オーストラリアで初めて開催されたゲームイベント「GAME ON AUSTRALIA」
 オーストラリアでもっとも美しい都市といわれる西オーストラリア州・パース。この町でオーストラリア初のゲームコンベンション「GO3(GAME ON AUSTRALIA) ELECTRONIC ENTERTAINMENT EXPO」が3月30日より3日間にわたって行われた。

 オーストラリアは今ちょっとした好景気だ。鉱物資源や農産物が豊かで、数多くのIT会社やコンピュータ会社がオーストラリアに集まりつつあるという。そこで、ゲーム会社の招致を促進するために、西オーストラリア州が本腰を入れてきたというわけだ。

 「オーストラリアのエンタテインメントの市場規模は年間約10億ドルに達しました。また、オンラインゲームの市場規模も年間数億ドルにも成長をしています。西オーストラリア州はゲームなどのエンタテインメント産業を支援し、州の代表する産業へと育てていきたいと思います。欧米、日本からの企業(ゲーム開発会社)の誘致も政府の援助をすすめることで、実現していきたいです」

 開場に先立ち、記者会見を開いた西オーストラリア州企業担当大臣のフランシス・ローガン氏は、西オーストラリアを新たなゲーム開発拠点にすることを宣言した。

 招待された日本のゲーム開発者は4名。キューエンタテインメントの水口哲也氏、グラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏、七音社の松浦雅也氏、そしてコナミデジタルエンタテインメント小島プロダクションの小島秀夫監督。いずれも日本のみならず、海外でも注目を集めているゲーム開発者である。
 ほかにも「Gears of War」でおなじみのEPIC GAMESのRod Fergusson氏、「ハンゲーム」で人気を集めるNHNのYoo Hee Dong氏、スウェーデンのゲーム開発会社Massive EntertainmentのNicklas “Cece” Cederstrom氏、北米のゲームパブリッシャーMidwayのHarvey Smith氏、グラフィックボードメーカーNvidiaの飯田慶太氏、テクニカルアーティストのLee Sandberg氏、マイクロソフトのNic Fillingham氏らが記者会見に出席した。

 ここでオーストラリアのゲーム市場の規模を解説しておこう。

 オーストラリアには、北米の大手新聞会社、テレビ会社、映画会社(タイムズ、20世紀フォックス、FOXテレビジョンなど)を傘下におさめたメディア王ルパート・マードック氏によるニューズ・コーポレーションが本拠をかまえている国だ。ゆえに豪州ビジネス界におけるエンタテインメントビジネスに対する興味は大きいといわれる。

 だが、残念なことにまだまだゲーム市場は大きいとはいえない。たしかに北米、日本、欧州(独、英、仏)に続く、第四の市場といわれており、可能性を期待されているが、実情はまだまだ新型ゲーム機の販売台数が10万台単位の市場にすぎない。昨今Nintendo DS、Wii、Xbox360、PS3が発売され、大きな話題になっているが、まだ市場の活性化はこれからだ。

 市場が小さい理由はふたつある。

 ひとつはゲームソフトの値段がほかの国に比べて格段に高いこと。こちらではコンソール機のゲームソフトの値段がだいたい100オーストラリアドル以上(約10000円以上)する。携帯ゲーム機ソフトの値段であっても、80オーストラリアドル(約8000円以上)。オーストラリアの平均的な物価はやや日本よりも高いとはいえ、これではどうしてもゲーム市場の拡大は難しいだろう。

 もうひとつの理由は、ゲームのレイティングが厳しいこと。オーストラリアとニュージーランドには、Office of Film and Literature Classification(OFLC)と呼ばれる、政府が設置している映像倫理審査機関があり、市場に出るソフトは厳しい審査を受けることになっている。オーストラリアでは「MA15+」と呼ばれる、連邦格付法により「15歳未満販売禁止」のレイティング基準があり、日本のCEROよりもはるかに厳しい制限を課している。『Grand Theft Auto』『POSTAL』などはMA15+、『Gears of War』はMA18+(18歳未満販売禁止)だ。

 これらの大きな理由により、残念ながらゲーム市場としては初期の段階にとどまっている。

 だが、開発現場の立地としては十分な評価を集めているという側面もある。北米の大手ゲーム開発・販売会社のEAやTHQは、オーストラリアのクイーンズランド州に開発オフィスを持っているし、オーストラリアの地元のディベロッパーも多い。MMORPGのサーバー/クライアントソフト「BIGWORLD」を開発したMicro Forte社など、指折りの技術力を持つ会社もある。

 GO3の狙いは、まずはゲーム開発会社の誘致。そして次に、ゲーム市場の発展だ。はたして、GO3のようなイベントが行われたことで、市場は大きな変化を迎えるのか。今後のオーストラリアの動きに注目だ。

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