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【書評】「また『あるある大事典』にダマされた」、鷺一雄著

【PJ 2007年04月03日】− 先日「発掘あるある大辞典」のねつ造報道の件で関西テレビに対し、総務省より警告処分を受け、千草宗一郎社長は辞任に追い込まれるもようだ。関西テレビは事件発覚当初、問題の放送を作った孫受け制作会社「アジト」に責任を押しつけて、幕引きを計ろうとしたとも言われている。

 それはさておき著者の鷺一雄氏は昔からテレビの科学番組を見るのが好きだとのことで、ついには理系の大学を大学院まで進み、現在は化学メーカーの研究員をしているという。著者は「あるある」に対して中にはおもしろくて有益な情報があるとしながらも、科学的な根拠を持って論破している。しかも初版が出たのは06年5月であった。

命に関わるダイエットまで
 04年5月に放映された「にがりダイエット」が紹介されたが、これはダイエットに下剤を使っていることになり死者まで出ているという。また同年7月に放送された「豆乳ダイエット」は1年後ライバル番組のNHKの「ためしてガッテン」で否定されるデータが出たという。この件に限らず「あるある」の実験は「ガッテン」と比べると実験期間が短く、サンプルの人数も少ないので評価は疑わしいという。

 ところが02年9月には特集で「低インシュリンダイエット」を完全否定する特集が放映され、ダイエットの基本であるカロリー制限と運動という正論を主張していたが、このダイエット法を主張したライバル番組「特命サーチ200X」つぶしだったのではと著者は見ている。

根拠のない言葉が氾濫 
 最近よく耳にするマイナスイオンという言葉だが、02年1月にも取り上げられるが、そもそもマイナスイオンという言葉自体が存在せず、まともに説明した論文すらないという。また、05年9月に紹介され、エステなどでよく使う古い脂肪が固まって変形した「セルライト」なる言葉も医学的に存在せず、 女性に恐怖をあおり商品を売りつけるためのフレーズと一蹴している。

健康法やサプリでも・・・
 04年10月に放映された「二重アゴ」で、そういった人は口臭や風邪といった弊害が出ると警告していたが、調査では100人中なんと93人が二重アゴだったとされていた。しかし著者は、学術研究の世界だったら100人中93人も二重アゴという調査結果そのものを疑う必要があると一蹴し、この特集後に週刊誌が参加者からやらせがあったとの証言が掲載されていたことを指摘していた。

 05年8月の「毒抜き(デトックス)」などに至っては、体内の有害金属(海産物に含まれる重金属)を抜くプログラムと称し、被験者に禁酒禁煙のほかに規則正しい生活や運動をさせて、「体調がよくなったという」感想を得るが、これだけ健康的な生活をすれば体調がよくなるのは当たり前の話で、これも有害金属よりたばこのほうが有害と一蹴している 。

 05年5月放映の「カビの恐怖」では、カビの増殖スピードを培養したデーターがそのまま引用され恐怖をあおる番組構成にしていたという。培養皿以外ではカビはそんなに増殖しない。しかも最初のCMにカビ取り剤のCMが流れていたのだから、あまりにも露骨と著者は述べている。

 この本の著者は科学的な目で「メデイアリテラシー」をしていたということになるのだが、科学的な目で教養番組を疑うことの大事さを唱えた一冊といえよう。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 義哉【 兵庫県 】
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