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ひな人形と、青い目の人形との出会い=横浜

ひな人形と、青い目の人形との出会い=横浜
横浜市人形の家では、恒例の『館蔵ひな人形展』が開催されている。3月4日まで。(撮影:穂高健一、2月28日) 写真一覧(5件)
【PJ 2007年03月03日】− 3月3日は桃の節句。全国各地ではそれぞれ催しが行われている。多くの家庭でも、内裏(だいり)様を上段に据えた、ひな人形が飾られている。

 神奈川県横浜市の横浜人形の家(石坂浩二館長)では恒例の、『館蔵ひな人形展』が開催されている。江戸中期から明治、昭和へと、数々の価値ある、華やかなひな人形がならぶ。とくに江戸時代の、京都のみやびやかな雛(ひな)、豪商や武家たちの豪華なひな人形は見逃せない。

 ひな飾り道具の金蒔絵(きんまきえ)は、美術工芸品としても価値が高く、日本人の手先の器用さと美的感覚とを物語っている。「現代の工芸技術で、これだけの色が出せるのかしら?」という声が聞こえるほどだ。

 横浜港といえば、『青い目の人形』で有名。1926年にギューリック博士が「子どもたちから日米友好を」と全米に呼びかけ、1万2397体の人形が集められた。27年にはサンフランシスコ港から日本に送られた。人形には一体ごとにバスポート、ビザ、東京行の記者の切符が付けられていたという。上陸後、日本各地の学校に贈られた。それが有名な童話『青い目の人形』になって、現在も語り継がれているのだ。

 日本側は答礼人形として、国宝級の人形師たちが58体の人形を製作した。京都の織物の着物を着せたうえ、ミニチュアの嫁入り道具(長持ち、草履、傘など多種)を一体ずつに持たせた。送別会をして横浜港から船出したのだ。

 不幸にして日米開戦となった。アメリカから送られてきた人形は敵国の贈り物になってしまった。1970年代、80年代には日本中の学校が建て替え時期に入ると、解体作業中に、アメリカ人形が出てきた。横浜市内の学校でも3校から4体発見されている。同館には、これら日米親善人形が展示されている。

 横浜人形の家は昨年06年4月22日にリニューアルオープンした。世界140カ国の民族人形が常設されている。寒い国、熱帯の国など、人形の姿を通して各国の特徴を知ることができる。来館した子どもたちが直接手に触れる各国(タンザニア、メキシコ、ペルー、ドイツ、スイスなど数々)の人形もある。親子連れが楽しんでいた。

 創作人形のコーナーでは、人形師で最初の人間国宝となった平田郷陽さん作品『熟柿(じゅくし)』、『陽射し』なども展示されている。平田さんは日米親善交流の答礼人形制作にも携わった作家でもある。

 企画展の『館蔵ひな人形展』は、江戸時代中期の享保雛(きょうほびな)、次郎左衛門雛(じろざえもんびな)にはじまり、江戸後期の天児・這子(あまがつ・ほうこ)、立雛(たちびな)、有職雛(ゆうそくびな)、古今雛(こきんびな)がならぶ。歴史的にも価値があるものばかり。

 展示された明治雛は、江戸時代の京の雛と江戸雛が合体した集大成といえるもの。「からだが震えるほど、見事な作品です」と人形の専門家が語る。「人形のほうから語りかけてくれる」とも話す。

 同館の圧巻は、関西で流行していた江戸、大正、昭和、それぞれの時代の御殿飾り・ひな段飾りが一同にならぶ、豪華な展示品だ。その前に立つだけでも、圧倒される。三人官女のひな人形から、人形作りの時代の変遷がごく自然に理解できる。

 同館の常設展の特徴は、ふれあい工房あとりえ・『熟練した匠の技から生まれる人形』のコーナーだ。人形作りの細かな道具が取り揃えられている。来館者は自由に引き出しが開けられる。そこには人形の顔を書く化粧道具、衣装小物、塗料、髪の毛などが個別に収納されている。

 完成さたれ雛人形を観るだけでなく、人形の作り方、という実践的な楽しみ方ができる。足を運ぶ価値ある企画展だ。【了】

■関連情報
問い合わせ:横浜人形の家
〒231-0023 横浜市中区山下町18  045-671-9361
入場料:大人500円/子ども150円
時間: 10:00〜18:30(入館は18:00まで)

記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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