ダイエットエステ業界発展の一端は、ハコ物行政「沖縄海洋博」失敗から?
2007年04月07日08時55分 / 提供:PJ
昭和50年7月、通産省の主催で沖縄海洋博の幕が開いた。沖縄出身の歌手・仲宗根美樹さんの夫・白橋栄治氏は地元の政財界の人々の協力を得て、海洋博会場入り口にショッピングセンター「ビックマート」(230店舗)を開設した。ところが、時期がオイルショック直後だったということ、海洋博自体が不人気であったことなどから、白橋氏の事業は破綻した。
マスコミは「沖縄県民にあやまれ」などと白橋氏と妻の仲宗根美樹さんを猛攻撃。仲宗根美樹さんは、そのときのマスコミの猛攻撃の理由について、1)地元の放送局が建設したショッピングセンターも破産、2)日本の政界の巨頭が役員をしていた3000床からなるホテルも建設中にストップ、3)那覇市内のホテルも、大量の観光客を当て込んだものの、完全に当てがはずれたなどと説明。
白橋夫妻は「事業の失敗は、沖縄県民にあやまって済むものではない」と考えたことはもとより、負債を抱えた現実を見据え、食べていく手段として、美容学校の経営を思い立った。事業の失敗に打ちひしがれている夫妻に、ある著名な財界人が「いまが君たちにとってチャンスだよ。この体験を自分のものにしなさい」と言ってくれたことが、白橋夫妻が、美容学校経営に乗り出したきっかけだったという。
昭和50年12月、東京・神田に「東京エレガンスルーム」開業。開業の目的は、いままでの美容よりも、一歩進んだ美容法を考え、実践することであった。昭和52年12月、当初の目的に一歩ずつ前進する意味で、銀座の目抜き通りに「仲宗根美樹<審美容>サロン」を開設。店舗の命名は、白橋氏が、「仲宗根美樹の名前を看板にしよう」という一言だった。その看板がマスコミで話題となり、テレビや週刊誌で紹介され、より広範囲の人に知ってもらうことができた。
テレビなどの紹介が功を奏し「わたしたちにも看板を分けてください」と、視聴者や読者から要望する声が出はじめた。夫妻は視聴者らに看板を分ける方法として、都市の郊外で人気を呼んでいる外食産業を研究したり、スーパーマーケットの方式を参考にしたりした。だが、美容というのは、封建的な要素を残した徒弟制度の世界であることから、応用できる分野が見当たらなかった。そこで、独自のものと思い、思いついたのが、ボランティアチェーン方式であった。試行錯誤する中、ボランティア方式はどうもぴったりこない。そこで、さらに考えたのがフランチャイズ方式だった。
以上は、記者が今から30年前に、仲宗根美樹さんが経営する美容学校の入学式のときに、仲宗根さんから、直接聞き取った内容である。記者は歌手・仲宗根美樹さんがテレビに出演し、歌を歌うのではなく、「審美容」という何だか聞き慣れない言葉と、歌手が経営する「審美容サロン」に関する情報に引き込まれ、仲宗根美樹夫妻が経営する美容学校に入学した。入学して教わったことは、「審美容」とは、従来ある美顔術(顔の施術)に加え、女性の体をシェイブアップするための痩身法(ダイエット)や、痩身のための一助となる痩身器具が開発されたことであった。もちろん、審美容師(現在の呼称は、エステティシャン)として基礎知識、解剖学、人体生理解剖、皮膚の生理解剖、電気生理学、心理学、香料品学なども教わった。記者はその後約20年間、審美容のコンセプト(総合美を創造する美容、科学性を持った美容)を基本として、エステ業務に携わった経緯がある。
記者のエステ(審美容)へのかかわりはさておき、当時、仲宗根美樹さんが個人経営する美容サロンについて、多数のテレビ局が一丸となるかのように、仲宗根美樹さんの事業を支援していた。著書「今なぜ審美容なのか いい顔、いい肌、いい女」には、NHKが仲宗根美樹さんの事業を取り上げてくれたと記されている。このような宣伝行為は、現在のマスコミの報道体制・規制とは、まるで違うように思う。
沖縄海洋博は、典型的な箱物行政だという声も多い。国の箱物行政の失敗から、財界人の後押しもあり、白橋夫妻の負債の資金捻出のために新天地を切り開いたようだ。現在のダイエットエステ業界の発展のきっかけは、ハコ物行政の失敗からということだろうか。【了】
■関連情報
参考文献:「今なぜ審美容なのか いい顔、いい肌、いい女」著者:仲宗根美樹
(発行所:KKベストセラーズ、発行:昭和55年10月15日)
