今週のお役立ち情報
『地球丸ごと高齢者社会』を語る=樋口恵子さん(下)
2007年04月05日10時11分 / 提供:PJ
【PJ 2007年04月05日】−
(中)からのつづき。樋口恵子さんは「歳をとることは良いことです。21世紀に入り人生100年を生きる最初の世代となります」と話す。そして、一つの標語を掲げる。『人生100年。すべての人に居場所と出番を与える』。100歳という最期まで、世に役立ち、他方で尊厳が保障され、いのちが輝きつづけられる、というものだ。
「高齢化社会の第二幕は2025年からです。人口構造からして、高齢化の最後の急な上り坂になります。2050年には65歳以上の人口の構成比が40パーセント。超高齢化の時代になります」と話す。それは75歳以上の後期高齢者の女性の、一人暮らし比率が最大になることを意味する。豊かな安定がおおきな命題になる。その仕組みをいかに構築していくか。「それには高齢者自身が地域社会に溶け込み、積極的に役割を担っていくことが大切です」と話す。
PPK「ピンピンと健やかにおいて、コロリと死ぬ」ということばがある。それに対抗して、樋口さんは『コマの前倒れ社会』をいう。「人それぞれ自分の舞を舞いながら、ゆっくり人生をとじればよい。100歳まで元気に生きる。老いても社会を支えている、そういう時間を長くしていくことです」と語る。
受け取る年金が月額にして十数万円だけでは食べていけない。高齢者が月々5〜10万円がプラスできるような、社会の役割を持つことのようだ。樋口さんが具体的に語ってくれた。一例として保育園は夕方5時になれば、それ以上は園児を預かれない。働く女性はそれに合わせてわが子を引き取りにいく。当然ながら、働くこと自体が制約を受ける。
そこで高齢者たちが、保育園から園児を自宅に2時間ほど引き取り、面倒を看る。母親は安心して働ける。シニアにも子育ての楽しみが生まれ、世代交流にもつながる。それ自体が社会貢献になるというのだ。樋口さんはさらに実例を紹介しながら、方向性を示してくれた。元看護士や医者が古い屋敷を借りてデーサービスをおこなう。シニアたちが廃校した中学校で、『陽だまりの家』を開き、子育支援をすれば、若い世代との交流になる。
和服、小物を仕立て直す「老人クラブ」を立ち上げる。手仕事、針仕事が世の箪笥のなかで眠っていた着衣の再資源化に結びついていく。共同で作業すれば、一人ぼっち、孤独感が解消される。気持ちが明るくなる。後期高齢者がこうした社会活動の機会を持っていけば、明るく生きられる、幸せづくりに結びつく、と樋口さんは語る。それには地方自治体やNPO活動の支援も大切だ、とつけ加えた。
樋口さんはいまや海外にも目を向けている。韓国、シンガポール、香港、台湾など、アジア諸国が高齢化社会になってきた。一人っ子政策を取った中国も高齢者社会に突入した。マレーシア、タイ、インドも高齢化は時間の問題だ。これら諸外国にとっては、日本の老人の労働力率は世界一、という側面につよい関心を持つ。「日本では、元気な老人が何をしているのか」と聞いてくる。
わが国は長寿世界一、健康寿命が世界一、老人の労働力率が世界一。この三大看板で、世界に売り出せば、世界各国から見学者がやってくるはず。「スウェーデンでは、老人施設の見学をすれば料金が取られます。1ケ所が3万円。2ヶ所を見たら、6万円の請求書がきました。日本もそれを見習い、施設見学を観光化すればよいのです。老人観光資源化です」と樋口さんは独創的な提唱をする。
『地球丸ごと高齢化社会』が急激に進んでいる。各国とも、高齢者が豊かに安定した暮らしができるように、介護保険制度の導入に取り組みはじめた。それはかつて歴史上にはなかったものだ。21世紀の介護保険制度は、エジソンやワットの発明に匹敵するような、新たな創造になるという樋口さんのことばが印象的だった。【了】
■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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「高齢化社会の第二幕は2025年からです。人口構造からして、高齢化の最後の急な上り坂になります。2050年には65歳以上の人口の構成比が40パーセント。超高齢化の時代になります」と話す。それは75歳以上の後期高齢者の女性の、一人暮らし比率が最大になることを意味する。豊かな安定がおおきな命題になる。その仕組みをいかに構築していくか。「それには高齢者自身が地域社会に溶け込み、積極的に役割を担っていくことが大切です」と話す。
PPK「ピンピンと健やかにおいて、コロリと死ぬ」ということばがある。それに対抗して、樋口さんは『コマの前倒れ社会』をいう。「人それぞれ自分の舞を舞いながら、ゆっくり人生をとじればよい。100歳まで元気に生きる。老いても社会を支えている、そういう時間を長くしていくことです」と語る。
受け取る年金が月額にして十数万円だけでは食べていけない。高齢者が月々5〜10万円がプラスできるような、社会の役割を持つことのようだ。樋口さんが具体的に語ってくれた。一例として保育園は夕方5時になれば、それ以上は園児を預かれない。働く女性はそれに合わせてわが子を引き取りにいく。当然ながら、働くこと自体が制約を受ける。
そこで高齢者たちが、保育園から園児を自宅に2時間ほど引き取り、面倒を看る。母親は安心して働ける。シニアにも子育ての楽しみが生まれ、世代交流にもつながる。それ自体が社会貢献になるというのだ。樋口さんはさらに実例を紹介しながら、方向性を示してくれた。元看護士や医者が古い屋敷を借りてデーサービスをおこなう。シニアたちが廃校した中学校で、『陽だまりの家』を開き、子育支援をすれば、若い世代との交流になる。
和服、小物を仕立て直す「老人クラブ」を立ち上げる。手仕事、針仕事が世の箪笥のなかで眠っていた着衣の再資源化に結びついていく。共同で作業すれば、一人ぼっち、孤独感が解消される。気持ちが明るくなる。後期高齢者がこうした社会活動の機会を持っていけば、明るく生きられる、幸せづくりに結びつく、と樋口さんは語る。それには地方自治体やNPO活動の支援も大切だ、とつけ加えた。
樋口さんはいまや海外にも目を向けている。韓国、シンガポール、香港、台湾など、アジア諸国が高齢化社会になってきた。一人っ子政策を取った中国も高齢者社会に突入した。マレーシア、タイ、インドも高齢化は時間の問題だ。これら諸外国にとっては、日本の老人の労働力率は世界一、という側面につよい関心を持つ。「日本では、元気な老人が何をしているのか」と聞いてくる。
わが国は長寿世界一、健康寿命が世界一、老人の労働力率が世界一。この三大看板で、世界に売り出せば、世界各国から見学者がやってくるはず。「スウェーデンでは、老人施設の見学をすれば料金が取られます。1ケ所が3万円。2ヶ所を見たら、6万円の請求書がきました。日本もそれを見習い、施設見学を観光化すればよいのです。老人観光資源化です」と樋口さんは独創的な提唱をする。
『地球丸ごと高齢化社会』が急激に進んでいる。各国とも、高齢者が豊かに安定した暮らしができるように、介護保険制度の導入に取り組みはじめた。それはかつて歴史上にはなかったものだ。21世紀の介護保険制度は、エジソンやワットの発明に匹敵するような、新たな創造になるという樋口さんのことばが印象的だった。【了】
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