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「タミフル」に見える構造。でも、それは特別ではない!

2007年03月22日11時44分 / 提供:PJ

pj
「タミフル」で注目されつつある、厚生労働省の薬事行政。それを「薬害」とまだ呼んではならないのだろうか? 製薬会社と医者・学者、官僚、そして政治とカネが絡んだいつもの構造がそこには見え隠れしてくる。

 いままで、薬害トラブルが何度あったことか。訴訟事件もあった。結果として何も改善されてないし、被害者の救済など、年月が経ち、被害者も高齢化したり死亡したり減少してくると、どんどんと後回しになっているのが現実だ。それは、公害病の認定や原爆症の認定もそうであるし、認定でいえば、生活保護の認定でも行政のその受け付け方法に大きな問題も発生している。簡単な言葉で言ってしまえば、「おかしい」ことが多すぎるのである。結局は、長いものには巻かれることになってしまうのだ。

 世の中の構造が、利益中心になれば、なるほど、そこにある「既得権」を維持・守ろうとする動きが強くなる。自由競争ではなく、談合的にその権利を保護・獲得したり、許認可や入札をうまく廻して、共存共栄できるような構造をそこにつくってしまうのだ。その構造には、既存の多くのマスコミも既にその一環に取り込まれているために、表面的な追及のみで、その構造から改めるような大胆な動きはできないであろう。薬害で言えば、製薬会社は、テレビ・新聞に於いては、大スポンサーでもあるのだ。

 今回のタミフルの例では、厚生労働省の研究班の主任研究者、横浜市立大学の横田俊平教授の講座へ、タミフル販売元の中外製薬から奨学寄付金として2001年度から2006年度までに計約1000万円が支払われていたという報道もあった。それで、調査結果が歪められた訳ではないだろうが、基本的には「李下の冠、瓜田の履」の喩えもあるように、避けるべきことであろう。寄付金等の問題は新薬開発等で以前より存在していたのだが、国立大学の独立行政法人化などにより、その問題がより深く根付いてしまっているのではないだろうか。「カネ」がないと研究もできないという構図ができてしまったのだろう。

 構造的な問題を解決するには、地道な努力が必要である。しかし、それができないから現実は常に同じようなことを繰り返すのだ。本当に大切なことは、逆に今では異端のようになってしまう。以前は「医は仁術」であった。いまやそれは、「医は算術」の時代になっている。「利益」が出なければ、病院の経営もできないのである。一般の企業と同様に、収益性・安全性・生産性が重要になる。入院料収益、入院診療収益、外来診療収益等の医業収益から、給与費、材料費、経費等の医業費用を控除して医業利益がでる。

 これらは社会保険診療報酬に規定されるものだ。厚生労働省、そして政治と完全にリンクして来る。これらの計算は従来は非常に大変な作業であったが、IT化により非常に処理が早くなった。とともに、シミュレーションもでき、利益の確保のためには、何をどうしなくてはならないかも、予想がつくようになったのである。つまりは、掛ける人数(患者)の確保の経営指針を出すことできるのだ。

 患者は、治療を選択できない。やっと、終末医療での意志尊重が出てきたばかりだ。医者の言うように治療を受け、投薬され、入院し手術されるのである。その信頼が、動揺するような問題の発生が「タミフル」の問題である。投薬されたら、拒否することなどできないであろう。病気を治したいのだから。この問題が持っているものは、非常に根深く重要な問題である。医療や保険、福祉の面でも厚生労働行政の行政・業者・学者・患者(もの・かね・ひと)の全てがその立場に於いて「医は仁術」であるべき根本的な解決を行わなければならない時に来ていると、私は考える。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司

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