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勤務地を選びやすい会社、一生「転勤族」の会社

 重要であるにもかかわらず意外に見落とされがちなのが、勤務地である。判例上も、入社時に取り決めがない場合、サラリーマンは原則として勤務地を選ぶことができない。勤務地の移動は、必然的に、人的ネットワーク(人脈)の広がりや親族・家族との関係に直接的にリンクし、人生に甚大な影響を及ぼすことも見逃せないポイントだ。

【Digest】
 ◇どの機能を自社で持っているのか
■(1)地域分社制
 ◇営業エリアごとに別会社化
 ◇民放、地方紙は活動範囲が限定的
■(2)ビジネスモデル上、ほとんど転勤ナシ
 ◇一極集中の勤務地
■(3)プロジェクトにより半年〜2年程度の「通い常駐」はアリ
 ◇対象となる機能で異なる
■(4)基本は全国転勤だが、地域限定制度アリ
 ◇地元志向に応える制度
 ◇フランチャイズ採用
■(5)転勤アリだが、仕事内容や職種で概ね、勤務地を想定できる
 ◇開発拠点集積の自動車
■(6)地域限定制度アリだが、出世を諦める必要アリ
 ◇騙されて入社する?地域職の人たち
 ◇「出世組」は、全国行脚が必須
■(7)一生転勤族、社員に居住地選択の自由ナシ!
 ◇希望を通せば、残っても居づらくなる
 ◇一生、転勤族の新聞記者
 ◇行ったり来たりの商社マン
 ◇大都市か田舎か
 ◇意外に広い営業地域


【この軸で選ぶ意味】
 自分の意志で勤務地を移動するのならよい。問題は、会社都合で動かざるを得ないケースがどれだけあるのか、だ。では、勤務地が会社の都合で動くというのは、どういうことか。会社だって、社員に嫌がらせをしたくて動かす訳ではない。何らかの必要性があって動かすのだ。
 いわゆる「転勤族」を生み出すのは、下記2つの要件を満たす場合だけである。

1:ビジネスモデルとして広域に人を張りつける必要があること。
2:それが正社員である必要があり、かつ同じ場所に長期に置くと問題が発生すること。

 日本では、いわゆる「ファイヤー&ハイヤー」(必要に応じて解雇して雇用する)が法的に成立しないので、事業の撤退に伴って不要となった人材を、雇用維持を目的として強引に動かすことはある。そういった「数合わせ移動」は別問題とする。

◇どの機能を自社で持っているのか
 上記2つの要件を満たすのは、会社の機能でいうと、「調達」と「営業」があたる。逆に「開発」「製造」「バックオフィス(人事・経理・広報…)」などは該当しない。

 より具体的にいえば、例えば調達なら、商社マンは世界中の支店から情報やモノを調達する立場にあり(第一の要件)、それはコア業務であるがゆえに現地人には任せられず、かつ癒着・腐敗の温床になったり、社員の成長が滞るといった問題から、定期的に異動させる(第二の要件)。

 また、全国紙の記者は、全国(全世界)のニュースが起きる現場に1秒でも早く到達できることに価値があり、そこから情報を調達するのが仕事だ(第一の要件)。その信憑性が命だから、熟練を要し責任をとれる正社員である必要があり、スキルアップやモチベーション管理のために、定期的に異動させる(第二の要件)。

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