日本テルペン跡地土壌汚染で市民が健康被害、神戸市の見解は?=神戸市会
2007年02月25日07時26分 / 提供:PJ
神戸市は23日、第1回定例市会の3回目本会議を開いた。この日の本会議は、平成19年度各会計予算および関連議案について、日本共産党、住民投票・市民力、新社会党、新政会、無所属の議員らが、神戸市長に質疑した。日本共産党の亀井洋示議員は昨年7月ころ、神戸市中央区脇浜町の日本テルペン化学の跡地における土壌処理作業で、近隣住民らに健康被害が出ている件で「神戸市は、緊急に健康被害の実態調査を行い、被害者に医療援助などの被害者救済対策を検討するべきだと思うが、市長の考えはどうでしょうか」と質疑した。
亀井洋示議員は、日本テルペン跡地の近隣住民らの健康被害について、次のように説明した。「中央区の日本テルペン化学工場跡地の健康被害、大気汚染問題について伺います。わが党は昨年の決算議会でも取り上げ、市長の見解をうかがいましたが、その後、被害は更に広がり、深刻な事態になっています。この工事は昨年6月頃に建物が取り壊され、7月ころからの土壌汚染対策工事は今年の1月で終了しましたが、悪臭はなお続いています」。
「半年以上に及ぶ工事で、撒き散らされた有害物質を含む粉塵と、揮発性有機化合物を含むガスが、住民の体内に蓄積され、体力の低下している高齢者や病弱者、さらには子どもたちがまともに被害を受けています。しかし、事業者は、これまで一貫して、加害者であるとは認めず、健康被害調査も拒否してきました。被害の救済を求める住民に対して、逆に、『健康被害と工事の因果関係を証明せよ』と迫る有様であります。ところが、住民に対しては、このような態度をとりながら事業者は、作業員には、防塵マスクの着用と活性炭入り有機溶剤用マスク着用を義務づけているのです」。
「一方、神戸市は、昨年のわが党の本会議質問直後に、環境局長が事業者を呼び、因果関係に証明がなくても対応するよう求めましたが、事業者は2カ月間、返事すらしなかったのです。現在、被害者の数は、確認されているだけで82人にのぼっています」。
「そこで市長に伺いますが、まず神戸市は、被害者の健康被害の実態を調査するのが、市民の命を預かる長としての責任ではありませんか。神戸市の責任で被害の実態調査をすべきですが、いかがでしょうか」。
「もう1点は、被害者への緊急救済措置についてであります。昨年の質疑で、被害を受けて入院した少女の手紙を紹介しましたが、いま、筒井住宅に住む高齢者の介護をしていた20歳代の女性ヘルパーが健康を害し、一時、呼吸困難になり、いまも入院生活を送っています。また、戸を開けるたびに激しい喘息の発作が起こり、失明状態になった高齢者からも被害の訴えがあります。こんな現状にもかかわらず、神戸市は『事業者の責任だ』として関与せず、事業者は自らの責任ではないとして放置する。これでは、被害者はたまったものではありません。神戸市は事業者と一緒に、医療援助など緊急の被害者救済対策を検討すべきと思うがどうでしょうか」。
亀井議員の質疑に対して市長に成り代わり助役が答弁
亀井議員の質疑に対して、市長は一切答弁せず、梶本日出夫助役が答弁した。梶本助役は、「日本テルペン跡地は平成17年9月に、土壌汚染対策法に基づき、土壌汚染調査を行ったところ、土壌汚染が確認され、平成18年1月、神戸市は、汚染指定区域に指定しました。事業者は、平成18年7月から土壌処理作業を開始し、今年2月2日に、作業は完了しています。日本テルペンは、長年にわたり樟脳を製造していたことで、土壌処理作業においては、8月中旬ごろ、臭気が強かったようです。事業者は、現在は、8月当初に比べると軽減していると言っています」。
「神戸市は10月、1月の大気調査と、事業者によるモニタリング調査の結果、1、2−ジクロロエタンの濃度が、環境基準を大きく下回っており、有害物質の濃度で健康に影響を与えたとは考えておりません。8月からかなり強い樟脳臭があり、健康被害など、一部影響がないとはいえません。神戸市としましては、事業者が責任を持って対処するよう指導しております」。
「事業者は1月25日から27日までの3日間、健康相談窓口を設け、因果関係にこだわることなく、健康被害にあった住民らの話を聞いたり、また、その3日間に限らず、継続して個々の方々と話し合いをするということでした。神戸市としては、引き続き、住民らに誠意を持って対応するよう事業者に指導していきたいと考えております」。
