ゲーム用液晶ディスプレイを試す
 Shoot it! 第21回で液晶ディスプレイの話をした。現在の液晶ディスプレイ市場は大画面化とコストダウンに傾倒しているが、Eスポーツ選手にとってまだまだ満足できるレベルではない。開発に携わる方々はもっと基本スペックを向上させるため頑張ってほしい、という主旨だった。その記事をお読み頂いたアイ・オー・データ機器のディスプレイ担当、太田さんからご連絡を頂き、コアゲーマー向け液晶ディスプレイを貸して頂いた。

 お借りした液晶ディスプレイはふたつ。22型ワイド液晶ディスプレイを搭載したLCD-AD221XWと、24.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載したLCD-TV241XBR-2だ。LCD-AD221XWはPC用ディスプレイモニタで、アナログ入力端子(D-Sub15)とデジタル入力端子(DVI-D)を装備している。AV入力などゲーム機やDVDプレーヤーの接続はできないが、これは別売のTVチューナーBOXを加えることで対応できる。ほかに3W+3Wのスピーカーを搭載。応答速度は5msとかなり速く、国産メーカー製としては最速の部類に入る。一方、LCD-TV241XBR-2は多目的モデルで、アナログTVチューナーを搭載。D4入力端子やAV入力用のRCA端子、S端子のほか、デジタル放送向けHDCP対応DVI-D端子もある。スピーカーは2.5W+2.5W。カタログではXbox 360やWiiにも対応しているとあり、PC以外の映像ソースを楽しむならこちらが良さそうだ。応答速度は中間色で6ms、黒−白−黒で16msとなっている。中間色が速い理由はオーバードライブ回路を搭載しているからである。

 ちなみに私の普段のゲーム環境は19インチCRTモニタだ。仕事用には同サイズの液晶モニタを使っているけれど、応答速度は25msでゲームには厳しい。3D射撃ゲームで動きの激しい場面になると建物の上下がズレて見えることがある。小さな的に照準が定めにくい。だから仕事用にと割り切って使っている。そこで、今回はCRTの性能にどこまで近づいているか、25msの液晶ディスプレイよりどのくらい改善されたか、このふたつの点を確認したい。

 遊び慣れたゲームのほうが比較しやすいので、今回はBattleField2142とQuake4、Counter-Strike、Counter-Strike Source、Half-Life Sourceで遊んでみた。どれも対戦射撃アクションゲームである。照準に敵の姿を捉えて撃つという、ミリ単位の誤差が反映される。また、画面全体が激しく動くため、残像の多い画像になると酷く目が疲れることになる。

 始めにPC用、応答速度5msのLCD-AD221XWを接続した。驚いた。CRTディスプレイの描画とほとんど区別が付かない。少なくとも私の技量ではストレスを感じることなくプレイできる。BattleField2142とQuake4は元々4:3の画面サイズだ。このモニタは4:3の表示モードも設定できるので、ゲーム画面を正しく再現するなら4:3の縦横比をキープできる。しかし、ワイドスクリーンに拡大表示しても面白く、広々感も良かった。Counter-Strike、Counter-Strike Source、Half-Life Sourceはゲームのオプションとして16:9の解像度をサポートしている。どちらでもプレイしたけれど、もちろんまったく問題ない。残像もなく、目が疲れることはなかった。

 次に多目的タイプで応答速度中間色6msのLCD-TV241XBR-2。画面がひとまわり大きくなったので迫力が増す。こちらも4:3、16:9の両方で各ゲームをプレイ。テストのつもりが本気で遊んでしまう。そしてこちらも残像、プレなどまったくなし。むしろCRTよりもよく当たる。普段の環境より大画面ということもあり、私にとってはCRTよりも遊びやすかった。目も疲れない。遊ぶほどワイド液晶ディスプレイが欲しくなってきた。

 液晶ディスプレイはここまで良くなったのか。これが正直な感想だ。しかしこれは私の技量が人並みだから及第点を出せたとも言える。Eスポーツプレーヤーの達人たちは、これでもまだ満足できないのだろう。彼らの視力は恐ろしい。はたして液晶はEスポーツプレイヤーの要求に応えられるようになるのだろうか。今後、応答速度はどこまで速くなるのだろう。実際に開発に携わる太田氏に聞いてみた。すると、意外な答えが返ってきた。