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「ラグビーは、人に優しいスポーツだ。」=都立豊多摩高校ラグビー部60周年によせて。

「ラグビーは、人に優しいスポーツだ。」=都立豊多摩高校ラグビー部60周年によせて。
"Kick Off-Cham.Watanabe" (撮影:池野 徹) 写真一覧(5件)
【PJ 2007年03月30日】− 東京都立豊多摩高等学校ラグビー部創部60周年記念式典、祝賀会が東京吉祥寺東急インで3月25日あった。150名を越える盛会であった。昔は東京府立13中学校で、現在都立豊多摩高校は、1952年第4回高校ラグビー全国大会で都立高校として東京都代表になり、花園ラグビー場で準々決勝までいった金看板を一枚持っている学校だ。10代の現役から、80代の先輩まで集まった会だった。OB会会長渡辺一郎(71)さんと、旧交を温めて「ラグビー界は昔も今も変わらないね」と切り出し話を聞いたが、ラグビーに対して良いアンサーをしてくれた。

 「ラグビーフットボールは、フィールド競技の中では、格闘技に近いスポーツ、痛そうなスポーツ、泥んこスポーツ、ワイルドなスポーツ、身体がデカイスポーツ、ワルそうなスポーツと、Good Imageが湧いてこないスポーツの代表みたいに思われている。そんなイメージが最初からあり、ラグビーをヤルのはチョットねという囁きが昔からある。それがラグビーというスポーツをサッカー、野球とかに比べて、普通になじめない、一歩引いたスポーツにしているのではないだろうか、だからもっと普通の人にも出来るスポーツということを、啓蒙しないと」と言っていた。

 豊多摩高校でラグビーを始めた私は、足も遅いし、身体も貧弱、何時もコンプレックスがあったが、背がちょっとある理由で恐い先輩に強引に入部させられたからである。しかし、きつい、泥んこの練習、10メートルダッシュでの初トライ。関東大会、憲法大会、全国大会東京都準決勝で秩父宮ラグビー場で試合をやった事。勝つ事でボディコンタクトが快感に変わり、試合後のお風呂屋さんの感触、ワルくも良くも、仲間と先輩。大学並みの私立高校相手に都立では、大泉高校と豊多摩高校は双璧だった。

 しかし、成績より、現在の自分は、この時培った身体と精神力が、我が人生イロイロの街道を支えて来てくれた事を実感する。これは、ラグビーという競技をやった事でないと解らない。ラグビーは見るより、やるものであるのは間違いない。ラグビーというヤツは人間同士のボディコンタクトをするスポーツだ。皮肉な事に、前へ進むのに後ろに楕円球を投げながら、一歩でも前へ進むと言う、チョット変なスポーツだ。そして、円い球でなく、楕円球だ。落とすと予測した通りに動かないヒネタ球なのだ。それと付き合いながらプレイするスポーツだ。人生と人間訓練を体験してるようなものだ。だから、読みと感がモノをいうのである。力だけ、技だけでないものまで身に付く、身体と精神を支えてくれる、そこには生き方を示唆する優しさがあるスポーツなのである。

 両雄だった大泉高校の先輩、日本ラグビーフットボール協会名誉会長で、元全日本の監督、日比野弘(73)さんが来賓で見えていたのでお聞きした。「日本のラグビーは、世界へ強くならないのですかね」と痛い質問をした。正月に行われた第86回全国高校ラグビー大会は、東京は16年連続出場の国学院大学久我山高校等51チームが出場したが、大阪府代表、東海大学付属仰星高校が優勝した。全国で参加チームは、ピークで1991年、1461チーム、そして2000年、828チームまで減り、2004年907チームと、部員の足りない学校同士の合同チームの影響で、少し盛り返して現在に来てるが、少子化のための学校廃止とか、ラグビー部解散とか高校生ラグビーにとっては、厳しい状況である。

 日本のラグビー界は、長年ラグビーの真髄はアマチュアにあると頑張って来たが、世界のラグビーも1987年のワールドカップ以来プロ化に転じ、日本も鎖国を解いて2001年プロオープン化になった。1003-4年にトップリーグ発足、プレーオフにマイクロソフトカップ、そして、日本選手権大会となっている。しかし、プロと言っても、所属チームのプロ契約者と会社員との二本立てである。プロのリーグとしての独立が将来の問題である。それと、もっと、「ラグビーをうまいPRをしても良いのでは」と聞くと、メディアとの関係、一般の愛好者への理解と長年努力をされているし、続けて行っているとのことであった。

 プロスポーツとしては、野球があるが、野球も曲がり角にあるし、サッカーが華々しいスターとして、プロリーグとして、日本人の熱い声援に応えているが、世界への道はまだまだである。ラグビーはプロシステムがこれからだし、世界へのパワーは一段と先にあるスポーツだ。ラグビーに興味を抱く、プレイしたい、とモチベートさせるために、ラグビーの良さを一般の人々に理解させるためには、もっとやる事が沢山ありそうである。

 世界への階段は、直接的にはパワー、肉体力が必要だが、日本にも、かつて、松尾雄治(53)さん、平尾誠二(44)さんたちが見せてくれた、身体よりキレとカンのある日本人ラガーの良さを示してくれたし、79のキャップを持つ元木由紀雄(35)さん、大畑大介(31)さん、箕内拓郎(31)さん等の本場、英仏豪での経験を生かしたラガーマン。ポテンシャルのある、早稲田大学の五郎丸歩(21)さん、このような、日本独特のスター選手を輩出する事も、ラグビー界をリードする上にと、一般の人々にポピュラーな眼でラグビーを親しんでもらう事は、大事な要素だと思う。

 会場に詰め襟のガクランを着ていた現役1年生の濱本卓(16)君、牧屋亮平(16)君、村木謙介(16)君たちに、「何故、サーカーでなくラグビー部に入ったのか」と聞くと、「親、兄弟、知人にラグビーやっていた人がいたので」とか、「身体で当たれるスポーツがしたいから」と答えてくれた。また、マネージャーをやっている女性部員、本橋佳那(18)さん、坂巻明日香(17)さんに「ラグビーは好き?」と聞くと、サッカーよりマイナーだけど、そのマイナースピリットが好きだ、と答えてくれた。この若きラグビー部員たちの言葉を聞いた時、想像に反して、きっぱりとした、眼で話してくれた事が、無性に嬉しかったのである。ラグビーの良さを理解していたからである。豊多摩高校60年も伝承されて行く予感がした。縁の下の力持ち、副会長の太田義男(69)さんも満足だろう。印象的なラガーマンパーティだった。

“No Side !”

【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 池野 徹【 千葉県 】
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「ラグビーは、人に優しいスポーツだ。」=都立豊多摩高校ラグビー部60周年によせて。
"London Friends-Matsuzaki & Cham.Hibino" (撮影:池野 徹)
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