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姉歯元建築士と藤田東吾氏の証人尋問を避ける?検察側=耐震強度偽装公判

【PJ 2007年03月28日】− 耐震強度偽装事件で、強度不足のマンション「グランドステージ藤沢」を販売したとして、詐欺罪で起訴されたヒューザー元社長・小嶋進被告の第10回公判が27日、東京地裁で開かれた。今回は検察側証人として、被害者に融資をした金融会社関係者3人の証言があった。その後、裁判長が検察側に「これで検察側の立証は済んだことになりますね」と、確認する場面があり、検察側がそれを認めた。この詐欺事件を誘発した関係者の証言なしに、検察側の立証が、ひとまず終えるという奇妙な展開となった。

 この日、検察側の尋問に証言した3人は、被害者に融資した銀行の住宅ローン融資担当者であった。検察側の尋問は、もしローン契約者から「(物件に瑕疵があるらしいので)ヒューザーへの代金振り込みを中止して欲しい」という申し入れがあったとしたら、振り込みを停止できるか、という仮定の事情を設定しての尋問であった。姉歯元建築士の偽装が関係者に知られたのが、平成17年10月27日。「グランドステージ藤沢」の引き渡しが翌日28日の午前中に行われている。もし27日夜か、28日の朝の時点で、ヒューザー側が物件の瑕疵のことを知らせていれば、代金支払いを止められたのではないか、という意味であろう。

 弁護側は、これまでに10月27日の時点では、小嶋元社長が「グランドステージ藤沢」に具体的にどのような問題が存在しているかは、把握することはできなかった、と主張してきた。それを前提に反対尋問。ローン契約は事前に手続きがあって、たとえ購入者やヒューザーから払い込みを止める電話要請があったとしても、本人確認のための手順などを考えると、振り込みを止めるのは難しい筈、という主旨の反対尋問をした。

 これらの尋問は、仮定の事情を前提としている。3人の融資担当者は、いずれも「振り込み停止は出来た」と証言していた。しかし、これは銀行の立場で“論理的にはそうするであろう”ということを、述べたに過ぎなかった。現実には、振り込みを止める依頼はなかったし、それを停止した事実もなかった。するべきであろうという論理が、常に現実に行われていたら、多くの問題や事件は起きないで済んだかも知れないのだ。空疎な尋問に受け取れた部分が多かった。それだけでなく、小嶋元社長が姉歯元建築士関係物件について、他の物件については、販売中止をしておきながら、なぜ「グランドステージ藤沢」の物件の引き渡しをしたのか? 被害者だけでなく、誰でも感じるであろう、素朴な疑問の答えも得られないでいる。

 これまで検察側が、耐震強度偽装の実行犯である元1級建築士・姉歯秀次被告(49)や確認検査機関イーホームズの藤田東吾社長(45)を証人請求しながら、法廷尋問を留保していたため、弁護側から尋問出廷を催促されていたが、ここへきて尋問を行わないことがわかった。前回の公判で弁護側は「小嶋元社長が詐欺罪で起訴される発端となった人物を証人尋問しないのは不自然」という主旨の主張をしていた。今後、弁護側がどのような対応をするのかが、注目される。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 伊藤 昭一【 東京都 】
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