イージス艦をめぐる「情報漏洩」が波紋を呼んでいる

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   海上自衛隊の2等海曹(33)が、日米相互防衛援助協定の「特別防衛秘密」にあたるイージス艦のデータを自宅に持ち帰っていたことが神奈川県警の調べで分かった。しかし、その理由は今のところはっきりせず、「同僚と交換したエロ画像データ中になぜか含まれていた」というものや、「中国人妻のスパイ説」などさまざまな報道が飛び飛び交っている。

エロ画像の交換で流出?

   第一護衛隊群の護衛艦「しらね」に配属されている2等海曹が自宅に持ち出したとされるのは、イージス艦の構造図面や、高性能レーダーについてなど800ページにも及ぶ日米相互防衛援助協定に関わる中枢情報。本来、2曹や同僚の下士官では接することができないものだ。それをなぜ2曹が入手できたのか。07年4月5日付け「読売新聞」には、

「2曹が同僚からわいせつ画像をコピーした際に流出していたことが4日、神奈川県警などの調べで分かった。新たに別の下士官1人に情報が渡っていたことも判明、関与者は計3人になった。それぞれのハードディスクやパソコンには、情報とともにわいせつ画像が記録されていたという。同県警などでは、画像のやり取りを繰り返す間に、情報が拡散したとみている」

と書かれている。つまり2曹の説明によれば、エロ画像を交換したが「なぜか」特秘情報がそこに紛れ込んでいた、というわけだ。

   一方、同日の「毎日新聞」はこうだ。

「2曹は任意の事情聴取に『情報は同僚からもらったが、秘密情報と思わなかった』と説明。2曹に名指しされた同僚はこうした情報を渡したことを否定しているという」

   同日の産経新聞は、

「(2曹に)名指しされた隊員に事情を聴くなど調べを進めているが、いずれも秘密情報に接触できる役職・階級になく、情報の流出源と断定できないため、別の隊員がかかわった疑いが強いとみて調べている」

と書くなど、なぜ特秘情報が流出したのかミステリーだ。

   そもそも、なぜ2曹の自宅にデータがあると分かったかというと、2曹の妻が中国籍で、入管難民法違反容疑(不法残留)で逮捕されたことがきっかけだった。2曹の自宅を県警が家宅捜索し、このデータを見つけたという。不思議なのは、不法残留で逮捕するにしても、夫のパソコンデータまで、こと細かに調べるものなのか。

事件の裏に組織的動きがある?

   そんなこともあって、「スパイ説」が浮上している。

   07年4月6日付けの「夕刊フジ」によると、2曹と中国人女性が結婚したのは06年10月で、中国人女性はその2ヵ月後の12月に自ら入国管理室に「オーバーステイだ」と出頭したのだという。同紙は「中国女スパイの罠」という見出しを1面に掲げ、2曹が中国の女スパイに操られ、自らイージス艦の情報を盗んだのだし、

「事件の裏には、日本の防衛秘密を狙って、若い男性自衛官に中国人女性を接近させる組織的動きがあるとみられている」

と書いている。そして、

「一昨年以降、東京・元麻布にある中国大使館の武官室が一新され、動きが活発になっている。この武官室関係者がひんぱんに中華街に出入りしていたことが確認されている。当然、神奈川県警もこれを把握しており、今回の事件との接点をさぐっているはずだ」

という専門家のコメントを掲載している。

   J-CASTニュースが海上自衛隊の広報に問い合わせてみたが、

「新聞報道されているのは神奈川県警から出されたもので、こちらからは何も話せない」

という。

   神奈川県警も、

「取り調べ内容についてマスコミには出していない。私達は『捜査をしています』と言うだけだ」

と事件についてコメントしなかった。