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ライブドア事件、メディアが伝える「被害者」とは、「真の被害者」なのか。

【PJ 2007年03月21日】− 3月19日付の読売新聞ネット版は、ライブドア事件の堀江貴文被告(34)の発言に、事件被害者らから抗議声明が出されたと伝えている。 抗議の概要は前日18日のテレビ番組で、「証券取引法違反ということで、被害者は基本的にはいない」と堀江氏が発言したことについて、同氏のほか主任弁護人も「被害者という言葉の使い方がおかしい、米国には証券詐欺罪があるが日本にはない」と発言。「原告には年金をライブドア株に投資して一瞬のうちに紙切れにされた者も多い。弁護士の発言は現実を見ない暴論だ」などと批判しているというものだ。

 なるほど、堀江氏と弁護士の発言は常軌を逸脱している。事件の本質は開示情報に偽りがあったという判断なのである。刑事被告人として謙虚にならねばならない実態は厳然と存在する。結果として、「被害者」は虚偽の情報に踊らされたことになるからだ。

 ただこうした場合、メディアは決まって事件被害者へ憐れみを以て対応する傾向がある。そのスタンスに疑念を抱く年金生活者は多いはずである。わたし自身7年前からの年金生活者ながら、投機に手を染める気はない。時として大損の恐怖を知っているうえ、大金を投資する余裕などないからだ。

 ライブドアによる有価証券報告書の虚偽記載は論外として、新興市場の「ハイリスク・ハイリターン」は、投資の世界では常識。「オレオレ詐欺」の被害者と、一発勝負に賭けた投資家を同一視してはならない。世間には定年後も働き続け、まとまった年金すら手にできない人がいる。あるいは年金すら受け取れない人が多いという現実を忘れてほしくない。

 大手メディア勤務者の多くはいわば有産階級。自分の視座で報道するほど単純ではなかろうが、「被害者」という一括りでこうした事件を報道するにはムリがある。「事件の被害者」という言葉の持つ意味は複雑怪奇。カネを失った人は、単なる投資家なのか、一山当てたい投機家なのか峻別すべきなのだ。メディアは、市井に膾炙(かいしゃ)するスタンスを護持せねばならない。何時の世でも、「一片の紙切れ」と化す証券もあれば、「大金と化す」株券もある。「コガネ」も貯められない高齢者のわたしは、こうした報道を見聞きするにつけ、新聞代もままならない声なき大衆を考えざるをえない。

 蛇足ながら、わたしは堀江貴文という男を時代の風雲児と思いこそすれ、ライブドアという会社と堀江氏にはしがらみも興味もない。ある時期、やんややんやと誉めそやした人物やメディアなどが、きびすを返すように事件の当事者を弾劾する姿が鼻持ちならないだけなのである。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 今藤 泰資【 茨城県 】
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