渡辺直子ジャーナルサイト
渡辺直子humanbeautyジャーナル
PJニュース.net
マスコミは「沖縄県民にあやまれ」などと白橋氏と妻の仲宗根美樹さんを猛攻撃。仲宗根美樹さんは、そのときのマスコミの猛攻撃の理由について、1)地元の放送局が建設したショッピングセンターも破産、2)日本の政界の巨頭が役員をしていた3000床からなるホテルも建設中にストップ、3)那覇市内のホテルも、大量の観光客を当て込んだものの、完全に当てがはずれたなどと説明。
白橋夫妻は「事業の失敗は、沖縄県民にあやまって済むものではない」と考えたことはもとより、負債を抱えた現実を見据え、食べていく手段として、美容学校の経営を思い立った。事業の失敗に打ちひしがれている夫妻に、ある著名な財界人が「いまが君たちにとってチャンスだよ。この体験を自分のものにしなさい」と言ってくれたことが、白橋夫妻が、美容学校経営に乗り出したきっかけだったという。
昭和50年12月、東京・神田に「東京エレガンスルーム」開業。開業の目的は、いままでの美容よりも、一歩進んだ美容法を考え、実践することであった。昭和52年12月、当初の目的に一歩ずつ前進する意味で、銀座の目抜き通りに「仲宗根美樹<審美容>サロン」を開設。店舗の命名は、白橋氏が、「仲宗根美樹の名前を看板にしよう」という一言だった。その看板がマスコミで話題となり、テレビや週刊誌で紹介され、より広範囲の人に知ってもらうことができた。
テレビなどの紹介が功を奏し「わたしたちにも看板を分けてください」と、視聴者や読者から要望する声が出はじめた。夫妻は視聴者らに看板を分ける方法として、都市の郊外で人気を呼んでいる外食産業を研究したり、スーパーマーケットの方式を参考にしたりした。だが、美容というのは、封建的な要素を残した徒弟制度の世界であることから、応用できる分野が見当たらなかった。そこで、独自のものと思い、思いついたのが、ボランティアチェーン方式であった。試行錯誤する中、ボランティア方式はどうもぴったりこない。そこで、さらに考えたのがフランチャイズ方式だった。
以上は、記者が今から30年前に、仲宗根美樹さんが経営する美容学校の入学式のときに、仲宗根さんから、直接聞き取った内容である。記者は歌手・仲宗根美樹さんがテレビに出演し、歌を歌うのではなく、「審美容」という何だか聞き慣れない言葉と、歌手が経営する「審美容サロン」に関する情報に引き込まれ、仲宗根美樹夫妻が経営する美容学校に入学した。入学して教わったことは、「審美容」とは、従来ある美顔術(顔の施術)に加え、女性の体をシェイブアップするための痩身法(ダイエット)や、痩身のための一助となる痩身器具が開発されたことであった。もちろん、審美容師(現在の呼称は、エステティシャン)として基礎知識、解剖学、人体生理解剖、皮膚の生理解剖、電気生理学、心理学、香料品学なども教わった。記者はその後約20年間、審美容のコンセプト(総合美を創造する美容、科学性を持った美容)を基本として、エステ業務に携わった経緯がある。
記者のエステ(審美容)へのかかわりはさておき、当時、仲宗根美樹さんが個人経営する美容サロンについて、多数のテレビ局が一丸となるかのように、仲宗根美樹さんの事業を支援していた。著書「今なぜ審美容なのか いい顔、いい肌、いい女」には、NHKが仲宗根美樹さんの事業を取り上げてくれたと記されている。このような宣伝行為は、現在のマスコミの報道体制・規制とは、まるで違うように思う。
沖縄海洋博は、典型的な箱物行政だという声も多い。国の箱物行政の失敗から、財界人の後押しもあり、白橋夫妻の負債の資金捻出のために新天地を切り開いたようだ。現在のダイエットエステ業界の発展のきっかけは、ハコ物行政の失敗からということだろうか。【了】
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参考文献:「今なぜ審美容なのか いい顔、いい肌、いい女」著者:仲宗根美樹
(発行所:KKベストセラーズ、発行:昭和55年10月15日)
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 新納 直子
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