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東京地裁の堀江判決を批判する

2007年03月20日07時45分 / 提供:PJ

pj
東京地裁で16日、元ライブドア社長・堀江貴文被告に懲役2年6月の実刑判決が下された。刑の軽重は別にして、判決があまりに無責任なことに、わたしはショックを受けた。

 ライブドア事件の本質は「投資組合を通じて行った自社株の売却益を、利益として計上した」という企業会計の問題に尽きる。もし利益計上が合法なら無罪、違法なら有罪、という裁判だ。事件当時、この利益計上が合法か違法かは、公認会計士ですら判断に迷う問題だった。

 16日の判決では、どう判断されたのだろうか。裁判所は「投資組合は脱法目的で設立され違法」とし、投資組合の存在を否定した。だから、前述の利益計上そのものが法的にどう位置付けられるのかについて、直接判断をしなかった。裁判官は、判断から逃げた。

 わたしは今でも、ライブドア事件は東京地検がいきなり乗り出すような事件ではなかったと思っている。証券取引等監視委員会(SESC)の検査・調査によって、勧告や告発を行うべき事件であった。もし、SESCが告発していれば、争点が明確になり、重要な判断を回避するような判決にはならなかったろう。それが残念でならない。

 さて、判決の中にあったように、脱法目的で設立された団体は違法なのだろうか。「脱法」とは、法が想定していない方法によって利益を得ることである。違法も合法もない。法の想定外なのだ。法が想定していない事柄について、裁判所が刑を下すことなどあってはならない。脱法目的で設立された団体が違「法」というなら、その「法」を示せ。まさか、憲法第12条や第29条などとは言い出さないだろう。

 つまり、今回の判決は、すべての起訴事実の土台となっている事実について法判断を回避し、「脱法目的の団体を通じてやったことだからいけないよね」というイメージだけで構成された判決だ。砂上の楼閣とはこのことだろう。

 判決の最後に、子供から裁判所に送られてきた手紙が朗読されたらしい。裁判官の意図は不明だが、被告が涙を流して改心すれば済んだ問題なのか。それとも、論理的ではない判決を書いたことを他のトピックスで隠蔽するための方策か。裁判長は「実刑判決を言い渡したが、あなたの人格を否定したわけではない」とも言ったらしい。そもそも、裁判は罪を裁くところで、人格を裁くところではない。裁判官にそんな権限があるはずがない。この、判決公判全体に漂う安っぽさはなんだ。

 裁判の、裁判官の質の低下を嘆く。有罪無罪を云々しているのではない。判断をすべき人間が判断を避ける「無責任」が、裁判所にまで蔓延しているのかと思って、暗澹たる気持ちになっている。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 小林 亮一

関連ワード:
堀江貴文  憲法  東京地検  手紙  公認会計士  
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