ユビキタス時代を生き抜くコア技術・採用ニーズを徹底予測
エンタープライズvs組込み☆Java技術者の5年後を占う

Java が登場して丸十年。エンタープライズ分野はもちろん、最近では、次世代DVDの規格やデジタルデータ放送などの標準規格(MHP)に採用されるなど、組込み分野でのさらなる普及が予測されている。そんなJavaテクノロジーのエンジニアに与える価値とは何か、検証する。

JAVA技術者のニーズ再燃!

■エンタープライズ系はいまだ不足気味

ひところ、景気低迷に苦しんでいたIT業界。だが、昨年度は景況に連動しシステム投資が加速、市場は好転し、その勢いは今年も続きそうだ。また、市場の伸びに比例して、Java技術者のニーズが再燃している。皆さんの中には「周囲にJava技術者はゴロゴロいるし、今さらJavaといわれても……」と思う人もいるかもしれないが、実は想像以上にJava技術者が求められているという現状がある。

確かにJava技術者は年々増えている。とはいえ、それ以上にJavaを使ったシステム開発が増えており、企業の採用ニーズもますます高まって、人材の需給バランスがとれていないのだ。人材紹介会社リクルートエイブリックによると、「Javaエンジニアはまだ転職市場に登場することが少ないため、企業は欲しくても採用ができていない」という。

その背景にあるのが、企業情報システムのWeb化。もちろんこれまでも、インターネットに精通した一部の企業では行われていた。しかし、最近は金融業界をはじめとする企業統合や合併などの業界再編の動きに呼応して、より導入コストが低く、柔軟に保守・改修・バージョンアップのできることを大前提としたシステムが求められるようになった。その条件を満たすWeb系システムの開発言語のひとつが、Javaなのである。

■組み込みにおけるJAVA技術者のニーズ

一方、組込み分野でのJava技術者のニーズはどうか。組込みにはレイヤーがある。現在、組込み分野でのJava技術者のニーズは、GUI層やアプリケーション層がほとんど。例えばMIDP(Mobile Information Device Profile:携帯向けのJava仕様)を元にした、携帯向けのアプリケーション開発などはこの代表例だ。またデジタル家電向けのアプリケーション開発においても、Javaを採用する動きが起こっている。欧州で採用されているデジタル放送の標準規格MHP(Multimedia Home Platform)は、Javaを基本とした共通API。次世代のDVD規格の1つであるBlu-ray DiscにもJavaが採用されるという。

組込みJavaの市場は、富士経済の調査によると、2007年に向け年13〜18%の成長が予測されている。この成長を支えるのは、アプリケーションやミドルウェア開発の部分だが、それ以外の部分でも人材ニーズが発生する可能性がある。


組み込み業界におけるJAVAの最新動向

■プログラムステップの増大、開発量の急増で組み込み業界の危機

GUIとアプリケーション層までを含めた組込みが広義の組込みとすれば、ファームウェアやドライバーは狭義(本来)の組込みである。特にこの狭義の組込みが今、危機的状況に陥りつつある。携帯電話はその好例だが、従来の通信機能に加え、カメラやゲーム、スケジューラー機能など高機能化が図られている。そのため、そこに組込まれるファームウェアのプログラムステップ数は数百キロステップにも上っており、今後はエンタープライズ同様、数メガ規模にも膨れ上がると予想される。しかも組込むハードウェアは同じシリーズでも型番が違えば異なるCPUであることも多い。組込みではそのたびに、プログラム開発が必要となるため、開発量が指数関数的に急増しているのである。その上、この業界は周知のように“できる”人材が不足している。

この2つの危機的な状況をJavaで解決できないかと、富士通コンピュータテクノロジーズや沖ソフトウェア、PFU、テンプスタッフ・テクノロジーの4社により設立されたのが組込みJava実用コンソーシアムである。

同コンソーシアム代表で富士通コンピュータテクノロジーズ・取締役兼アーキテクト室長の鴈野敏生氏は、「現在の当社で主に使用している言語はCですが、再利用性に乏しいCではいつか破綻してしまう懸念を抱えています。そこで注目したのがJava。Javaのポータビリティ性により、生産性が上がる。これにより、今抱えている問題が解決できると期待しているんです」と語る。また同アーキテクト室の野々垣旦氏も「これからはいろいろな機器がネットワークでつながる時代。そのコンセプトをもつJavaは、組込みの世界で普及する必然性がある」と続ける。

「しかしJavaを組込みで使うためには解決しなければならない技術的な壁がある。私たちはそれらの解決に取り組んでいるんです」と鴈野氏。
鴈野氏の指摘するJavaが抱える技術的課題は3つある。第一が、ガベージコレクションによりリアルタイム性が損なわれること。第二に割り込み処理に対応していないこと。そして第三がハードウェアを直接、触れないこと。また技術的な課題だけではない。「リスクを考えると、メーカー側もなかなか新しい技術に乗り換えられない」(鴈野氏)というビジネス的な面においてもハードルがある。

■組み込み分野でのJAVAの本格普及は数年先!?

しかしこれらの課題は、徐々に解決されつつある。それを証明するように、同コンソーシアムが昨年11月に開催した「Embedded Technology 2005」のアンケートでも、「“Javaで組込みシステムの開発を行っている”と答えた企業の数は、前回と比べ増えている」(鴈野氏)という。組込み分野におけるJavaへの期待は高まっているものの、普及は数年後になりそうだ。

従って、組込み分野におけるJavaエンジニアのニーズもこれからという段階。同コンソーシアムのメンバーであるテンプスタッフ・テクノロジーの小板橋豊氏は、「狭義の組込みJavaの人材ニーズが本格的に発生するのはまだ先でしょうね」と言う。

またリクルートエイブリック・キャリアアドバイザーの中尾公則氏も、「現在の組込みで求められているのはCとC++の組込み経験のあるエンジニアだ」と言う。
しかしながら、野々垣氏の言葉にもあったとおり、今後、Javaが組込みの分野の開発言語として主流になる可能性は大きい。もし、Javaに取って代わる技術が出てきたとしても、オブジェクト指向言語であることは間違いなさそうだ。組込み技術者のJavaの習得は、先々を考えると手に入れておきたいスキルだ。

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