / 提供:PJ

pj
【よこ顔】世界最大級のノコギリを演奏する、異色のアーティスト=下田尚保さん(上)
ノコギリ・アーティストの下田尚保さん。東京・ギャラクシティ西新井文化ホールで。(撮影:穂高健一、4月1日) 写真一覧(2件)
ノコギリ・アーティストの下田尚保さん(65)が4月1日、東京・ギャラクシティ西新井文化ホールで、『第5回のこぎり音楽チャリティーコンサート』を行った。5回目のコンサートでは、観客が当初の予想を超えた600人強だった。

 ノコギリを使う演奏家は国内外に数々いる。これほどまでに大勢の観客を集められるノコギリ・アーティストは、国内はもとより世界にもまずいないだろう。そのうえ、下田さんは世界最大級のノコギリを奏でることで有名だ。真似する演奏者はまずいない。

 東京・足立区在住の下田尚保さんは工場経営者から、芸の世界に入った異色の音楽家だ。のこぎり・アーティストにたどり着くまでは、長い道のりだった。心の底流にはつねに音楽志向、音楽精神が流れていながら、生活環境の面から果せなかったのだ。

 コンサートの終わった下田さんから、長い道のりを聞くことができた。まずは音楽のルーツから語ってもらった。「母は山田流の琴、父は尺八、姉二人はピアノという音楽一家でした」と話す。小学生時代の下田さんはNHKにハーモニカ合奏で出演している。その段階から音楽家への片鱗があったようだ。

 中学生時代からエルビス・プレスリーに取りつかれた。高校時代は大学受験勉強のかたわら、マンボ、ルンバ、タンゴ、ハワイアン、とりわけデキシーランド・ジャズに傾倒し、レコードに聴き入り、ジャズ喫茶などにも足を運び生の演奏に陶酔していた。「性格は凝り性です」と話す。

 下田さんは戦時中0歳児のときに父親を亡くしている。母親の手で育てられてきた。6歳年上の実兄が成人すると、金属装飾加工業で一家を支えてくれた。下田さんは亡父の母校でもある、早稲田大学政経学部に進学した。大好きなジャズバンド活動か、応援団・ブラスバンドか。迷った末に応援団に入った。2年生になる直前の3月に、大黒柱の実兄が事故で急死したのだ。

 80代の祖母を筆頭に、母、2人の姉、姪とすべて女系家族だった。製造業をだれが継ぎ、だれが家族を養うか。下田さん以外にはいなかったのだ。「タイピン、バッチ、マーク、お守り、靴・アクセサリーなどの製造で、まさに零細企業です」という。

 「六人家族が食べることだけで、精一杯でした。相談した教授からは、家業を継ぐならば、8年間の猶予で卒業すれば良い。かりに卒業できなくても、就職には関係ないから気楽に構えたら、というアドバイスを受けました。そんなことから大学に残りました。友だちのノートを借りたりして、四苦八苦の末、辛うじて、卒業までこぎつけたときは涙しました」と話す。その面では粘り強い努力家のようだ。

 家内工業の会社経営は楽ではない。結婚し、妻子をも養う立場になれば、なおさら音楽活動に手を出せる状態ではなくなった。それでも40歳代になると、待望の音楽に目をむける余裕が出てきたのだ。

 「46歳のときです。わが家にドラムセットを買い込み、『浅草ドラム道場』に通いはじめました。8年ほどつづけました。ドラマーとしてはベーシック・クラスを修了し、アドヴァンス・レベルまで進みました」と語る。

 下田さんは地元の楽団の一員として、アマチュア・ドラマーとなったのだ。他方で、心のなかでは独りで演奏しても、観客をひきつけられる楽器はないものか、と模索していた。「草笛を試みましたが、鳴りませんでした。オカリナは魅力に欠けていました」と話す。その時点ではもはや50歳代だった。【つづく】

■関連情報
下田尚保さん FAX 03−3860−1717

記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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