「神戸市は、1月10日から11日にかけて、樟脳と大気7物質について、調査しました。地元に何度も訪れて、住民の方々の話も聞いております。神戸市としては、法的にこれ以上できません。事業者に対しては、行政指導でできるだけのことをやっています」と応答した。
■関連情報
日本テルペン問題、市議が当局に追及=神戸市会
神戸市長が健康被害の小学生に手紙、神戸の異臭問題で
日本テルペン工場跡地土壌汚染問題、専門家が調査報告
PJニュース.net
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「半年以上に及ぶ工事で、撒き散らされた有害物質を含む粉塵と、揮発性有機化合物を含むガスが、住民の体内に蓄積され、体力の低下している高齢者や病弱者、さらには子どもたちがまともに被害を受けています。しかし、事業者は、これまで一貫して、加害者であるとは認めず、健康被害調査も拒否してきました。被害の救済を求める住民に対して、逆に、『健康被害と工事の因果関係を証明せよ』と迫る有様であります。ところが、住民に対しては、このような態度をとりながら事業者は、作業員には、防塵マスクの着用と活性炭入り有機溶剤用マスク着用を義務づけているのです」。
「一方、神戸市は、昨年のわが党の本会議質問直後に、環境局長が事業者を呼び、因果関係に証明がなくても対応するよう求めましたが、事業者は2カ月間、返事すらしなかったのです。現在、被害者の数は、確認されているだけで82人にのぼっています」。
「そこで市長に伺いますが、まず神戸市は、被害者の健康被害の実態を調査するのが、市民の命を預かる長としての責任ではありませんか。神戸市の責任で被害の実態調査をすべきですが、いかがでしょうか」。
「もう1点は、被害者への緊急救済措置についてであります。昨年の質疑で、被害を受けて入院した少女の手紙を紹介しましたが、いま、筒井住宅に住む高齢者の介護をしていた20歳代の女性ヘルパーが健康を害し、一時、呼吸困難になり、いまも入院生活を送っています。また、戸を開けるたびに激しい喘息の発作が起こり、失明状態になった高齢者からも被害の訴えがあります。こんな現状にもかかわらず、神戸市は『事業者の責任だ』として関与せず、事業者は自らの責任ではないとして放置する。これでは、被害者はたまったものではありません。神戸市は事業者と一緒に、医療援助など緊急の被害者救済対策を検討すべきと思うがどうでしょうか」。
亀井議員の質疑に対して市長に成り代わり助役が答弁
亀井議員の質疑に対して、市長は一切答弁せず、梶本日出夫助役が答弁した。梶本助役は、「日本テルペン跡地は平成17年9月に、土壌汚染対策法に基づき、土壌汚染調査を行ったところ、土壌汚染が確認され、平成18年1月、神戸市は、汚染指定区域に指定しました。事業者は、平成18年7月から土壌処理作業を開始し、今年2月2日に、作業は完了しています。日本テルペンは、長年にわたり樟脳を製造していたことで、土壌処理作業においては、8月中旬ごろ、臭気が強かったようです。事業者は、現在は、8月当初に比べると軽減していると言っています」。
「神戸市は10月、1月の大気調査と、事業者によるモニタリング調査の結果、1、2−ジクロロエタンの濃度が、環境基準を大きく下回っており、有害物質の濃度で健康に影響を与えたとは考えておりません。8月からかなり強い樟脳臭があり、健康被害など、一部影響がないとはいえません。神戸市としましては、事業者が責任を持って対処するよう指導しております」。
「事業者は1月25日から27日までの3日間、健康相談窓口を設け、因果関係にこだわることなく、健康被害にあった住民らの話を聞いたり、また、その3日間に限らず、継続して個々の方々と話し合いをするということでした。神戸市としては、引き続き、住民らに誠意を持って対応するよう事業者に指導していきたいと考えております」。
「神戸市は、1月10日から11日にかけて、樟脳と大気7物質について、調査しました。地元に何度も訪れて、住民の方々の話も聞いております。神戸市としては、法的にこれ以上できません。事業者に対しては、行政指導でできるだけのことをやっています」と応答した。
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パブリック・ジャーナリスト 新納 直子
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