高性能技術への飽くなきこだわり ソニー『ベータ』の魅力

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かつて「ベータVHS戦争」といわれた時代があった。結果として、VHSが市場を席巻したものの、ベータの高い技術を愛したエンジニアたちも多くいた。今回はその熱い思いの中身に迫ってみたい。

ソニーベータとは?

1975年5月にソニーが発売した世界初の家庭用ビデオ機器。最初のモデルはSL-6300。半年後に発表されたVHS方式と業界を二分して規格を争った。VHSと比較して、・カセットが小さい・テープとヘッドの相対速度が大きい(画質面で有利)・常にテープがローディングされており、初期の機械でも動作が俊敏、といった特徴をもつ。2002年まで生産が続けられた。

ベータ開発者が語るベータ開発の裏舞台

■ベータプロジェクトの立ち上げから発売まで
ソニーはプロジェクトを起こす度に必要な人材の社内募集をしてきました。ベータも同様で、プロ用ビデオ、テレビ、オーディオ、カメラの各エキスパート、それから私たち外部の者が採用され、当初30人程度でチームをスタートさせました。最初のベータを出すころには50数人になっていましたね。
ベータのチームは、開発の段階から製造に参画していて、私共は生産技術で組立、調整を担当していました。チームは開発・設計・製造がすべて一緒になっていて、通常は2、3年かかるところを1年近くで完成させるために、開発をしながら生産方法の検討を同時に進めていました。
VHSはベータに比べて録画時間が長かったんですが、録画時間の長さについては、開発当初から問題にはなっていたんです。ベータもある程度は録画時間を延ばすことは可能でしたが、それよりもまず画質を優先しました。画質優先で、機能がよければお客さまが買ってくれるという信念があって、録画時間が1時間か2時間かというのは、設計している技術者はあまり重要視していなくて、それよりもとにかく画質優先だったんです。


■開発で苦労をした点
今まで世の中にないものを作り出すということで、仕組みづくりがまず大変でした。
その中で技術的に最も苦労をしたのはローディング機構とテープパス調整。記録した信号をよりよく読み取るために、ドラムに巻きつけるテープの走行をガイド調整する必要がありました。まず、マスターテープで巻きつけの角度とか高さの調整を行い、次に別のカセットを入れて、記録して再生してみる。それを何度か繰り返し、その調整に、細心の注意と技術を注ぎました。
マスターテープを基準にして他のカセットテープで記録再生が確実にできることが絶対条件。従って、どんなカセットテープであっても最高のレベルで再生できるようにするために、ドラムにどうテープを巻きつけるのかが機構的にも調整においても、とにかく難しかったですね。
それから、画質をどう良くするかもさまざまな工夫が検討されてました。後日、その専用機は調整の容易化が評価され、テレビの基板調整にも使われ、社長賞をもらうことができましたね(笑)。


■ベータの魅力
最初の開発理念で、家庭用のビデオをコンパクトなカセットにして、手軽に記録、再生ができるというのがよかったのだと思います。技術的には量産できる極限までやり遂げるのが、技術者の最高の喜びと思ってやっていましたし、今でもベータをつくったことを誇りに思ってます。そして、今日の家庭用ビデオ機器の普及に貢献したという自負があります。私共が生み出したベータが多くの人々に愛されてきたのは素直にうれしいし、いいものですから長く使っていただきたいですね。

サイトでは<ソニー『ベータ』の魅力はエンジニアの生き方にどのように影響したか?>をテーマに座談会の模様を掲載中
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