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特攻や著名な戦場で散ったものだけが、国を護ったのでしょうか?

【PJ 2007年03月06日】− 映画化される美談ばかりに、少々異議を申し上げます。日本の国を護ったのは、特別攻撃隊で出撃した若者や、大和や硫黄島で戦死したものばかりではありません。無能な指揮官や、政治家・権力者の指導の元に、多くの国民が、忠君愛国のために身を捧げたのです。特別攻撃隊という兵器を操縦する戦闘に於いては、整備等の指揮・命令をするためその階級は、将校であり下士官でありますが、戦死者の多くは、命令をされるがままの兵なのです。

 思い出すままに、戦場名を挙げてみましょう。ノモンハン、ガタルカナル、アッツ、レイテ、ルソン、ビアク、沖縄、ペリリュー、ニューギニア、インパール、アンガウル、テニアン、サイパン、グアム、満州等などで、北に、南に、水漬く屍、草むす屍となった多くの戦死者が居たことを忘れてはなりません。当然、国内の空襲や、満州の荒野で命を落とした多くの一般人も居るのです。敵ならばともかく、友軍に殺された住民もいるのです。

 アメリカ人の戦争は、今も昔も、戦闘地域での限られた戦争です。アメリカ国内での戦争は、南北戦争以来ないのです。その感覚が生み出したドラマの感覚で、戦争を捉える映画やドラマが多くなりました。日本は、決して対岸の火事的な戦争をしたのではありません。国民全てが、国土を使って戦ったのです。

 何か最近作られる映画の視点が変わってきています。その発想がアメリカ的というか、愛するものを護るための個人の意思行動だったような描かれ方が、多いように感じます。戦争はそのような「格好」のよいものだけではない筈です。

 戦前の日本の軍隊では、上官の命令は絶対であり、天皇陛下の命令なのです。絶対の服従を強いた軍隊に、個人の意思が入る部分は少ないのです。今、描かれる特攻の主人公の多くは学生から出征したエリートです。当時の国民のほんの一握りの人々でしかありません。エリートという言葉も最近は聞かれなくなりましたが、戦前に於いて大学に進学するということは、大変なことでした。現在では到底想像もつかないことなのです。格差社会的な言い方をすると、年収1000万円のサラリーマンと似たようなものでしょう。ですから、特例的に将校への任官が行われた例もあります。

 多くの一般国民は、「日本の軍人は、皇国のためには、一身を捧げ、奉公の誠を尽くすことを、無上の国民としての名誉としているので、日本の兵隊が、皇国のために戦死することは、忠君愛国のあらわれであり、国民としての名誉である」(少国民の一般常識)こんな教育をされたのです。日本に現在、軍隊が復活すれば、大学卒の二等兵が多く存在することになりましょう。命令に従って、唯々諾々と戦地へ赴き、命令のままに戦闘ができるかは、現状の若者の意識を見ていると疑問です。軍隊は、基本的に階級社会であり、士官は、軍人としてエリート教育を受けた若者が、そうでない兵を指揮・命令する組織なのです。士官と兵の中間に、下士官がいます。下士官は、兵からのたたき上げです。

 戦争を描くドラマに、その命令を発した政府・軍の高官や社会の構造はでてきません。戦場のみです。本当の責任者は、弾の来ない所で、命も賭けずに数字と地図と戦略に明け暮れているのです。それは、昔も今も変わることはないのです。命を代償に戦うのは、普通の人間であることを直視してください。そして、その人間には、家族があり、その死によって嘆き悲しむ人がいたことを知って下さい。何となく、また、この事を当然のように繰り返したい指導者が増えつつあるように思います。このことは、絶対に繰り返してはならないと、私は強く思っています。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司【 愛知県 】
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