ゲストさんログイン

ウェブ検索

最新ニュース! クリックするほどよく分かる

livedoor ニュース

今週のお役立ち情報

地下鉄サリン事件で日本人は何を学んだのか=きょうで12年目

【PJ 2007年03月20日】− 1995(平成7)年3月20日に発生した地下鉄サリン事件から、今年で12年目を迎える。同じ年の1月17日に発生した阪神淡路大震災と同じように、記憶の風化が著しい。東京メトロ(当時・営団地下鉄)日比谷線・千代田線・丸ノ内線各線の車内で猛毒ガス「サリン」が撒布され、死者12人、負傷者5311人という未曾有の無差別大量殺人傷害事件となった。

 日本ではなぜか「事件」と称されているが、日本以外の世界の常識では、毒ガスという「兵器」を使った「同時多発テロ」である。日本人の意識の奥には「国内で兵器が使われるはずがない」というさながら願望もしくは信仰に近い思い込みがあって、これだけのテロ被害に遭っても尚「事件」と呼びたがる習性は「悲しい性(さが)」との印象を拭えない。

 地下鉄サリン事件は、世界史上初の「化学テロ」であることを再度認識するべきだ。しかもそれが先進国の首都で行われたことで、世界中を震撼とさせた大凶悪テロだったのである。現在でも諸外国では化学テロの典型的事例として、軍隊のマニュアルに紹介されているという。

 さて、この事件以降、公共の交通機関には「不審物を見かけたら最寄りの係員にご一報ください」という注意喚起が為されるようになった。一般市民レベルでは、この程度の注意が精一杯かもしれない。
公の機関ではどうだろう。現場に出動した警察と消防は当初、毒ガスが撒かれたという情報を得ていなかったせいもあるが、毒ガスかもしれないという認識を初めから持っていなかったといわれる。

 そのため「無防備」で現場へ飛び込んでいったことで、警察官や消防官にも多くの二次被害が報告されている。またサリンに汚染された患者を除染することなく病院に搬送したため、医師や看護師にも患者から気化したサリンによる被害が出ている。これを教訓として警察や消防では対化学兵器用の装備が導入され訓練も行われている。

 この当時、化学兵器に対処する能力を持つ組織は自衛隊だけだった。第101化学防護隊は化学兵器のほかにも核兵器・生物兵器などいわゆる「NBC兵器」の知識や情報が豊富で対処訓練も積んでいる、当時は日本で唯一サリンに対処できる専門部隊だった。創隊以来はじめての実働派遣だったが隊員たちは沈着冷静に対処し、汚染された駅構内や地下鉄車輌などの除染作業を行った。

 事件の前には「毒ガス部隊」と誤解されたり、社民党(当時・社会党)からは「毒ガスを扱う悪魔の部隊」などと批判され解散要求まで出てくる状況だったが、この出動がきっかけで必要性が認められた。現在では老舗の第101化学防護隊のほか、各師団や旅団にも化学防護小隊が編制されている。

 あの日、地下鉄テロを実行したオウム真理教の教祖・麻原彰晃(本名:松本智津夫)ほか実行犯、教団の幹部たちはその後逮捕され、実行犯のひとり林郁夫の自供により全容が明らかになった。麻原には死刑が確定したが、事件に関与した高橋克也・菊地直子の2人はいまだ逃亡中である。もはや教団にとって何の利益にもならない2人は密かに消されているとする説も囁かれているが、それはあくまで憶測である。

 一方で、被害を受けた人たちの後遺症も深刻である。被害者の中には、乗客を助けようとしてサリンに汚染されてしまった人もいる。被害者の多くは今も重度の後遺症や神経症状に悩まされ、精神面でも心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しみ、未だに地下鉄に乗ることに不安を感じるという。

 「自分だけは大丈夫」という根拠のない安心感、そして「水と安全はタダ」という幻想が大きな油断を生んでいる。日本人が「平和ボケ」と揶揄される所以だ。12年前のあの日、もしかすると自分も地下鉄に乗っていたかもしれない可能性は誰にでもある。国内でさえそのような状況にあることを考えるとき、国の外にも目を向けて、国の安全について考え直す機会にしても良いのではないか。【了】

■関連情報
PJニュース.net
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 平藤 清刀【 大阪府 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
コメントするにはログインが必要です
ログインしてください
投稿

前後の記事

PJオピニオンアクセスランキング

注目の情報
三井住友銀行グループのプロミス
急な出費に⇒スピード審査!!
はじめてのお客さまに《7.9%−17.8%》
24時間お申込OK♪安心&便利な\プロミス/


詳しくはコチラ!