コンプライアンス重視や残業代支給もいいけれど、がむしゃらだったあの頃が懐かしいーー。今もなおライブドアに勤務する現役社員が語る、ライブドア今昔物語!!

 堀江貴文元社長ら旧経営陣が逮捕され、平松庚三氏が代表に就任して約1年、株式の上場廃止や子会社の売却が続き、もはや解体は不可避ともささやかれるライブドア。世間の風当たりも厳しい中、なおも同社で働く3000人弱の社員は今、何を思うのか?

男性社員A(以下、A) ライブドア(以下、LD)って、世間の目には「終わったも同然の過去の会社」と映るようですけど、今でもちゃんと給料をもらってる身としては、複雑な気持ちです。
男性社員B(以下、B) ポータルサイトの広告営業チームも、事件から昨年6月ぐらいまでの間にほぼ全員辞めたしね。でも、その後みんな結構いい会社に転職してるんだよね。
A もともと優秀な人が多かったですから。もっとも事件後は、ネットビジネスへの適性という意味では、新入社員のレベルが格段に下がってますけど。「前職フリーター」とか……。
女性社員C(以下、C) LDでは、新入社員にアンケートをとって社内報に載せているんですけど、ある社員は、入社後の目標に「タッチタイピングをできるようになりたい」って(笑)。
B それにしても、昨年12月の株主総会で、会社解体が事実上決定したのを受けて、各事業を支えてきた優秀な社員が、今年に入ってからポロポロと抜けちゃったのはショックだったね。
C でも、辞めた人からは、「LDは楽しかったし、いい会社だった」って話をよく聞くし、恨みつらみを言う元社員は少ないですよ。他社が、退職金とか将来のことばかりを考えてるのに対して、LDの旧経営陣は、住宅や託児所の手当など、「いま幸せになるにはどうしたらいいか」ということを考えてくれていましたしね。
B 毎日の密度の濃さや高揚感も、他社とは比較にならなかった。まあ、退職金代わりに持株会でこつこつ貯めていた自社株もパアになっちゃったし、
ストックオプションをアテにしてたヤツは、そうも言ってられないだろうけど。かくいう俺も1万数千株、100
0万円ぐらい食らったし(苦笑)。
A でも、事件後良くなったこともありますよ。たとえば、以前は高嶺の花だった受付嬢や社長秘書が、一気に我々の手の届くレベルに降りてきた(笑)。昔はなかったけど、最近では気軽にみんなで食事に行ったりしてます。
B "LDブランド"の価値がなくなって、単なる粉飾企業の受付嬢になっちゃったからね。それに、以前は仕事をこなすのに精いっぱいで、そもそも恋愛する余裕なんてなかったし。
A その点堀江さんは、あの激務の中でもモテてましたよね。世間的には「金だけ持ってるデブ」っていう見方なんでしょうけど、経営能力はあるし、人間的にも裏表のないいい男でしたよ。
C うん。私も、あの四面楚歌の状況中で堀江さんが無罪を主張したときは、「やっぱ堀江さんは堀江さんのままだ!!」ってうれしかった(笑)。LD全盛時代の、ホリエモンを好きだった時の気持ちを思い出しましたね。(つづく


柳 一人|文